バルディッシュとは、
- 東欧で使われた戦闘用の斧の一つ。薙刀と斧を足して2で割ったような形状の、大きな刃が特徴。
- アニメ『魔法少女リリカルなのは』シリーズに登場するインテリジェント・デバイス(自立意思を持つ魔法アイテム)。
概要①
16~18世紀のロシアなど東欧地域発祥とされる、ポールウェポンの一種。別称としてバルディーシュ、バーディッシュとも。
いわゆる長柄の戦斧であるが、ハルバード等他のポールウェポンと比較すると柄は短い。その代わりに斧頭の刃が極めて大型化しており、上下に幅広い形状になっているのが特徴。
特に上側は斧刃の「角」にあたる部分が大きく突き出た形状になっており、この構造を活かして槍のような刺突攻撃も可能だったとされている多機能な武器である。剣や槍での刺突は古今東西に見られる攻撃方法だが、斧でこれをやるのは比較的珍しい。
時代が下るにつれて形状も進化していき、16世紀頃のものは刃の上部を槍やナイフのように尖らせた刺突向けの形状に、17世紀に入ると斧頭がより半月型に近い、斬撃に特化した形状へと改良された。
刃が上下に延長されたため、後期のものは柄と斧頭を「斧の根元」と「刃の下端」の二か所で固定するようになり、もはや斧というより「極端に大型化したグレイヴ/薙刀」のような形状となっている。
柄の短さからリーチ、間合いという点では他のポールウェポンに大きく劣るが、その代わりに非常に高い威力を誇るのがバルディッシュの魅力と言えよう。
巨大な斧の刃は武器の重量の大半を占めるといい、その重さを活かした叩き斬りの威力は人体をたやすく真っ二つにしてしまうとも言われる。その殺傷力の高さから「キリスト教で禁止武器に指定された」なんて俗説も生まれたほど、強力な武器として知られているようだ。
また、幅の広い刃は装飾が施される事も多く、様式化された枝葉の形状に縁取られたり、「戦うドラゴンとユニコーンの図」などユニークな紋章が描かれる事もあったらしい。
言わずもがな、下記の「バルディッシュ」の原形でもある。
関連タグ
機能の似通った武器:
灰の審判者、グンダ……とあるゲームのボスキャラクター。史実のものとは異なる長柄ではあるが、バルディッシュを振るい強力な薙ぎ払いや刺突を放つ。
概要②
「魔法少女リリカルなのは」のバルディッシュ
TVアニメ「魔法少女リリカルなのは」シリーズの登場人物、フェイト・テスタロッサ(フェイト・テスタロッサ・ハラオウン)が持つインテリジェント・デバイス。通称「閃光の戦斧」。(CV:ケビン・J・イングランド)
実に16年もの間、彼女に愛用されているらしい。
リニスがフェイトのために作ってあげた。
機械的ながらもどこか礼儀正しいレイジングハートと対照的に、対応は無骨かつ必要最小限。さながら「指揮官に従う下士官」を思わせる。しかし、主に対しては常に忠実であり、損傷を受けてなお主と共に戦う姿に「漢」を感じるファンも多い。
余談だが、ワイルドアームズクロスファイアにおいてアックスバトラー用のポールアームに本機のオマージュと思われる「パルディッシュ」という武器がある。
形態
バルディッシュ
- デバイスフォーム
- 基本形態。斧のような形になる。
- サイズフォーム
- 近接戦闘に特化させた形態。鎌のような形になる。
- シーリングフォーム
- ジュエルシードを封印するときに使われる。ヤリのような形になる。
バルディッシュ・アサルト
シグナムとの戦いで大破したバルディッシュが、ベルカ式のカードリッジシステムを搭載されることで、大きく強化されて復活した。
- アサルトフォーム
- 形は「デバイスモード」に似ている。最もこれが使われる。
- ハーケンフォーム
- 近接戦闘に特化された。「サイズフォーム」に形が似ている。
- ザンバーフォーム
- 大きな剣の形になる。最大出力モード。
- ライオットフォーム
- 『StrikerS』より登場。「ザンバーフォーム」の強化版で、片手剣(ライオットブレード)・双剣(ライオットザンバー)・二刀流(ライオットザンバー・スティンガー)・大剣(ライオットザンバー・カラミティ)とバリエーションが多い。
第五世代デバイス
『Force』より登場。魔力無効化メタ及び魔力強化対応となって強化されて、片手剣・双剣・二刀流は「ライオットブレードII」に、大剣は「ライオットザンバーII」と名前が変わった。
返答について
バルディッシュは必ず"Yes sir"と答えるが、
実際の英語圏において女性上官には通常sirは使わず、ma'amを使うため"Yes ma'am"と答える。
何故ma'amではなくsirなのかは詳細は不明だが、ファンによる小説などではこのことを考慮して
バルディッシュが"Yes ma'am"と答えるように描かれている作品も存在する。
アメリカ海軍では伝統的に士官の性別に限らずsirと呼ぶという都市伝説(実際には女性仕官相手にsirを使うと侮辱と取られるのでma'amを使う)があるのでそれに倣ったという説もある。