ヤドリギ類(宿木類、mistletoe)のことであり、ビャクダン目に属すビャクダン科・オオバヤドリギ科・ミソデンドロン科の寄生植物の総称。
または、その中の一種のこと。
葉は2枚ずつ付き、枝は二叉に分かれ、分岐部分に実をつける。鳥が実を食べるが種は消化されず、糞と共に他の木に付着して芽を出す。
常緑樹であり、落葉樹の樹上では冬に目立つ。
エノキ・クリ・アカシデ・ヤナギ類・ブナ・ミズナラ・クワ・サクラ等の樹木に寄生する。
ヨーロッパなどでは、セイヨウヤドリギがクリスマスのリースなどに利用されており、北欧神話からの派生なのか、「クリスマスの日に恋人達がヤドリギの下でキスをすると、その二人は永遠に結ばれる」という言い伝えがある。
北欧神話
何者も傷つけることができなかった光の神バルドルを刺し貫く矢としてヤドリギが登場する。
そして、ヤドリギの矢によって死んだバルドルが蘇った時には母フリッグは大変喜び、涙を流した。
彼女の涙はヤドリギの実となり、ヤドリギの下を通るすべての者にキスを贈ったとされる。
その逸話から、ヤドリギの下を通る者は誰であれそこで争いをしてはならず、ただ愛に満ちた口づけを交わすのみ、という掟を定められたとされている。