概要
北海道を道央・道北・道東・道南に四分したうちのひとつ。一般的には渡島総合振興局と檜山振興局を合わせた地域(=渡島半島)を指すが、室蘭・苫小牧など胆振総合振興局、日高振興局を含めることがある。ここでは狭義の道南である渡島半島地域について説明する。
渡島半島
渡島半島南部は、北海道にあって東北地方北部に近い風土を有する地域である。中心都市は函館市。
江戸時代以前の北海道の大半はアイヌの住まう「蝦夷地」であったが、渡島半島南部は中世には既に和人が定着しており、江戸時代には松前藩の直轄地域として「松前地」「和人地」と呼ばれた。今でも松前神楽などの和人の伝統文化が息付いている。瓦屋根やスギ林、竹林など北海道ではこの地域でしか見られない風物も多く、その意味では北海道にあって最も「北海道らしくない」地域と言えるかもしれない。
北海道の中では気候が温暖な上、本州に近く、水産資源に恵まれていたことから、明治時代までは北海道で最も人口が集中している地域であった。
稲作や野菜などの農業の他、道南スギなどの林業も盛んで、昆布の産地としても名高い。松前漬やいかめしもこの地域が発祥となっている。