概要
ブナ科ブナ属の落葉広葉樹。学名:Fagus crenata Blume。雌雄同株。また、ヨーロッパブナなどブナ属の他の種もしばしば「ブナ」と呼ばれる。
北海道の道南から、本州、四国、九州に分布し、しばしば純林をつくる(ブナ林)。ブナ林としては青森県と秋田県にまたがる白神山地が特に有名だが、岩手県の安比高原や神奈川県の丹沢山地、四国の石鎚山系など各地に分布する。南限は鹿児島県高隈山。スギ林などに置き換えられることで分断され縮小した。
樹皮はなめらかで,色は灰白色で独特の斑紋がある。これは地衣類がついているためである。秋に実をつけ、森林に棲む多くの動物たちの餌となる。
漢字表記は木偏に無と書いて「橅」だが、木材が腐りやすく狂いやすいことから利用価値が低かったためといわれる。しかし、ミズナラやクヌギ、カシ、コナラなどと並び古くから薪炭材として重視されており、決して「役立たず」ではなかった。現代では、曲げに適しているため、家具材として重用される。