ごきげんようクソ新入り。俺がザップ・レンフロだ
概要
超常秘密結社ライブラに所属する青年。
金と女にだらしがなく、毎月の活動資金は25分ほどでギャンブルに消え、尚且つ借金まみれ、大抵は何処かの女のところで寝泊りし、女性から貰うお小遣いが主な収入源。知り合いの知り合いにたかったり、気になる女性を片っ端からナンパしたり、タバコや麻薬を常習しているなど自堕落の見本のような生活をしている。その人格はスティーブンに「度し難い人間のクズ」とまで言われる程だが、兄貴肌で面倒見が良く情に厚い好漢な一面もある。
アニメでは原作のシーンや台詞が幾つか削られている事もあり、若干クズさがマイルドになっていたりする。
同僚のチェイン・皇とは犬猿の仲で、ことあるごとに「銀猿」「クソ猿」「SS(シルバーシット、銀色ウンコの意)」と罵られ、ザップもチェインのことを「雌犬」などと罵っている。だが二人して捕まった時は息のあった連携を見せるなど、本当は「喧嘩するほど仲がいい」という仲。
血液に変幻自在の形状を与え操る「血法(けっぽう)」と呼ばれる武術の体得者。クラウスやスティーブンのそれに比して遥かに操作性の自由度が高く、糸のように伸ばしたり、触手のようにしてものを掴んだり、切り離して網にするなどその使用法は多彩。極めれば血液の混ざった液体そのものを操ったり、血液で人体欠損部を補うなど人外の業に至る。
戦闘能力は折り紙つきであり、ライブラでも実力者。
神性存在(を半分にされた存在、半神)の光速を遥かに超える速度、都市を一瞬でガレキにする威力の斬撃を不意打ちの初撃でも対応し、数撃後には捉え、斬り合うようになるなどその潜在能力は計り知れない。(これに関してはレオ等戦闘外の主要キャラは全員このようなレベルであるが)
また血法に関する才能は周囲から「天才」とまで呼ばれる程であり、血法を使って知覚不能な程の単位での精度で作業するなどその性格に反してとても繊細で器用。
世界最強の血法使いである師、裸獣汁外衛賤厳からは「その集中力、我が熟睡時に匹敵する」とまで言わしめ、一番弟子として認められている。
(※「熟睡時~」の下りは『血闘神』とまで呼ばれ人智の埒外にある賤厳の神業に裏打ちされた純然たる事実なのだが、ザップ自身の研鑽もまた「センスの無え奴には一生できねえ」レベルの絶技であり、賤厳からすれば最大級の賛辞)
ただ、師匠に対してはその修行の過酷さ故に反感タラタラでクソジジイ呼ばわりな一方、恐怖心の方が圧倒的に上回っているため、対面した時はすぐに逃げ出す。
ちなみに師匠はライブラメンバーすら足元にも及ばないレベルの規格外な戦闘力を持っており、並のH・Lの超常存在はもちろん、かなりの上位存在であっても相手にもならない程の、ヒューマー側では最高レベルの力の持ち主である。
そんな彼だがその素行も災いして何かとトラブルに見舞われることも多く、物語冒頭で3回以上死にかけるなど、悪運に愛された漢でもある。半分以上は自業自得だが。
またレオと同様、スティーブンの爽やかな笑顔(脅し)にはガチで怖がっている様子が見受けられる場面がしばしば(これもまた自業自得な面も多いのだが……)
半魚人のツェッドとは兄弟弟子の関係だが、彼からは(主に人格的な問題で)兄弟子とは認められていない(一応お互いに相手の実力に関しては正当に評価しており、一定の信頼を置いている)。
クラウスからレオの護衛を頼まれており、表面上は拒絶しながらも戦闘能力が皆無な彼の身辺警護には気を配っている(K・K曰く「意外と(護衛を)マメにやっている」)。
そのために一緒に行動することも多く、凸凹ながらもお互い言いたい放題(彼の頭部の事を陰毛頭というなど)やりたい放題で付き合える腐れ縁の仲になっている。ツェッドが参加してからは三人でトリオを組むことも多い。
HLが作られクラウスが簡易的な拠点を作ったころ師匠によって箱詰めにされクラウス達の元に送られてきた。ライブラのメンバーとしてはクラウス、スティーブンに次ぐ古参である。
斗流血法・カグツチ
読みはひきつぼしりゅうけっぽう。
発火性の血液をその身に宿すザップが受け継いだのは火属性の「カグツチ」。
血液を「刃身(じんしん)」と呼ぶ様々な形に変形させ、時に武器に変形させ、時にそれを発火させることで高い攻撃力を誇る。
能力を使う際は出血する必要があるらしく、針のついた着火用ライターを持ち歩いている。
- 刃身ノ壱・焔丸
形状は太刀。
神性存在をも切断する鋭い斬撃「大蛇薙」を放つ。その後、焔丸の刀身を伸ばして敵を拘束、血に着火して敵を焼く「七獄」に繋げる(原作版。アニメ版では「七獄」は後述の空斬糸から派生する技として描写されている)。
- 刃身ノ弐・空斬糸
形状は糸。斗流には珍しくザップとツェッド両名が共通して使う技でもある。
攻撃よりも捕縛に向いており、対象に絡み付けて動きを封じる「赫棺縛(かくわんばく)」を使える。
二人が同時に血を展開して対象を受け止める網を作り出す「紅絡新婦」という技もあり、これもおそらくは空斬糸の応用と思われる。
- 刃身ノ四・紅蓮骨喰
形状は大剣。
身の丈ほどもある巨大な刀身が特徴で、峰の部分を発火させることで振りを加速し非常に高い威力を発揮する。
- 刃身ノ六・紅天突
形状は無数の刃。
数十数百の血刃が雨のように降りかかり、相手を挽肉にする。刃の隙間はきっかり1インチ。
ザップを主役としたノベライズ「血界戦線-オンリー・ア・ペイパームーン-」で使用された。
- 刃身ノ拾弐・双炎焔丸
形状は太刀。刃身ノ壱・焔丸を単純に二本にしたもの。
呪術地雷陣によって身動きが取れない状態のザップが全方位からの攻撃を捌くために使用した。
片足が地面から離せないという状態であるにもかかわらず、武装した数百もの異界人の猛攻を耐え凌ぎあまつさえ尽くを切り伏せて見せた。
また、裸獣汁外衛賤厳は同様の技として三本の焔丸を出現させる「刃身の百壱・焔丸三口」を使用している。
- 刃身ノ拾参・貂熊爪
形状は爪。手の十指それぞれに細い爪状の刃を装着する。
接近戦において対象の急所を的確に打ち抜くことに向いており、劇中ではザップの集中力も手伝い真胎蛋の目玉六個を同時に過たず潰すことに成功した。
- 鉢砕き
タイクーンブラザーズに対し使用。不発に終わったものの、裸獣汁外衛賤厳による鉢砕き・鬼が登場しており、そちらは無数の焔丸を相手の頭上より降らせる技となっている。
- 禁戒奥義 刃身の獣 解放
正確には師である裸獣汁外衛賤厳による技。ここでは拘束術式を解放された後の姿について解説する。解放後は血液のプロテクターを四肢に纏い、両手と背中から生やした二本の血の腕を用いた四刀流となる。この形態での戦闘力は凄まじく、高位の血界の眷属とされるタイクーンブラザーズを一瞬で粉微塵にする程。