概要
アフリカ大陸の各地域で伝承されている魔物の総称であるが、一概にアフリカといっても非常に広大であり、古代王朝が栄えたエジプトやエチオピア、マリ王国のように独自の神話体系を持っていたり、交易などを通じたイスラム教文化や、フランスなどの植民地化による宗主国の文化の影響が大きい地域もあり、少数民族のものなどを含めるとその全貌は知られていない。
また地中海を挟んだローマ帝国やギリシャ神話での記述を元にした西洋の博物誌における幻獣や、19世紀から20世紀初頭にかけての欧米人の探検家や学者によって報告がある未確認生物まで含めるとその数は膨大なものとなる。
なお西アフリカから奴隷貿易によってアメリカ大陸に連れて行かれた者たちにより、アフリカの神話伝承がブードゥー教などの独自の信仰に発展している。
日本においては昭和時代に書かれた妖怪辞典で、出自が不明な妖怪がいくつも紹介されているが、捏造などでは無くナイジェリアの小説家エイモス・チュツオーラ(A.テュテュオーラ)の現地の伝承を元にした文学作品や、フランスの歴史学者ユベール・デシャンの著書「黒いアフリカの宗教」の記述を翻案したものがいくつも見られるという。(これらの書籍では大概の場合、姿や特徴の描写のみで、固有名は書かれていなかった)
また2000年代になるとアフリカの民話を翻訳した書籍がいくつも出版され、2020年の『ブッシュマンの民話』においてもいくつもの神格や妖怪が紹介されている。
一覧
※エジプトの神々はエジプト神話、ヨルバ人の伝承はオリシャの記事も参照。
コイ族・サン族(ブッシュマン・コイサンマン)の伝承
- アイガムハ/アイガムチャブ(Aigamuxa, Aigamuchab):砂丘に棲む足の甲に目がある人喰い怪物。四つん這いで片足をあげて周囲をうかがうが、人を追いかける際に前が見えないという欠点を持つ。
- ウティホ/ティクア(Utixo, Tiqua):宣教師によるアブラハムの宗教の神。
- カグン/カアング/カッゲン(ǀKaggen, Cagn):太陽神であり創造神であるが、地上では嫌われ者だったために空の上に住むようになった。カマキリ、エランド、シラミ、ヘビ、ケムシなどに変身する。
- ガウナブ(Gaunab):黒い天界に住む疫病神である死神。
- ガ・ゴリブ(Ga-Gorib):大きな穴の縁に棲む怪物で、人を挑発し自身に石を投げさせるが、投げた者は反撃を受けて穴に落とされてしまう。
- カルル:月が人は死んでも生き返ることを伝えたのを信じなかったカルルという男がおり、兎に変えられてしまったばかりか、人は本当に生き返らなくなった。
- クー(ǃXu, ǃXu꞉ba, ǃXo, ǃXo꞉ba):慈悲の神で全能である天空神。
- クワヘイム:人喰い鬼で、鳥使いのいかさま魔術師カグン(神とは別人)を襲った。
- コティ(Coti):カグンの妻で人間の食料になるエランドを創造した。
- ツイ・ゴアブ(Tsui'goab):天空神である雷神。ガウナブと敵対する。
- ハイ・ウリ/ビ・ブルー(Hai-uri, Bi-Bloux):一本腕一本脚の人喰い怪物。雄がハイ・ウリ、雌がビ・ブルー。
- ヘイツィ・エイビブ(Heitsi-eibib, Haiseb, Haitse-aibeb):文化英雄であり死と再生の神。物語によって特徴が異なるという特殊な神格。
- ホチガン:かつて動物たちも言葉を話していたが、全ての動物を憎むこの男が天啓を盗み、行方をくらませたことで喋らなくなった。
ドゴン族の伝承
- アンドルムン:小人。
- アンマ(Amma):天の創造神。
- ノンモ(Nommo, Nummo):ユルグの次にアンマに創造された性別がある双子の精霊。
- ユルグ(Yurugu):アンマに不完全な形で創造された男の魂だけを持つ金狼。日本では『悪魔くん』の12使徒として有名。
マサイ族の伝承
- エンカイ/ンガイ(Enkai, Ngai):太陽神。
- オラパ(Olapa):月の女神。
- オルタトゥアニ(Oltatuani):巨人。
- オレレティムグモ(Orereti Mugumo):幽霊。
- ネナウニル(Nenaunir):嵐を起こし虹を発生させて大地を脅かす悪霊。
アカン人(アシャンティ)の伝承
- アサセ・ヤ(Asase Ya, Asase Yaa, Asaase Yaa, Asaase Afua):オニャンコポンの配偶神でビアとタノという子がいる。
- アサマンフォ(Asamanfo):祖霊。
- アナセ・コクロク(Anase Kokuroku, Anansi Kokuroko):偉大な設計者、偉大なクモと呼ばれる創造神。
- アビリディアブラダヌ:トリックスター・アナンシが原野で見つけた言葉を喋る美しいムペレ(鞭)で、名の意味は「一振り蚯蚓腫れ」。
- アボサム/アボソム(Abosam, Abosom):人々を助ける精霊。
- オドマンコマ(Odomankoma):宇宙を創造した永遠の発明家。オニャンコポンの別名とも。
- オバイホ/オバイフォ(Obayifo):人に化けている吸血鬼。
- オボアディ(Oboadee):創造神。
- オニャンコポン/ニャメ/ニャンベ/ナナ・ニャンコポン(Onyankopon, Nyame, Nyambe, Nana Nyankopon):全知全能の空の父である創造神。特徴的な名から創作において女性や猫のキャラクターとして登場している。
- ヌティクマ:蜘蛛のアナンシの息子。食事が湧き出る魔法の皿をタブーを破り駄目にしてしまった。
アザンデ族の伝承
- グンバ(Gumba):雷獣。
- モマ・イメ(Moma Ime):トーテムでもある水豹。
- ワング(Wangu):トーテムでもある虹蛇。
- ンガンブエ(Ngambue):トーテムでもあるトサカを持つ水蛇。
イボ族の伝承
- アジクウ・アクプ・イシ(Ajikwu Akpu Isi):四つの目玉と六本の角を有する怪物。
- アルシ(Arusi, Alusi, Arunsi):崇拝の対象となっている精霊。
- アヒア・ンジョク(Ahia Njoku):女神。
- アニャンウ(Anyanwu):運命、知識、知恵を司る太陽の女神。
- アマディオハ(Amadioha):雷のアルシ。
- アラ(Ala, Ani, Ana, Ale, Ali):大地、道徳、豊饒、創造性を司り、冥界を統べる女アルシ。
- イグウェ(Igwe)
- イケンガ/アイケンガ(Ikenga):有角のアルシ。
- イデンミリ(Idemmili):川の女神。
- エクウェンス(Ekwensu)
- オグブナバリ(Ogbunabali):罪を犯したものを夜に殺す死神。
- ンジョク・ジ(Njoku Ji)
- ンネ・ンミリ(Nne Mmiri):海の女神。
- エドウェンス(Edwensu):犬の姿で現れる悪霊。
- オグバンジェ(Ogbanje):悪霊。
エコイ族の伝承
- オバシ(Obassi):創造神。
- オバシ・オサウ(Obassi Osaw, Obasi Osaw):天の主神。
- オバシ・ンシ(Obassi Nsi, Obasi Nsi):地上の主。
キクユ族の伝承
- イリモ(Irimũ):人喰鬼。
- キボコ(Kiboko):民話に登場するカバ。
- ヒティ(Hiti):民話に登場するハイエナ。
サラ族の伝承
- ルバ/ロア/ロア=ヌバ:創造神。人の祖となる白、赤、黒の双子を創造した。
- カダ:日常的な願いを聞く神で、きちんと祀らないと祟ることもある。
- スウ:原初の黒い双子から生まれたトリックスター。
- ンガロ:原初の黒い双子から生まれたスウの双子の兄弟。
- コロとンゴジョ:原初の黒い双子から生まれた双子の姉妹。
- ンガバとンガクトゥ:原初の黒い双子から生まれた双子。
- シアダ:双子の子孫の中から最後に生まれた個性的な聖処女。
- エペルヴィエ:ハゲタカに似た昼間に飛ぶ鳥。
ソト族の伝承
- コロモドゥモ/コロモドモ/コロモヅモ/コーロモドモ/カマッパ/カンマパ(Kholomodumo, Kamappa, Kammapa):人々を丸呑みにした巨大な怪物。1マイル(1.6㎞)もある舌とワニのような鱗を持ち、食べられずに生き残った女から神々の力によって生まれた少年に退治された。
- ナナボレレ(Nanabolele):水中や地下に棲み、暗闇で月や星のように光を放つ爬虫類のような怪物。タカネという女性がこの怪物を仕留めに行く話が伝わっている。
- モニョヘ(Monyohe):民話に登場する蛇。
ズールー族の伝承
- アバトゥワ(Abatwa):蟻に乗ることができるほど小さい人。
- イシトゥワランツェンツェ(Isitwalangcengce):籠のような頭部を持つハイエナの怪物。
- イシポキ(Isipoki):幽霊。
- イドロジ(Idlozi):幽霊。先祖や祖霊を指す言葉でもある。
- インプンドゥル/インプンドール(Impundulu):稲妻の鳥と呼ばれる怪鳥。シュモクドリであるとも。美しい若者の姿に変身して女性を誘惑するという。吸血鳥ともいわれ、肉や卵には傷や病を癒やす力がある。
- ウシククマデヴ/イシククマデヴ(Usiququmadevu, Isiququmadevu):甲虫の母。棘のある大樹の伐採者。村を呑み込んでしまうほどの巨大な口を持った怪物。顎髭を生やし、体は無毛で太っており、幅が広く長い羽根が生えている。
- ウシロシマプンドゥ(Usilosimapundu)
- マプンドゥ(Mapundu):民話に登場する怪獣。
- ウーラカニャナ(Uhlakanyana):狡賢い小人の英雄。
- ウンクルンクル:創造神。
- ウンコヴ(Umkovu, Umkhovu):動く死体。使い魔。
- チャキジャナ(Chakijana):民話に登場するマングース。
- ティコロシェ/トコロシェ/トコロシ/トコロッシュ/トコローシュ/ヒリ(Tikoloshe, Tokoloshe, Tokolotshe, Hili):人が突然死する原因であるとされる邪悪な使い魔。
- ルングレベ(Lungulebe):半分人間。
スワジ族の伝承
- ニャニャブレムブ(Nya-Nya Bulembu):緑色の苔を生やした怪物。
ディンカ族の伝承
- アチェンガークディトゥ(Acengaakdit):昔話に登場する女性。生首の状態でも生きていた。
- アワン・ケルディアク(Awan Kerdhiak):昔話に登場する狐。
- アングイ・ムオルルオル(Angui Muorluol):昔話に登場するハイエナ。
- ジェルベック(Jelbek):昔話に登場するライオン。
- ドゥクチョル(Dukcol):昔話に登場する黒い甲虫。
ハウサ族の伝承
- ギゾ(Gizo):民話に登場するクモ。
- クウォロム(Kworrom):木の根っこの下に住んでおり人間を躓かせる悪魔。
- クリ/イェロ(Kuri, Yerro):黒いハイエナの姿をした麻痺の悪魔。
- ザンカララ(Zankallala):トビネズミに乗っている小さな妖怪。握り拳2つ分の大きさだが、蛇を杖として持ち、蠍を拍車にし、蜜蜂の群れを帽子にしている。
- ジゴ(Jigo):発熱、汗疹、震えをもたらす悪魔。マハルビヤという娘がいる。
- ジャト(Jato):排水溝や下水道に住む悪魔。精神異常につながるような性病をもたらし、対象となった男性は動物のフンを食べるようになってしまう。
- タイキ(Taiki):腹部の腫れをもたらす悪魔。
- ダカキ/マイ・ジャ・チッキ(Dakaki, Mai-Ja-Chikki):胃潰瘍の悪魔。蛇の姿をしており、邪視で病を広める。
- ドド(Dodo):人型の怪物。獣たちの王。
- バ・トイェ(Ba-Toye):火の悪魔。
- バ・マグジェ(Ba-Maguje):酩酊の精霊。
- ビッダ(Bidda):凝りの悪魔。
- マイ・ガンガッディ(Mai-Gangaddi):睡眠病をもたらす悪魔。
- マケリ(Makeri):名前は鍛冶屋を意味する。職人を苦しませる悪魔。背中、腕、仕事に関する病気をもたらす。
- マサキ(Masaki):名前は織工を意味する。職人を苦しませる悪魔。背中、腕、仕事に関する病気をもたらす。
- マハルビヤ(Mahalbiya):皮膚病の女悪魔だが、女神と見なされる場合もある。悪魔ジゴの娘。発熱、痛み、潰瘍をもたらす。
- ラコ(Rako):病気の悪魔。老人を苦しませ、眠気を感じさせて弱らせる。
フォン族の伝承
- アグバンリ(Agbanli):カモシカ女房。
- イェフウェ・ゾグバヌ(Yehwe Zogbanu):頭と体から三十本の角を生やした巨人。森に棲んでおり、その縄張りに入り込んだ者には容赦しない。
- ダ(Da):天地を支える蛇神。
- マミワタ(MamiWata) :身体に蛇を纏わせた多頭のこともある人魚姿の女神。
フラニ族の伝承
- チェネバ(Tyanaba):神話に登場する蛇。
- デボ・エンガル(Debbo Engal):魔女。
ヨルバ族の伝承
- アビク(Abiku):小さな子供の精霊。
- イェマヤ(Yemọja):全てのオリシャと人の母で人魚の姿で現される。
- エグベレ(Egbere):背丈の小さな精霊。森に住み、絶えず泣き続けており、夜中に遭遇することが多いという。小さな敷物を持っており、この敷物を手に入れた者は想像を絶する富を得ることができる。
- エシェ/エレグバ:いたずら好きの神。
- オロクン:水中の宮殿に住む海神。飢饉の中、椰子の実を追いかけて水中に迷い込んだアジャイという男に、条件付きで食べ物が湧き出すスプーンを送った。
タンザニアの伝承
※「屁こき女房」や「もの食わぬ女房」などの民話もあるが、こちらは日本のものとは異なり、妖怪譚などではなく人の愚かさを描いた昔話である。
- アニカニ:あまりにも嘘つきだったので長老の命令で縛り首になった男の骸骨で、喋ることで人を巧みに騙して同じように処刑させ仲間を増やす。マクィンジャという知人の男も騙されて縛り首になり同じく喋る骸骨になった。
- オムニェポ/タンガニーカ・ラーフター・エピデミック(Tanganyika laughter epidemic):1962年に都市部で発生した伝染する笑いが止まらなくなる奇病。
- カタビ/カタヴィ(Katabi, Katavi):悪霊の一種。荒地に棲んでいて旋風の姿で現れては天然痘などを広める。さらに水の悪霊たちを支配している。
- キリアマギ(Kiriamagi):悪神。
- 泥娘:泥から生まれた娘で、水に弱いので大切にされてきたが、運悪く急な雨で溶けてしまった。
- ジムィ:民話に登場する人喰い妖怪で、ひねくれ者なので「食べたい」と言われたときに拒否してしまうと食われ、同意すると黄金などの財宝を与えて去って行くこともある。
- シャターニ:ティンガティンガ・アートの描かれる精霊。
- チクェペ:今まで葬式などがあっても参加しなかったため、母鳥が死んだ後に埋葬法が分からず、いつまでも頭に乗せていたので鶏冠ができたという親不孝鳥。
- マウア:継母に虐待され、呪術のこもった7つの針で刺されたことで美しい七色の鳥になった少女。
- メンデ:お互いテンデ(ナツメヤシ)欲しさに奪い合う浅ましい人間を見た神が、怒って創造した色艶など見た目がそっくりなあれ。
マダガスカルの伝承
- ヴァジンバ(Vazimba):マダガスカルの最初の住民。
- カカベビマス/カカベビマソ(Kakabe Bimaso):夜の怪物。
- カカメナマス/カカメナマソ(Kakamena Maso)
- カラヌル/カラノロ(Kalanoro)
- キルピルピツフィ/キロピロピツォフィ/キロピロピトソフィ/ラルメナ/ラロメナ(Kilopilopitsofy/Lalomena):赤い角を持つ巨大な水棲獣。現代語ではカバを意味する。
- ククランピ/ココラムピィ(Kokolampy):森の支配者。
- ザザヴァヴィンジャヌ/ザザバビンジャヌ(Zazavavindrano):人魚。
- スングンビ/ソンゴムビィ(Songòmby, Songomby)
- チムベ/トリモベ(Trimobe):裕福な人食い鬼。
- ツァナハリ:偉大な神で、死んだ息子のともらいのために最も唄ったカッコウは、巣を作らなくてもよいと定めた。
- デビルツリー/デヴァルトゥリー/マンイーティングツリー/マニーティントゥリー/マダガスカルの木(Devil Tree, Man-Eating Tree, Madagascar Tree):食人植物。ドイツ人探検家が目撃したという体裁で新聞に掲載された流言なのでマダガスカルの伝承ではないが、敢えてデビルツリーをマダガスカル語に訳すならハズデヴリ(Hazo Devoly)となる。
- トゥンプンジャヌ/トンポンドラノ(Tompondrano):全長20〜25m、光る頭部、目を保護するフード状の頭皮、腹側にある口、鯨のような鰭、鰐のような硬い鱗に覆われた体、蝦の尻尾を有する海の主。
- パムサヴィ/ムパモサビィ(Mpamosavy):魔女。
- ビビウルナ(Bibiolona):半人半獣の妖怪。
- ジョマレンガ(Jaomarenga):ワニ男。アンタグナヴの神聖な湖に住むビビウルナ。元はアンタグナヴ村の村長であり力強くて吝嗇な戦士だった。村が水没したときにワニに変身したと言われている。
- ピリ/パイリィ(Pily):ダイアモンドを身を纏う大蛇。
- ファナニ(Fanany):ツノが生えた7つの頭を持つ蛇。水木しげる氏は黙示録の赤い竜の版画を元に妖怪画を描き「マダガスカル妖怪」という名で紹介した。
- ファティメナ(Faty Mena):森に棲む巨大な怪物。
- ファムカンチャチャ/ファムカンチャトゥン(Famocantratra, Famokantratra, Famocantraton):胸へ跳ぶものという意味。小さな蜥蜴のような生物で、背中、下顎、首、脚、尾が小さな鉤爪でできており、その皮膚だけで接着剤(どちらかといえばマジックテープか)のように樹に張り付くことができる。通行人の胸に飛びついて張り付くと剃刀で皮膚を削ぎ落とさないと取れないため恐れられている。
- ファンガルブル/ファンガロボロ(Fangalobolo):コウモリ人間。
- ファンドレフィアラ/ファンジェフィエラ(Fandrefiala):槍のように尖った頭部を有する小さな蛇。樹上から降ってきて獲物の体を貫くため、無毒の小さな蛇であるにもかかわらず恐れられている。ローマの動物誌にある槍蛇ヤクルスの近縁だろうか。
- ブベル/ボーベル(Bobel):近年の民間伝承。ケンタウロスあるいはタウルのような姿をした魔物、つまり上半身は人間だが腰から下が四速歩行の獣になっている。獣の種類は馬とは限らないが蹄を有するとされる。夜になるとブベルたちが蹄を鳴らす音と悍ましい叫び声が街路から聞こえてくることがある。すると翌朝、内臓を抜かれた人間の遺体が発見される。ブベルたちが心臓泥棒だということは誰でも知っている。
- ブリベ/ボリベ(Boribe)
- マトゥアトゥア(Matoatoa):マダガスカル語で幽霊のこと。
- マロンダヴァカ/マロアンダヴァカ(Maroandavaka):仲間の命を奪った人間に群れで復讐する小さな蛇。
- マンジオガヴァーニャ(Mangio Gavagna)
- ラカカベ(Rakakabe):民話に登場する人食い巨人。ファラヴァブという女性が機転を利かせてこの怪物を倒す話が伝わっている。
- ラペトゥ/ラペト(Rapeto):巨人。
- ラマンガ(Ramanga):吸血鬼。
- ルルベパケ/ロロベパケ(Lolo Bepake)
- ルルンジャヌ/ロランドロノ(Lolondrano):水の精霊。
モロッコの伝承
- イフリート(Ifrit)
- ハム・ウカイウ(Hamou Ukaiou):アイシャ・カンディシャの夫であるイフリートの男性。夜に一人で出歩いている女性を捕まえて食べてしまう。地面でナイフを研ぐと追い払える。
- シュレ(Sheerree):女性の乳房を持った吸血鳥。赤子を攫って乳を吸わせる。正しい乳房を吸った赤子は助かり、もう片方の間違った乳房を吸った赤子は死んでしまう。
- ジン(Jinn):精霊。モロッコのジンやジンニーヤについてはキャロル・ローズ著『世界の妖精・妖怪事典』に詳しく載っている。
- グリン(Grine):人間界と並行する異世界に住むジンの一種。人間の子供が生まれると同時にその子供に対応するグリンが生まれるといい、該当者とグリンの運命は固く結び付けられている。
- ザガズ(Zagaz):赤児に破傷風をもたらすジン。
- シディ・ハモウ(Sidi Hamou):強力なジンの長らしいが詳細不明。
- シディ・ミモウム・エル・ジンナオウイ(Sidi Mimoum El Djinnaoui):“神の賓客”という意味。強力なジンの王の名を呼ぶ時は、怒らせないようにこのような婉曲的な呼び名を使用する。
- シディ・モウサ・エル・バハリ(Sidi Mousa el Bahari):“水夫”という意味でありこのジンは海に関係しているらしい。強力なジンの首領の名だが婉曲的な呼び名なので本名ではない。本名で呼ばないのは精霊を呼び出してしまうのを避けるためである。
- ジュヌン(Jnun):ヒキガエルの姿で現れるジンの一種。これが家に入ってきた場合は出て行ってもらえるように丁重にお願いするという。
- ディフ・エレビ(Diff-Errebi):“高貴な方”という意味。ジンの王に祝福を与えてもらいたい時はこの遠回しな呼び名で丁寧に呼びかける。悪戯好きな精霊の名をそのまま呼ぶと腹を立てた精霊が現れて仕返しされるらしい。
- マエツダル・ルードゥー(Maezt-Dar L'Oudou):“洗面所の山羊”という意味。夜の洗面所や風呂場など、水の流れる場所を占有する山羊の姿をした強力なジン。
- ムーレイ・アブデルカデル・ジラニ(Moulay Abdelkader Djilani):強力なジンのリーダー。
- メベデル(Mebeddel):取り替え子。ジンが人間の新生児とこのメベデルを取り替えていく事がある。
- ララ・ゾウイナ(Lalla Zouina):精霊たちを支配している強力なジン。
- ララ・ミラ(Lalla Mira, Lalla Mirra):ジンの王の一人らしいが詳細不明。
- レジャル・エル・マルジャ(Redjal el Marja):“沼地に住む者たち”という意味。このジンたちは住処の沼地が干上がったため運河や泉へ移り住んだ。このジンたちは水を汚したり途切れさせたりするため、人々は運河や泉に蝋燭を灯して奉納する事でこのジンたちを宥めて綺麗な水が供給され続けるように祈願する。
- ジンニーヤ(Jinniyah):精霊ジンの女性形での呼び名。
- アイシャ・カンディシャ(Aicha Kandicha, Aisha Qandisha, Aicha Kandida):ハム・ウカイウの妻であるジンニーヤの美女。泉や川に住んでいる水の精霊であり様々な姿をとる。
- アリファ(Arifa):家族と家庭、全ての幼児の守護霊であるジンニーヤ。子供を害する邪悪なジンから守ってくれる。
- ウーム・セビアン(Oum Cebiane, Oum Çebiane):“子供たちの母”という意味。名前とは裏腹に人間の赤児を抓ったり叩いたりして死ぬまで泣かせ続けるジンニーヤだが、これはこのジンニーヤが子供に害を加えるのを防ぐための呼び替え名だからである。
- バグレト・エル・ケボール(Baghlet el Qebour):“墓の騾馬”という意味。騾馬の姿で夜のマラケシュを彷徨い歩くジンニーヤ。イスラム法を破って服喪期間に再婚してしまったため唯一神によって姿を変えられた寡婦のジンニーヤである。夜遊びをする男性を探しており、そういった男性を見つけると生き埋めにする。
- ハデム・ケムクオマ(Khadem Quemquoma):“銅鍋の黒い女”という意味。夜に寝ている赤児を起こして死ぬほど怖がらせるジンニーヤ。
- マリク・エル・アビアド(Malik el Abiad):人間に取り憑いたジンを祓うのを手伝ってくれるジンニーヤ。
- ララ・ムコウナ・ベント・ムコウン(Lalla Mkouna Bent Mkoun):“悪魔たちのスルタンの娘”という意味。新居の守護霊である強力なジンニーヤ。引っ越しをする時は、引っ越し先に邪悪なジンが入り込まないようにこのジンニーヤに香を捧げて祈る。
- ララ・レキヤ・ビント・エル・カマール(Lalla Rekya Bint el Khamar):“赤い者の娘、レディ・レキヤ”という意味。浴場の守護霊である強力なジンニーヤにして女王。浴場に潜んで入浴中の人々を害する邪悪なジンから守ってくれるように女性たちはこのジンニーヤに祈る。
カナリア諸島の伝承
- イルヴェネ(Irvene):犬の姿で現れる悪魔。
- カタリナ・レルカロ(Catalina Lercaro):イタリア系カナリア人の女性の幽霊。
- グアヨタ(Guayota):黒い犬のような悪神。
- ティビセナ(Tibicena):赤い目と黒く長い体毛を持った大きな野犬の姿をした悪魔もしくはジン(精霊)。
- ヒルグアン(Hirguan):毛深い姿で現れるという悪魔。オラファン神の敵。
エジプトの妖怪
※エジプトの伝承ではないものも含む。
- アケク(Akhekh)
- アスプ(Asp):猛毒の息とあらゆる生き物を眠らせる眼力を持つコブラ。常に番で活動しており、相方を殺されたら残った方が必ず殺害者に復讐するほど仲がいい。
- アプシャイ/アプシャイト(Apshai, Apsai, Apshait):『死者の書』の36章に記述があるミイラを毀損する昆虫のこと。
- アブトゥーとアネット(Abtu, Anet):太陽神ラーの船を先導して泳ぐ一対の魚。
- アポピス/アポフィス/アーペプ/アペプ(Apophis, Apep):大蛇の姿をした魔物。
- アポープ(Aphoph):コプト語で巨人のこと。
- アメミット/アメミト/アムミト/アミト/アムムト(Ammit, Ammut, Ahemait, Amemit):罪を犯した者の魂を喰らうワニの頭に獅子と河馬の胴を持つ魔獣。日本ではデボラーとも呼ばれる。
- アルナダハ(El Naddaha):20世紀のエジプトで噂された都市伝説妖怪でありナイル川に現れる女性の姿をした水の精霊。
- カー(Ka)
- クラノコラプテス/クラノコラプテース/ケファロクルステース/スクレーロケファロン(Kranokolaptes, Kranokolaptēs, Kephalokroustēs, Sklērokephalon):頭を打つ者という意味。ギリシャのニカンドロスが蜘蛛に分類したエジプトの虫だが、蜘蛛ではなく蛾として説明される。この蛾は四枚の翅を有し、その翅は柔らかい毛に覆われたフェルトのような質感をしており、後方に灰っぽい埃を残している。垂れた頭部は硬くてがっしりしており、その頭部の下には針のような目立つ吻がついている。腹部はずんぐりとしている。太い腹部に目立つ口吻という特徴から、実際にはスズメガ科の蛾であった可能性がある。フィルーメノスはこの蛾が緑色だと述べたがこれはニカンドロスの説明を誤読したものらしい。前述の針のような鋭い吻で人の頭や首を狙って襲いかかるといい、刺された者は解毒剤で治療しないと即死することになる。危険な蛾だが、この蛾には油で溺死するという弱点もある。ペルセウスの木と呼ばれるミムソプス・ラウリフォリア(Mimusops laurifolia)に棲んでいるという。
- クレオパトラ:古代エジプトの女王で複数存在し、特に7世が有名で後代には魔女などの超常的な力を持つ存在ともされた。
- サマナ(Samana):風邪や感染症など様々な病をもたらしたり体内の器官を侵したりする悪霊。この悪霊サマナは移民や捕虜となった人々によってセム語の伝承がエジプトにも伝わってきたものであり、バビロニアでは獅子の口、龍の歯、鷲の爪、蠍の尾を有する悪霊とされていた。
- シェセル(Sheseru):悪霊のこと。
- ウェプウェティウ(Wepwetyu):シェセルの一種。使者という意味でありハビウと同様に神々の意思を伝える。
- カティウ(Khatyu):シェセルの一種。戦う者という意味。
- シェマイウ(Shemayu):シェセルの一種。彷徨う者という意味であり理由も無く人々を襲う。
- ハビウ(Habyu):シェセルの一種。使いという意味でありウェプウェティウと同様に神々の意思を伝える。
- スカラベ(Scarab)
- スコーピオン・キング:先王朝時代の上エジプトを統治したという伝説のファラオ。
- スフィンクス(Sphinx):人や別の獣の頭部を持つ獅子。
- アブル・ハウル(Abul-Haul, Abu l'hawl, Abu 'l-Hawl, Abu al-Hawl, Abu al-Haul):ギザの大スフィンクスのこと。アラビア語で“畏怖の父”の意。
- アブル・ホール(Abul-Hool):ギザの大スフィンクスのこと。アラビア語エジプト方言での呼び名。
- ベルヒブ/バルフバー/ベルハウィヤ(Belhib, Balhubah, Belhawiyya):ギザの大スフィンクスのこと。歴史家アル=マクリーズィーや中世アラブの作家たちが使用していた呼び名。
- セジャ(Sedja):蛇の頭部にライオンの胴体を持つ獣。
- ゼート(Zét):コプト語でサタンのことでありエジプト神話のセトが語源となっている。
- セハケク(Sehaqeq):頭痛を司るとされる悪霊。
- ナイアルラトホテップ:「門のところに平和(安息)はない」という意味の神格。
- ニトクリス:第6王朝の復讐者である女性ファラオで、歴史家マネトーの散逸した著作の断片で言及された。
- バー(Ba)
- バイ(Bai):古期のコプト語やボハイラ方言やサヒド方言のコプト語でお化け、精霊、霊魂、木葉木菟のこと。
- バビ(Babi):死者の書に記述がある闇の悪魔。
- ヒッポケンタウロデルピス(Hippokentaurodelphis):人間の上半身、馬の前半身、魚の後半身を有するケンタウロスのような姿の妖怪。
- ピフ(Pix):コプト語で悪魔のこと。
- イフ(Ikh):コプト語ボハイラ方言で悪魔のこと。
- ファラオさま(Farao-sama, Pharaoh-sama):日本で噂された都市伝説妖怪であり、こっくりさんのように交霊術で呼び出す事のできるエジプトのファラオの霊。この交霊術は関東地方の少年たちの間で流行っていた。ファラオさまは知識や直感を与えてくれる神とされるが、必ずしも良いファラオが降臨するとは限らない。ファラオさまを呼び出すには、画用紙に五十音、アルファベット、数字、はい、いいえ、そして中央にピラミッドの絵を描き、そのピラミッドの絵の上に十円玉を乗せ「エジプトのファラオさま、私の元へおいで下さい」と言えば良い。ファラオが降臨したら「あなたはどちらの、何というファラオさまですか」と聞いて悪霊だったりしないかを確かめなければならない。ファラオさまに質問すると十円玉が動いて答えてくれるが、質問する時は「ファラオさまにお伺いします」と言ってからでなければならない。ファラオさまに帰ってもらう時は「ファラオさま、いろいろとお答えくださってありがとうございました。どうぞお戻りください」と言えば、はいと書いた位置に十円玉が動きファラオさまが帰って十円玉は動かなくなる。その後、画用紙は焼却して十円玉は早めに使用しなければならない。
- ベンヌ(Bennu)
- ペトスコス(Petsuchos)
- ホルトフ(Hortf):コプト語ボハイラ方言で幽霊のこと。
- マフート/サーポパード(Makhdet,Serpopard)
- ミイラ/ミイラ男/マミー(Mummy):アンデッドとしてのミイラが登場した最初期の作品はジェーン・ルードンによって1827年に書かれた小説『The Mummy! A Tale of the Twenty-Second Century』だとされており、作中ではエントヴェルフェン博士がケオプスことクフ王のミイラを蘇らせている。
- アナカリス:5000年の時を経て蘇った復活のファラオ・黄金の絶対神。
- アマネット:ミイラ女として蘇った呪われし女王。
- イムホテップ(Imhotep):第三王朝の宰相で死後神格化されたが、後代にミイラから復活するとされた。
- カーリス(Kharis):1940年の映画『ミイラの復活(The Mummy's Hand)』以降のミイラ男となった人物名。
- 黄色いミイラ(Kiiroi Miira):日本で噂された都市伝説。噂によればエジプトのピラミッドで発掘作業を行ってミイラに呪われたことが原因で命を落とした者は何十人も存在すると語られる。呪われてしまうと黄色いミイラが出てくる夢を見た後、徐々に体が干からびて命を落とすことになるという。夢の中に現れた黄色いミイラを見てしまったら翌日に命を落とすことになるとされる場合もある。そしてこの噂を聞いた者にも呪いは伝染するため、呪いを避けるために寝る前に一杯の水を飲み、手を重ねながら仰向けになった姿勢で眠り、枕元にミイラがやってきても起きずに寝たふりをしなければならない。また、紫鏡のように黄色いミイラという言葉を一定の年齢まで覚えていると不幸に見舞われるとされる。
- ツタンカーメン:19歳で命を落とした少年王で、王墓発掘の関係者が次々と謎の死を遂げたことから「ファラオの呪い」と恐れられた。
- ハトシェプスト:第18王朝5代目のファラオであるが、男装した女性ファラオであり、死後にその記録が抹消されていたため近代まで忘れ去られていた。
- バルモンド:妖怪王家の末裔であるミイラ男。
- ファラオ:エジプト王朝の王のことであるがミイラの上位者とされることもある。
博物誌の幻獣
※西洋においてアフリカに棲むとされた幻獣や異民族
- アケパロイ/ブレムミュアエ(Akephaloi, Blemmyae)
- アシボビュック(Aschibobuch)
- アナブラ(Anabula):エチオピアに棲むという蹄を持つラッパのような鼻先の巨獣。
- アンフィスバエナ(Amphisbaena)
- エアレー(Yale)
- カトブレパス(Catoblepas)
- カンフュール(Camphur, Camphruch, Camphurch)
- キュノケファロス(Cynocephalus, Cynocephaly)
- クロコッタ/レウクロコタ(Crocotta)
- ケラステス(Cerastes):4本のツノを持つ蛇。体を砂で覆ってツノだけを出して餌のように見せかけ、鳥や動物をおびき寄せて捕まえる。
- ゴリラ(Gorilla)
- セプス(Seps):肉も骨も溶かしてしまう猛毒を持つ小さな蛇。
- セルフィ/ケルフィエ(Celphie):エチオピアの砂漠に棲む5つの足を持った牛。前足は肘から下が人間の腕になっており、蹄ではなく手がついている。
- 鶴首人間:まるで鶴のような首と頭を持つ異民族。奥地に住みグリフォンと戦うという。
- ディプサ/ディプサス(Dipsa, Dipsas):強い毒を持つ蛇。とても小さいので、人間は噛まれた事に気づく前に死んでしまう。
- ドラコ・エチオピカス/イーシオウピアンドラゴン(Draco Aethiopicus, Ethiopian Dragon):エチオピアの海岸に棲むドラゴン。主食は象であり、旱魃で象がいなくなると、群れで体を捩り絡ませ合うことで筏となって海の向こうのアラビアまで移動する。
- バジリスク(Basilisk)
- パランドルス/タランドス(Parandrus, Tarandos):エチオピアに棲む動物。牛くらいの大きさで牡鹿のツノと割れた蹄を持つ。危険にさらされると体色を変化させて身を隠す。
- ピュグマイオイ/ピグミー(Pygmaioi, Pygmy)
- フォレストブル(Forest Bull):エチオピアに棲む獰猛な森の肉食牛。通常の牡牛の二倍もある巨躯、黄褐色もしくは赤色の被毛、鉄製の武器でさえ弾いてしまう皮膚、耳元まで開くことができる巨大な口、自由自在に向きを変えることができる角、全ての動物の中で最も獰猛な気質を有する。獅子の勇気、馬の走力、牛の体力を兼ね備え、おまけに鉄より頑丈なため、洞窟住居に住む現地の人々はこの牛を百獣の王と評した。
- マンティコア(Manticore):エチオピアに棲むという人喰い人面獣。
- ヤクルス(Jaculus):槍蛇。
- ラミア(Lamia)
- ロック鳥(Roc, Rukh)
UMA
※元は伝承の存在だったが近代以降に欧米人によって未知の生物とされたものが多い
- アエロファンテ(Aerophant)
- アゴグウェ(Agogwe):タンザニアやモザンビークで目撃される黒い毛の半獣人。
- アジュー/アジュレ(Adjule)
- アルジェリアン・ヘアリー・ヴァイパー(Algerian Hairy Viper)
- アルラ・ホエール(Alula Whale)
- インカニヤンバ(Inkanyamba)
- ヴァッソコ(Vassoko)
- ウマ人間
- オンバス(Onbas):マダガスカルに棲む大型の獣人。
- カクンダカリ(Kakundakari)
- カサイレックス(Kasai Rex)
- ガッシングラム(Gassingram)
- カラノロ(Kalanoro):マダガスカルに棲む小型の獣人。
- ガンボ(Gambo)
- キキヤオン(Kikiyaon)
- キコンバ(Kikomba)
- キプンブブ(Kipumbubu)
- クーロカンバ/コーラカンバ(Koolakamba)
- グバハリ(Gbahali):リベリアに現れるという、ワニに似ているがオオトカゲに似た顔を持つ巨大肉食爬虫類。
- ケンタウルス・ネアンデルタレンシス(Centaurus neanderthalensis)
- コヘ・ヤ・メニア/コジェ・ヤ・メニア(Coje ya Menia)
- コンガマトー/ガコウラ・ンゴー/オリティアウ(Kongamato, Olitiau)
- ゴンベッサ:コモロ諸島近海で稀に釣れる、鱗が硬く肉が不味くて食べられない怪魚。この魚を見た白人たちが目の色を変え、高額で買い取ってくれるようになったため「幸運」という意味になった。
- サポドラク(Supodrak)
- サラワ(Salawa):カイロで目撃される長い角と四角い耳を持ち、ジャッカルとアリクイを混ぜたような姿の凶暴な獣。
- ジーナフォイロ(Guiafairo)
- ジャゴ・ニニ/ジャゴニニ(Jago-Nini)
- シルワネ・マッツィ(Silwane Mazzi):南アフリカのモフォロジ川に出るという、恐竜のようなUMA。
- チバ・フー・フィー(J'ba Fofi)
- チペクウェ/エメラ・ントゥカ(Chipekwe, Emela-Ntouka)
- ディラリ(Dilali)/ディンゴネク(Dingonek)
- トランコ(Trunko)
- ナンディ・ベア/チミセット/ゲテイト(Nandi Bear)
- ニジェールファイアスピッター(Niger Firespitter)
- ニベクヴェ(Nigbwe):黒いブタの怪物。
- ニャミニャミ(Nyami Nyami)
- ニンキナンカ(Ninki Nanka)
- バウォコジ(Bawokozi):南アフリカで目撃された変身能力を持つ怪動物。
- グロ・サンジュ(GrosSinge):2011年に南アフリカ共和国の東ケープ州で目撃された、よくわからない怪生物。名前の意味は「大きな猿」で、豚(コシュン)のようであるともいわれた。
- バディグイ(Badigui)
- バンゲンザ(Bangenza):コンゴ共和国で目撃される未知の類人猿。体色は茶色く、体躯はチンパンジーよりも大きく、さらにチンパンジーのように群れで行動したりはせずに単独で行動するという。
- パンバ(Pamba):タンザニアのタンガニーカ湖に現れる怪物。ボートを飲み込めるほど大きな口を持つ。
- ピグミーゾウ(Pygmy Elephant)
- ヘアリーモニター/ヴェリチコズ・ヘアリーモニター(Hairy monitor, Velichko's hairy monitor)
- ヘンティフィア
- ボキボキ(Bokyboky):マダガスカルに棲む、肛門腺から出す悪臭で蛇やネズミを殺して食べる獣。
- ポポバワ(Popobawa)
- マカララ(Makalala)
- マハンバ(Mahamba)
- マムランボ(Mamlambo)/ブレインサッカー(Brain-Sucker)
- マロジ(Marozi)
- ムフル(Muhuru):ケニアに出たという、背中に棘を持つトカゲ型の生物。
- ムリロ(Mulilo):黒い巨大ナメクジ。
- ムル・ング/モウロウ・ングウ(Mourou-Ngou)
- ムングワ(Mngwa)/ヌンダ(Nunda)
- ミコストリウム・ブルガリス(Micostrium vulgaris)
- ムビエル・ムビエル・ムビエル(Mbielu-Mbielu-Mbielu)
- モケーレ・ムベンベ(Mokele-Mbembe)
- ライオン・キラー/ライオン・イーター/ツリー・ビーター/ミステリー・エイプ:コンゴ民主共和国に棲息する、チンパンジーの頭脳とゴリラの身体能力を持ちライオンを殺して食うという謎の類人猿。のちに特殊なチンパンジーと判明。
- ラウ(Lau)
- リパータ/リパタ(Lipata)
- ルクワタ(Lukwata)
- ロンポ(Rompo):インドとアフリカに棲んでいるとされた獣。夜行性で人間の亡骸を食べるといい、さらに体色を変化させる能力を持つ。頭部は野兎、耳は人間、鬣は馬、前足は穴熊、後ろ足は熊であり、長さ約3フィートの細い体を持ち、長い尾の先はふさふさのブラシ状になっている。
- ングブ/ンゴウボウ(Ngoubou)
- ングマ・モネネ(Nguma-Monene):長い体と無数の背鰭を持つ水棲UMAで、正体はポリプテルスともオオトカゲともいわれる。
- ンゲンド(Ngend):カメルーンに伝わる野人。ゴリラよりも大きく、地上でも樹上でも自由自在に動き回ることができるという。
- ンゴイマ(Ngoima)
- ンサンガ(Nsanga):ザンビアのバングウェウル湿地帯で目撃された未確認生物。滑らかな皮膚を有する水棲爬虫類だという。
- ンゼフ・ロイ/ンゼフロイ(Nzefu-Loi):名前は「水の象」を意味する。長い首、馬のように毛深いが短い尾、短くて重い象のような牙を持った怪物。
- ンダラウォ(Ndalawo)
- ンデンデキ(Ndendecki)
- ンボコロコロ/ムボコロコロ(M'bokolokolo)
- ンヤマラ(N'yamala)
その他
- アイウェル・ロンガー(Aiwel Longar):ディンカ族の伝説に登場する人物。人間の女性と川の精霊の間に生まれた息子。
- アイド・ウェド(Ayida-Weddo, Aida-Weddo, Ayida-Wedo, Aido Quedo, Aido Hwedo):虹蛇。
- アサンボサム/ササボンサム/シャマンティン:鉤となった脚で人を捕らえて殺す吸血鬼。
- アジザ(Aziza):西アフリカに伝わる毛深い小人。森や蟻塚やカポックの木に住む。
- アジョン:ジョクン族の水神。
- アダンダラ(Adandara, Andandara):化け猫。
- アトゥ/アフトゥ(Ahtu):コンゴ川上流のバコンゴ族による呼び名で、石英がちりばめられ多数の金色の巻き枝を持つ折れた巨木のように見える、圧政によって身体の一部を失った者に崇拝される神。
- アナマポパ:マラウイの言葉で吸血鬼という意味で、2017年に襲われたという証言が続出した。下記の20世紀初頭のワジマモト騒動と同様に社会不安が原因であるといわれる。
- アナンガマ:神様の兄弟。隠していた金貨を盗んだと猟師を裁こうとしたが、猟師の助けた3匹の動物の頓知によって解放した。
- アナンシ(Anansi):創造神すら手玉に取る知恵者のトリックスター。蜘蛛のアナンシと兎のアナンシが伝わる。
- トゥレ:ザンデ族の蜘蛛という意味の名である半人半神のトリックスター。
- ティリ:バシリ族のトリックスター。
- テレ:バンダ族のトリックスターで双子の兄弟ンガコーラのほうが期待されていた。
- セト/ガラ・ワン・ト:マンジャ族のトリックスター。
- セトゥ:ブワカ族のトリックスター。
- ムンデ:バブア族のトリックスター。
- ロンガングレ:ロングダ族に伝わるトリックスターで、十二人の娘がいる妖女ガグールと敵対する。
- ワント:グバヤ族のトリックスター。
- ンヴェネ:ヌグヴァンディ族のトリックスターで呪術師テイヤとセットで語られる。
- アバダ(Abada):湾曲した2本のツノが生えた獣。ツノは解毒剤になる。
- イエバン:サンガ族に伝わる幽霊。
- イサンチム:七人の妻を持つカバの王で、知恵者のカメとの賭けに負けて川に入り王権を捨てた。
- イチソンガ(Ichisonga):ザンビアに伝わる額からツノが生えたサイのような怪物。
- イチモン:昭和期の怪奇系児童書で紹介されたアフリカの妖獣。アリクイに似た姿をしており蛇を好んで食べる。どんな毒蛇の毒も平気だが蜂の毒には弱い。ニシキヘビのような大蛇に巻きつかれた時は体を膨らませる事で大蛇の体をバラバラにする。「蛇くいイチモン」とも呼ばれる。
- イテルテル(Itherther):カビール人の神話に登場する牡牛。
- イマナ:子を産めない女に、子を授ける試練を与えたルアンダの神。
- イリズ・イマ(Iriz Ima):蛇の尾を持ち、象のように大きい怪物。
- イレッド:ベルベル人に伝わる麦粒という意味の名のとても小さな知恵者の少年で、人喰い魔女テリエルと一つ目娘アイシャを退治し財宝を持ち帰った。
- ウイ・ズ・ゴレ・ナグルナバコ:マンジャ族に伝わるトリックスター・セトの助言者である呪術師の老婆。
- ウェルゼリヤ(Werzelya):エチオピアに伝わる女悪魔。
- ウムニョロク(Umm Nyolokh):スーダンのフムルに伝わる不思議な飲み物。キリンの肝臓と骨髄から作られるもので、美味しいが幻覚作用があるらしく、飲むとキリンの幻影を見るという。
- エケンデバ(Ekendeba):コートジボワールのアニー族の伝説に登場する蜘蛛。
- エビガーネ(Ebigane):カメルーン、ガボン、赤道ギニアを跨ぐ英雄伝説に登場する、英雄に唾をかけられた鼠が変身した、蝙蝠と水牛と吸血鬼を混ぜ合わせたような使い魔で、道を塞いだニシキヘビを食い殺した。
- 大頭(Oogashira):二本の足の上に大きな頭だけを持ち、風に乗って飛び回る。カビの生えた弟を助けた10人兄弟の末っ子とその叔父のために妖術師を退治して、骨にされた9人の兄を蘇らせた。
- オカルポコポコ(Okalupokopoko):アンゴラのオヴィンブンド人に伝わる乳児の精霊。
- オグリグワビビクワ/オブリグワビビクワ(Ogrigwabibikwa, Obrigwabibikwa):爬虫類に変身する小人。
- オチルル(Ocilulu):アンゴラのオヴィンブンド人に伝わる幽霊。
- オノモロンボンガ(Onomorombonga):何種類もの果実が実った魔法の木。樹高が高いので果実に手が届かない。オノモロンボンガの木の前でオノモロンボンガというややこしい名を間違えずに言って挨拶できれば果実が実った枝を下まで下ろしてくれる。
- オバンボ(Obambo, Obambou):中部アフリカに伝わる悪魔、もしくは適切に埋葬されなかった者の霊。
- オベンガ:昭和期の怪奇系児童書で紹介された、ギニアの密林に棲んでいる吸血怪物。全身にアメーバのような触手を持ち、貪欲なので生き物を捕らえて食べてしまう。
- カクア・カンブジ(Kakua Kambuzi):樹木の精霊。
- ガレ:マンジャ族の至高神。
- カンバ(Kamba):民話に登場するリクガメ。
- キシ(Kishi):アンゴラに伝わるハンサムな男とハイエナの2つの顔を持つ悪魔で、女性を誘惑して食べてしまう。
- クロウィンクレスティドコブラ(Crowing Crested Cobra):アフリカ西部の広域に伝わる鶏冠があり牡鶏のような音を出すことができる有毒のコブラの総称。
- インコミ(Inkhomi):タンザニア南部やマラウイ北部に住むニャキュサ族に伝わるクロウィンクレスティドコブラの一種。
- インドロンドロ(Indlondlo):ズールー族に伝わるクロウィンクレスティドコブラの一種。
- コヴォコ(Kovoko):アフリカ南東部のニャムウェジ人に伝わるクロウィンクレスティドコブラの一種。
- ノガプツァネ(Noga-putsane):ボツワナに伝わるクロウィンクレスティドコブラの一種。
- ブブ(Bubu):モザンビークに伝わるクロウィンクレスティドコブラの一種。
- ホンゴ(Hongo):タンザニアのンギンド族に伝わるクロウィンクレスティドコブラの一種。
- リンバ(Limba):マラウイに伝わるクロウィンクレスティドコブラの一種。
- ングルカ(Nguluka):マラウイに伝わるクロウィンクレスティドコブラの一種。
- ンゴシェ(Ngoshe):ザンビアのベンバ族に伝わるクロウィンクレスティドコブラの一種。
- ンジョカタンバラ(Njoka Tambala):マラウイに伝わるクロウィンクレスティドコブラの一種。
- グローツラング(Grootslang):蛇の精霊。
- ゴグワナ(Gogwana):魔女。
- ゴメリー:昭和期の怪奇系児童書で紹介されたアフリカの悪魔。青色の泥人形の姿をしており、黒人を白黒の斑模様の石像にしてしまう。それ以外の人種も狙われるのかどうかは不明。
- ゴモラー(Gomolla, Gomolar, Gomoler):悪臭を放つ幽鬼。
- ゴリゴナン(Goli-gonan):コートジボワールのバウレ族に伝わる、池の中から現われ自らを象った仮面を作るように勧めた精霊。妻はパン、息子はプレプレ、娘はパンプレ。バウレの人々は村に不幸があったときにこれらの仮面をかぶって踊るようになった。
- ゴリラ魚/ゴリラフィッシュ(Gorilla-fish):2023年にアルジェリアで捕獲され画像が拡散されたゴリラそっくりの頭部の怪魚。AI暴走による産物であるともいわれる。
- シガとバーナトゥン:ベロ族の民話で活躍する二人組の半妖怪。
- シバの女王:旧約聖書に登場する伝説的な美貌のエチオピアの女王で、ソロモン王の偉大さを知り子を身籠もった。
- ジャーウェ:昔は狩人だった大きな目の鳥。魔女アレアコと魔法の角を持つ娘に殺された兄弟を、魔女を倒して生き返らせ、娘を獲物になる犀に変えた。
- ジェング(Jengu):カメルーンに伝わる人魚の姿をした水の精霊。崇拝する者に幸運をもたらし病を癒やす。
- シリキ・ウトゥンドゥ(Shiriki Utundu):コンゴ川流域に住むムトゥンドゥ族が恐れた、掟を守らない者を罰する緑の目をした神。
- シンビ(Simbi, Cymbee, Sim'bi):コンゴ共和国南部、コンゴ民主共和国西部、アンゴラ北部に住むコンゴ人に伝わる水の精霊。人間、蛇、瓢箪の蔓、火花、鳥、捻じ曲がった木々、人魚などの様々な姿で現れるという。
- 頭蓋骨男(Zugaikotuotoko):コブハムの町に住むアフィオングという娘が一番美しい男としか結婚したくないと言っていたのを聞き、たくさんの知り合いから美しい部分を借りてやってきた頭蓋骨。
- タラヌシ(Taranushi):北アフリカにおける最初のジン(精霊)。
- チェモシト(Chemosit):半人半鳥の怪物。脚は一本だが尻は九つもあり、口はランプのように赤く光る。槍のような棒を松葉杖にして歩く。UMAナンディ・ベアの別名ともされる。
- チプファラムフラ(Chipfalamfula)
- ディヴァウリンゴード/ディヴァウリングアド(Devouring Gourd):おおぐいひょうたん。
- ディキシ(Dikithi):ボツワナに伝わる目・腕・脚が一つで手足が蜜蝋でできている巨人であり村の人々と動物たちを呑み込んだ。
- ディンインガ/ディニンガ(Dyinyinga):西アフリカのメンデ族に伝わる変身能力を有する魔神。
- トレイヤ・ハムラ(Threyya Hamra):南チュニジアのベルベル人の伝承に登場する蛇。この蛇が鴉と交合することでこの世に白人というものが生まれた。
- ナムングミ(Namungumi)
- ニェネン:ニジェール川の水の精霊。
- ニャーマトゥ:夢を現実に変えてしまう力を持つ神。益があるように見えるが悪夢や無意識まで現実化するので状況を混沌としたものとしてしまう。
- ニャルヴィラジ(Nyarvirazi):ライオンになった女性。
- ニュズ(Njuzu):ジンバブエに伝わる水妖。
- ヌンドゥ:ライオンに似るがそれよりも大きな魔獣で、吐息は猛毒で疫病をもたらすという。
- バグボゾン:マンジャ族に伝わる魔の者で、トリックスター・セトの暗黒面とも言える敵対者。
- バ・コン・ブリ:マンジャ族に伝わるバ・ブリの樹の精霊。
- バジム(Bazimu):ルワンダに伝わる死霊。
- バター娘/ラーグジャル/ドゥゴセーレ/チャタッロ(Butter Girl, Laggajeri, Dugoseere, Catallo):バターから生まれた三人姉妹。
- ビダ(Bida):ソニンケ人の伝説に登場する7つの頭を持った黒い大蛇。
- ピンキーピンキー(Pinky Pinky):南アフリカの学校の怪談で女子トイレに現れるピンク髪の女怪物。
- ブッシュベイビー(Bush Baby):ナイジェリアの都市伝説妖怪。茂みの赤ん坊。
- フモ・リヨンゴ(Fumo Liyongo):パテ島の英雄。ほとんど巨人と言えるほど背が高く、不死身の戦士だが臍が唯一の弱点であった。
- フライングダッチマン(Flying Dutchman):希望岬で神を罵ったために呪われたオランダ人船長の乗る空飛ぶ幽霊船。
- フリーシヤ(Fricha):アルジェリアに伝わる幸福の仙女。
- ブルグ(Bulgu):エチオピアに伝わる人食い鬼。4個の目、斧の刃のような頭部、斧の柄のような腕、乳棒のようなずんぐりとした脚を持つ。
- ブルトゥンギン(Bultungin):ハイエナ人間
- フルーレティ(Fleurety):アフリカに住まうベルゼブブ配下の悪魔たちの長。ルシファーに仕える地獄の中将の位に即いており、命じられた仕事は夜の間に片付けるという。雹嵐を発生させる能力を有する。
- フンクウェ(Funkwe):ザンビアに伝わる魚の尻尾を持った長さ約80マイルの大蛇。
- ペムベ・ミルイ(Pembe Mirui):七つ首の竜。
- ホグ・フィッシュ/アンビーゼ・アングーロ/アングロ(Hog Fish, Ambize Angulo, Ambisiangulo):豚肉の味がするという怪魚。
- ボゲルトゥ:マンジャ族の神ガレが最初に創った男女で、後に洪水で流されてしまった。様々な知恵を持ち、杵を持たせられていたので「杵の民」と呼ばれていた。
- ボジャビ(Bojabi):赤色の大きな美味しい果実を実らせる木。その果実はメロンほどの大きさでザクロのように瑞々しく、匂いはマンゴーのようだという。樹高が高いのでキリンでも果実に届かず、さらに幹に大蛇が巻きついているため登ることもできない。果実を食べるには、百獣の王ライオンだけが知っている木の名前「ボジャビ」の名を大蛇に向かって言わなければならない。そうすれば大蛇は退き、樹高も低くなって果実にありつける。
- ホラワカ(Holawaka):神の命により人を不死にしようとするが失敗した鳥の精霊。
- マシンギ(Masingi):ツォンガ人に伝わる癒やしの大蛇。
- マゾンバ(Mazomba):チャガ族の伝説に登場する巨大魚。トリトン(衛星)のクレーターの名前にもなっている。
- マダムコイコイ/レディコイコイ/ミスコイコイ(Madam Koi Koi, Lady Koi Koi, Miss Koi Koi, Madam High Heel, Madam Moke, Miss Konkoko):学校の怪談に登場する片足に紅いハイヒールを履いた女教師の悪霊。
- ミンゲヘ(Mingehe):西アフリカに伝わる森の精。
- ムウーカ(Mwooka):ケニアの巨人。
- ムトゥラ(Mmutla):ツワナ人の昔話に登場する野兎。
- ムパカ(Mpaca):森の精霊。
- リキムサ(Liqimsa):エチオピアに伝わる象のような姿をした人食い怪物。
- ワイロール(Waylooru):フルベ族に伝わる人間に化けるハイエナ。
- ワジマモト/ムミアニ/バンヤマ(Wazimamoto,Mumiani,Banyama):植民地時代の東アフリカに広まった医療従事者や消防士などの国家公務員は吸血鬼であるという迷信。
- ワルンベ/ワルムベ(Warumbe, Walumbe):ガンダ族の死神。
- ンカラ(Nkala):ザンビアに伝わる使い魔。体長4フィート、体幅も4フィートくらいの蟹の姿をしており、体の両端にはカバのような頭部、目のあたりには鼻のような突起がついている。人間の影を両方の頭部で同時に食べる事で命を奪う。
- ンキシ/ミンキシ/ンコンディ(Nkisi,N'Kondi)):バコンゴ族に伝わる精霊が宿る呪物で、鉄釘がたくさん刺さった人型や異形の者の姿をしている。ンガンガ(Nganga:呪術医)はそれらを制御できる存在である。
- クランニ:ヌエル族の呪物。
- スマン:アカン族の呪物。
- ハレ:メンデ族の呪物。
- マイエンベ:ガンダ族の呪物。
- ングウォレカラ(Ngworekara):魔物の王。
- ンゴーグノグンバル(Ngoogunogumbar, Negoogunogumbar):人食い鬼。
- ンザンガムヨ(Nzangamuyo):ケニアの怪獣。
- ンデス/ネス(Ndesu):コンゴなどの中央アフリカで伝承される人食い鬼。『バイオハザード5』に登場する大型B.O.W.の名に採用された。
- ンドグボジュスイ(Ndogbojusui):西アフリカに精霊。途轍もなく毛深い人の姿、もしくは異様に髭が長い人の姿をしており、山に住んでいる。
- ンブル(Nburu):コンゴに伝わる森の魔物。
参考
外国の妖怪のアフリカーンス語での訳名
- アッケディスメンス(Akkedismens):リザードマンのこと。
- アンセクメンス(Insekmens):虫人のこと。
- ファンピエル(Vampier):吸血鬼のこと。
- サントヴルム(Sandwurm):サンドワームのこと。
- スケレット(Skelet):スケルトンのこと。
- スポアク(Spook):幽霊のこと。
- ドラーク(Draak):ドラゴンのこと。
- ドラークメンス(Draakmens):竜人のこと。
- ファスメンス(Vismens):半魚人のこと。
外国の妖怪のスワヒリ語での訳名
- ヴァンピリ(Vampiri):吸血鬼のこと。
- キウンベワンジェヤドゥニア(Kiumbe Wa Nje Ya Dunia):エイリアンのこと。
- サマキムトゥ(Samaki Mtu):人魚のこと。
- ジムウィレニェジチョモジャトゥ(Zimwi Lenye Jicho Moja Tu):サイクロプスのこと。
- ジョカ(Joka):大蛇のこと。
- スングラムウェニェペンベ(Sungura Mwenye Pembe):有角兎、アルミラージやジャッカロープのこと。
- ドラゴニ(Dragoni):ドラゴンのこと。
- パカムウェニェマバワ(Paka Mwenye Mabawa):翼猫のこと。
- ファラシバハリ(Farasi Bahari):海馬、ヒッポカンポスのこと。
- ファラシムウェニェペンベ(Farasi Mwenye Pembe):有角馬、ユニコーンやバイコーンやトライコーンのこと。
- ファラシムウェニェマバワ(Farasi Mwenye Mabawa):ペガサスのこと。
- ペポンバヤ(Pepo Mbaya):悪魔のこと。
- ムトゥドラゴニ(Mtu Dragoni):竜人のこと。
- ムトゥムウェニェペンベ(Mtu Mwenye Pembe):有角人のこと。
- ムトゥムウェニェマバワ(Mtu Mwenye Mabawa):有翼人のこと。
- ムトゥムジュシ(Mtu Mjusi):リザードマンのこと。
- ムトゥムドゥドゥ(Mtu Mdudu):虫人のこと。
- ムトゥンデゲ(Mtu Ndege):鳥人のこと。
- ムトゥンブワ(Mtu-Mbwa):犬人、人狼のこと。
- ムニョームチャンガ(Mnyoo-Mchanga):サンドワームのこと。
関連タグ
外国の妖怪 イスラム教 エジプト神話 ギリシャ神話 オリシャ