曖昧さ回避
- 男性の夢魔。本項で解説。
- 『ぷよぷよ』のキャラクター。本項で解説。
- 『女神転生シリーズ』のキャラクター。本項で解説。
- 『よんでますよ、アザゼルさん。』のキャラクター。本項で解説。
概要
ハンサムな男性の姿で女性の枕元に立っては(性的な意味で)食べ、白い液体を放出する事で子供を孕ませるというけしからんようなうらやましいような悪魔。
そのため、インキュバスの存在が信じられていた中世ヨーロッパの時代などでは、女性が不純異性交遊でうっかりデキちゃった場合、言い訳の定番として利用されることも多々あったらしい。
概ねの場合は整った顔と体、そしてご立派なものがお持ちになっている。好みに程よく筋肉は付いているか、もしくは女性のような華奢で細いものもある。
サキュバスと同様、悪魔の特徴として角・コウモリの翼が生やしたのが大半である。
性質上、サキュバス同様R-18タグがつく事が多い。
大人向けの漫画や小説、ゲームではサキュバスからいろいろと搾り取られる存在とされることがある。
一説ではサキュバスとインキュバスは同類とされ生殖能力がなく、男性から集めた精を濃縮し、女性に注ぎ込むことで繁殖しているともされる。
その為か、男の娘やBL等でインキュバスが男から搾り取る立場となる作品が多く見られる。
なお、16世紀、彼らが上述のような形で頑張ったとされる頃、まったく同じように、「家の手伝いをしてくれる妖精」ともされ、彼らへ夜、ミルクを捧げる儀礼があったとか。ゲーテの小説『ファウスト』にもそのような精霊として登場する。
考察
近年の創作ではサキュバスにとって精液や精は食料である、という描写が見られるようになった。
だが、これをこのままインキュバスにも適用するとおかしなところが出てくる。
サキュバスが男性の精液を摂食する種族であるのなら、人間の男性を搾り殺すことや、美貌で堕落を誘うという悪魔としての使命を除き、セックスしないと餓死することな故、禁欲が死活問題である故やりたくてもやってはいけないことである。生存本能の一部なので全員好色な性格なのも合理的で、一種族として成立している。
しかし、インキュバスは女を誘惑し、セックスしても何一つ得られるものには見えない。故に、厳密的にはインキュバスは種族として成立できないのである。もちろん魂や生命の力などのでっち上げたものをセックスに介して吸収するのは通じるが、なぜそれを吸収するにはセックスしなければならないのは辻褄がおかしい。
悪魔の精液で悪意を満ちた子を産ませるなり、もしくは母体や人間社会に害を与える獰猛なる怪物を産ませるなり、あくまでも使命や任務の類なので実際生存だけじゃやらなくてもいいことである。
しかもマーリンのような、伝承におけるインキュバスの血を引く子ではあまりそういう傾向が見えないので、やはり不明点が多い。
インキュバスの精液がサキュバス経由で得られた人間のものとしても、それで身ごもるのが中世社会の単身の女性ならそれだけで破滅モノであるし、そうでなくても家庭がぶっ壊れるため脅威であることに違いはないが。
サキュバスやインキュバスを悪魔=堕天使やその近縁種とみなすなら、「人間を神や信仰から引き離し、堕落させたり破滅させたりする」事さえ達成できるなら彼等にとっての目的を果たせる事にはなる。ただしそれでもあくまでも使命や任務の類なので実際生存だけじゃやらなくてもいいことである。
とはいえ、創作作品でアブラハムの宗教の悪魔観をそのまま採用している作品は(それこそ宗教的作品でなければ)まずない。それ以前に種族としてはそもそも成立できない。
インキュバスを野生動物や一般的なモンスターのような「栄養を得て生存するクリーチャー」とする場合、生物としての行動原理に不自然さやご都合主義がちらついてしまうことになる。
こうなると、インキュバスは一つの種族ではなく、ただ「セックス能力に特化した男性悪魔」で、数がサキュバスより少ないイレギュラー者、セックスこと自体は「趣味」にすぎない、とするしかなくなる。例えば、サキュバスが妊娠して男性が産まれた場合なら「インキュバス」と言うならそれなりに合理的である。
逆にインキュバスがサキュバスと対極的な種族として成立し、全員が大量の精液を提供できる絶倫だったら、なぜ二種族で共生関係で内輪で完結することにはならなく、敢えてセックスの能力が劣る人間(上述の宗教的世界観に基づくなら堕落さえさせればいいなら成り立つが、それでもあくまでも使命や任務で人間マストではない)を狙うのはおかしいので、仮設には成り立たないのである。
非宗教的なフィクション作品での解決方法としては以下の例がある。( )はその例。
- インキュバスのほうは作中に出さない。
- 伝承における性質を備えつつも、他と共通するエネルギー源を持ち、それを摂取できる(『真・女神転生シリーズ』におけるマグネタイト)。
- 何らかの形で快楽を与えるが、それ自体は前振りでありエネルギー補給そのものは文字通りの捕食によって行う(『ヴァンパイアシリーズ』における背景設定、詳細はこちらを参照)。
- 普通の食事でも栄養補給ができ、人間含む他種族と敵対や、捕食・非捕食の関係にない(『異種族レビュアーズ』)。
- そもそも性行為や性的快楽を介して養分を得る存在ではない(『メギド72』のサキュバスとインキュバス)。
『ぷよぷよ』のインキュバス
「オー、ビューティフォー!」
「本来ならお嬢さんの○○○を××したり、××しながら精力を吸いたいところだが…」
インキュバス自体ははMSXの『魔導物語』から登場するキャラクターだが、性格やキャラクター・容姿が固定されたのは『ぷよぷよ通』からである。
PS版の「通モード」では練習モードにいるほうは弟としている個体が存在、本来のインキュバスの所業を口頭で説明した(ストレートに表現しているので修正がバリバリ入る)後に改めてぷよ勝負を仕掛けてくる。
なお、通常のステージでは登場しないキャラクターで、ストーリーとして登場するのは『ぷよぷよSUN』からである。『ぷよぷよ~ん』では、白い服で登場する。
魅了技を中心に使う淫魔で、『ぷよぷよ通』を初めとし、多くの作品で主人公をナンパをしている。
だが、顔に自信がないのか化粧が濃く、『ぷよぷよSUN』では汗で化粧が落ちる事態が発生。
セガサターン版『魔導物語』では日光に弱いと表記されていたが多分弱いのは日光ではなく…。
口調は「オーマイガッ!」「お先にグッバイでーす」などの米語混じり言葉を使う。
『セガぷよ』では舞台となる世界が変わった所為で登場機会がなくなり、『ぷよクエ』で漸く登場したがやはりボイスは米語がほとんど。だがダメージボイスは「Hmm, come on!」だの「NOOH, great!」だの闇の魔導師ばりの残念なイケメンになっている。
ちなみにサキュバスとはとても仲が悪いらしい。
『ぷよぷよ!!クエスト』における亜種カードは、2024年3月現在2種類が存在している。
目の部分だけを覆う仮面を着用した「仮面のインキュバス」は、2014年12月のイベント「マスカレード祭り」の報酬カードとして登場したが、レアリティは★5止まりの、現在ではすっかり時代の波に置いて行かれてしまった性能のカードである。
青い服を着用し青い薔薇を持った「あおいインキュバス」は、2017年1月のぷよフェスで登場したカード。ランダム対象の相手に3連続攻撃を与え、与えたダメージに応じて味方全体の体力を回復するスキルで統一されたぷよフェスキャラクター「目覚めし力シリーズ」のうちの青属性。
担当CV
橘黄昏(コンパイル社員):『ぷよぷよSUN』(AC・SS版)
小竜(コンパイル自社オーディション):『ぷよぷよSUN』(N64・PS版)・『魔導物語~魔導師の塔~』・『わくわくぷよぷよダンジョン』・『魔導物語』(SS版)・『ぷよカード』・『ぽけっとぷよぷよ~ん』・『みんなでぷよぷよ』
菅沼久義:『ぷよぷよ!!クエスト』
PS2『ぷよぷよ通 パーフェクトセット』はエンディングに声優はクレジットされているが、担当は不明。
上記以外の作品はコンパイル社員と思われるが、こちらも担当は不明。
『女神転生シリーズ』のインキュバス
初出は『女神転生』で、夜魔インキュブスという名前で登場。『真・女神転生』まではメフィストフェレスやレオナルドの色違いの山羊頭の悪魔姿。女性キャラのみのレベルを下げる「あくまのキス♂」がいやらしかった。
『真・女神転生if...』以降、股間に♡模様がついたケースを付けた独自の小悪魔の姿になっている。 詳細は →夜魔インキュバス
『よんでますよ、アザゼルさん。』のインキュバス
羊のような服を着た、黒猫の姿をした悪魔。職能は誘惑。魔界での真の姿は美少年である。
淫魔として有名なアザゼル篤史を「先輩」「シショー」とおだてながら、裏では探偵事務所のメンバーへの嫌がらせをアザゼルの仕業に見せかけおこなっていた。しかしそれには理由が…