Cruz
罪人を磔刑にする際に用いる処刑具。特にローマ帝国のT十字架磔刑が有名
木を十文字に組み合わせたもの。
イエス・キリストが磔刑に処された際の刑具と伝えられ(最も一部の宗教では十字架ではなく木の杭だったとする説もある)、その事から十字型の意匠は、主要なキリスト教教派が最も重要な宗教的象徴とするものである。カトリックだとキリストが貼り付けられているもの、プロテスタントだと「キリストは既に復活した」事から単なる十字架になっていることが多いが、極端な先鋭派だと「十字架そのものが偶像崇拝になるので教会に飾ってない」ケースまである。
キリスト教のシンボルとなった背景は、ローマ帝国時代の時の皇帝コンスタンティヌスがローマ神話を信仰する皇帝リキニウスとの決戦の前にみた夢のお告げから来ているとされる。
コンスタンティヌスは夢の中で神YHVHの御前の前に立っていた。神は「汝が戦いに勝利したいならこの十字架を目印にして戦うがよい」といったそうだ。コンスタンティヌスは半信半疑ながらこのマークを目印にしてリキニウスとの決戦にいどみ、見事勝利した。彼はローマ全ての皇帝となった。
これ以降コンスタンティヌスは十字架をキリスト教徒に授け布教の目印にしろと命じたという。
単純に、若者が身につけるファッションのデザインとして取り入れられてもいる。
創作作品における十字架
日本では「中世ヨーロッパ風ファンタジー世界のキリスト教っぽい宗教」「なんか光属性的なやつ」をあらわす記号として用いられる事が多い。が、海外版では自主規制が入り、別のマークに置き換えられることもある。
ドラゴンクエストシリーズが代表例。海外版DQでは例えば、中心に大きな点のある五芒星のマークに置き換えられている。
ただし六芒星のほうはユダヤ教やユダヤ民族のシンボルとされる「ダビデの星」と被るため、こちらは様々な作品で自主規制対象になっている。
ドラゴンクエストⅧでは日本版の時点で三叉矛のようなシンボルに変わり、ドラゴンクエストⅨ以降ではYの字を逆さにしたようなデザインとなった。『ダイの大冒険』2020年版アニメでも採用されている。
ただしやいばのよろいはあくまで「十字型」のデザインという事から変更はされていない。
天使族が「Fairy(フェアリー、妖精)」となっている海外版遊戯王OCGも十字架をはじめとする宗教関連モチーフの規制で厳しい事で有名である。墓のイラストすら修正される。
理由としてはキッズ層・子供の時代から触れ得る対象年齢によるところが大きい。海外でも対象年齢がより上のレギュレーションだと『コンスタンティン』や『スーパーナチュラル』のようにがっつり十字架や聖書系のモチーフが出るようになる。