概要
ドルイド(Druid)とは、ケルト人社会における祭司のこと。
由来は、Daru-vid(Daru がオーク(樫)を、vid が知識を意味する)というケルトの言葉で、「オークの賢者」を意味する。
ドルイドの社会的役割は単に宗教的指導者にとどまらず、政治的な指導をしたり、公私を問わず争い事を調停したりと、ケルト社会におけるさまざまな局面で重要な役割を果たしていたとされる。
また、現在世界中にて10月31日に仮装して楽しむ祭として有名なハロウィンは、ドルイドの儀式が起源になったとされている。
しかし、文字で教義を記す事をしなかった為、その全容については不明な所が多い。
また、キリスト教とは古くから対立関係になっていた事で、熱心なキリスト教信者からは人身御供等の蛮行を行う悪魔崇拝の邪教扱いされ、ドルイドの儀式が起源となったハロウィンも「非キリスト教的祭事」として否定的に捉えられる事が多い。
ドルイドとしてはヤドリギに特別な力があると信じられており、パナケア(ヤドリギ)の巻きついたオークの木の下で儀式を執り行っていたそうである。
また、四葉のクローバー等といった希少な植物を崇拝していたという事も伝わっている。
各種創作物におけるドルイド像
現実の姿については断片的な知識しか伝わっていないが、しばしば神秘的な存在として見られてきたドルイドは、ファンタジー小説やゲームなどに多く登場してきた。
大抵はクレリック(僧侶)の一変形として扱われ、その中で描かれる像としては、金属を嫌う、自然を愛し、自分の森を守るなどが特徴となっている。
代表的な人物例として『アーサー王物語』のマーリンがよく挙げられる。
職業・クラスとして扱われる作品
- 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』:原始の魔術の達人。動物の姿に化けることもできる。(参考:D&D日本語版公式旧サイト)
- 初期の版では「特定の神格ではなく自然そのものに仕える僧侶」だったが、その後の版では独自の進化をとげ、僧侶とは別のクラスになっていく。ただし「秩序・混沌、善・悪の2つの軸の少なくともどちらかで『中立』でなければならない」という制約は初期の版の「特定の神格ではなく自然そのものに仕える僧侶」≒「自然のバランスをとる者」の名残り。
- 『エミルクロニクルオンライン (ECO)』:回復特化職であるウァテスの2次職のひとつ。
- 『Tree of Savior』:クレリック系6次職目の職業。
- 『千年戦争アイギス』
- 『蒼空のフロンティア』
- 『ファイアーエムブレム』:僧侶の上位職…ではなくシャーマンの上位職。闇魔法使い。
- 『ハースストーン』
- 『ウルティマ』:キリスト教との衝突を回避するため、僧侶の代替として登板。同様の理由で十字架代理にアンク。
その他
- 『ドラゴンクエスト』シリーズ:きめんどうしと同じグラフィックの怪人系モンスター。
- 『ドルアーガの塔』:マジシャン族の敵の一人。壁を壊す呪文を唱える。→マジシャン(ドルアーガの塔)
- 『風雲カブキ伝』:異教の打倒のためカブキ達に手を貸す支援者として登場。旅仲間の世阿弥もその一人。
- 『ガルム・ウォーズ』:かつて創造主ダナンの言葉を伝えたといわれる部族。滅びたと思われていたが生き残りであるナシャン666が見つかったことにより、情報部族クムタクであるウィドにある野望が生まれ…
- 『Fate/GrandOrder』:ランサークラスのクー・フーリンが、ルーン魔術に特化したことでドルイドの能力を得た姿で登場している。
- 『Rewrite』:神戸小鳥が単独で属する陣営。魔物らを使役して鍵を守る役目がある。
- 『Wizardry』シリーズ:シナリオ#5『災禍の中心』B4に出現。僧侶系第五位階呪文を操る。和製wizでは外伝Ⅲ・外伝Ⅳに出現。