概要
ボンドエイプ、ビリエイプ、ライオンキラーなどの別名がある。
ライオンイーターは熱帯雨林に棲むチンパンジーのような生き物で、非常に凶暴であるという。「ライオンを喰う者」の名の通り、非常に力が強く猛獣を殺して食べることもできるという。
1996年、カール・アマンはベルギー人入植者によってつくられたベルギー中央アフリカ王立博物館で奇妙な頭骨を見る。ゴリラは顎の筋肉の付着点として頭頂部にトサカのような骨の出っ張りをもつが、この骨にも同じものがあった。しかし、ゴリラ的なのはこの特徴くらいで、他のほとんどの特徴はチンパンジーと一致していたという。
2002年から2003年にかけて行われた調査では、シェリー・ウィリアムズ博士が「平らな顔とゴリラのような伸びた額を持ち、体色は幼いうちから灰色になる※。彼らは地面か木の低いところに巣を作る。夜になると咆哮のような声を上げ、満月の日は声が大きい。きっと新種かチンパンジーの未知の亜種、もしくはチンパンジーとゴリラのハイブリッドだと思う」と発言。この話は「チンパンジーとゴリラのハイブリッドの可能性」を示唆した部分のみが切り取られて拡散され、日本のウェブサイトなどでもこの記述を見ることができる。
※チンパンジーは成長に伴って、肌の色がベージュから灰色〜黒に変わる。
2006年、クリーブ・ヒックスはコンゴ・ビリ地域でライオンイーターを観察し、ヒックスは(新種や未知の亜種ではなく)これはチンパンジーの特殊な集団であると考えた。排泄物のサンプルから検出されたDNAは、チンパンジーの亜種の一つヒガシチンパンジー(Pan troglodytes schweinfurthii)のものだった。
しかし、ビリ地域のヒガシチンパンジーは特殊で、ほかの地域のヒガシチンパンジーと異なり頭蓋骨にゴリラのようなトサカ状の突起があり、また地面に巣をつくったという。
一方で、月に向かって吼える行動や猛獣を食い殺す行動は確認されなかった。これはおそらくビリ地域のチンパンジーに関する現地の迷信や誤解が含まれているのではないかとされている。