『博物誌』
同名の書物等が複数存在する。
- 古代ローマの大プリニウス(23年-79年)による『博物誌』(本記事で記述)
- 西晋の張華(232年-300年)による『博物誌』。
- フランスのビュフォン伯(1707年-1788年)による『博物誌』。ビュフォン伯の死後、ラセペードが刊行を引き継いでいる。
- フランスのジュール・ルナール(1864年-1910年)による『博物誌』。モーリス・ラヴェルによって歌曲にされている。
- 澁澤龍彦による『幻想博物誌』。
- 上海アリス幻樂団による『燕石博物誌』。音楽CD、および作中書籍のタイトル。
- pixivファンタジアSRにおける『【レガリア博物誌】』。
大プリニウス
本名はガイウス・プリニウス・セクンドゥス。甥であるガイウス・プリニウス・カエキリウス・セクンドゥスを養子としており、後世において両者を区別するため伯父を大プリニウス、甥を小プリニウスと呼び分けるようになった。
軍人としてゲルマニア遠征に従軍、ローマに帰国した後は属州総督を歴任する傍ら、ストア派哲学に基づき「自然界に対する理解」を追求し、『博物誌』の他にも歴史や軍事、弁論術や言語に関わる多くの著作活動を行ったが、『博物誌』以外は現存していない。
プリニウスの『博物誌』
原題はラテン語で "Naturalis Historia" 。
全37巻からなる「すべての古代の知識を網羅する書物」であり、ヘロドトスやアリストテレスといった先人たちの著作を参照・引用した部分も多い。
天文学、数学、地理学、民族誌学、人類学、人間生理学、動物学、植物学、農業、園芸、薬理学、鉱業、鉱物学、彫刻、芸術、および貴石までのあらゆる知識を網羅している。
また神話や伝承上の怪物等に関する記述も多々含まれ、(おそらくは実在した動物等に関する情報の混乱や誤伝達から創造されたと思われる)新種の怪物もこの『博物誌』でデビューしている。
コバンザメ(レモラ)やアメフラシは超常的な能力を持つ幻獣として記載されている。
『博物誌』の怪物たち
以下、『博物誌』に記載された幻獣・聖獣・珍獣・異人種および神の中で独立記事が存在するものを列挙する(アルファベット順)。
アンフィスバエナ(Amphisbaena)
アピス(エジプト神話)(Apis)
バシリスク(Basiliscus)
ブレムミュアエ(Blemmyae)
カトブレパス(Catoblepas)
キマイラ(Chimaira)
ドラゴン(Draco)
レウクロコタ(Leucrocota)
マンドラゴラ(Mandragora)
マンティコア(Mantichora)(メイン画像)
ユニコーン(モノケロス)(Monoceros)
ネレイス(Nereis)
ペガサス(Pegasus)
フェニックス(Phoenix)
ピュラリス(Pyrallis)
サラマンダー(Salamandra)
スキヤポデス(Sciapods)
スコロペンドラ(Scolopendra)
スフィンクス(Sphinx)
トリトン(Triton)