「見たか!アンカーカンスは、これまでのメカジャイガンを遥かに凌ぐ!なぜなら、新頭脳ブレインが操っているからだ!私は、世界で初めて蛋白質合成で創られたコンピューター!限りなく生命体に近く、人間の頭脳など、遥かに超えた新しい頭脳だ!ただちに、新帝国ギアに降伏せよ!」
登場話:第14話『新頭脳ブレイン!』
概要
ドクターマンが開発した、世界初の蛋白質合成コンピューター。 赤い単眼を有する丸い銀色のカプセルから、2対のアンテナや脳髄に似たコネクタ状の部位が伸びた特異な形状が特徴で、アンカーカンスから分離して自ら飛行したり、全身を黄色いバリアで覆うことで外部からの攻撃を遮断することもできる。
「世界一の性能」を自称し、高い知能だけでなく人間と同然の感情をも持ち合わせているが、それゆえに非常に自尊心が高く、レッドワンの挑発にまんまと乗せられて独断専行に走るなど、煽り耐性の低いところが弱点と言える。また、コンピューターなだけあって海水には弱いという側面も有する。
上記した気質ゆえに、ギアのコントロールからも外れて抹殺対象とされながらも、彼の持っている「感情」を信じたひかるとの交流で、その思考にも変化がもたらされることとなる・・・
作中での動向
地球を周回する人工衛星が、次々と落下し地上に甚大な被害をもたらすという怪事件が発生。その裏に何者かの作為を感じ取ったバイオマンも直ちに行動を開始するが、調査の途上で突如姿を現したのが、一連の事件を引き起こしていたアンカーカンスであり、彼等の乗っていたバイオジェットもまた誘導レーザービームであわや墜落しかかることとなる。
辛うじてバイオマンは難を逃れたものの、一連の怪事件を通して一通りデモンストレーションを完了したブレインは、国連緊急安全保障理事会へと挑戦状を叩きつけ、ギアへの降伏を全世界へと促してみせたのであった。
が、対するバイオマンも郷のひらめきから、ブレインが人間同様の感情を持っているのではないかと推測を立て、自らアンカーカンスの元へ向かい散々にブレインを挑発。そしてその狙い通り、まんまと挑発に乗ってしまったブレインは大いに憤慨し、ドクターマンの命令を無視する形で単身バイオマンと対峙するに至った。
「私は世界一、ナンバーワン! 行け、アンカーカンス!」
この事態を前に、怒り心頭のドクターマンはブレインの抹殺をファラとアクアイガーに対して厳命し、戦いの中でピンクファイブに捕まったブレインをアクアイガーが攻撃、共に海中へと落下せしめた。
幸いにしてひかる・ブレインともども無事に漂着するものの、海水によって弱りきったブレインに止めを刺そうとする郷達に対し、あくまでブレインの「感情」を信じそれに訴えかけようとしたひかるがこれを制止。そこに追撃を仕掛けてきたファラ達の攻撃を受けながらも、郷達との乱戦にもつれ込んだ隙にひかるはブレインを連れてその場から離脱することとなる。
なぜ自分を助けたのかと問いかけるブレインに対し、ひかるはメカにも心があることは素晴らしいと説き、心という概念をなおも理解できずにいる彼に、弱いものを慈しむ心の存在によってメカも人間も仲良くなれると、ブレインの「感情」に訴えかけたのである。
が、そこへ三度ファラ達が襲撃を仕掛けたことでブレインも致命的なダメージを負い、その「心無い」仕打ちに怒りを燃やすひかるは、後から合流した他の4人とともにアクアイガーを撃退するが、今度はアンカーカンスがドクターマン自らの遠隔操作でその場に現れ、これに立ち向かったバイオロボも、アンカーカンスが繰り出す砲撃や両腕を駆使した攻撃に圧倒され、遂には鎖で拘束されるという危機的状況を迎えてしまう。
この状況を察知したブレインは、わずかな間ながらも心を通わせかけたひかるの危機を救うべく、残された力でアンカーカンスにその身を接続。彼の働きで動きが封じられたことにより、アンカーカンスも反撃に転じたバイオロボの繰り出す「スーパーメーザー・十文字斬り」を喰らい、敢え無く撃破されたのであった。 アンカーカンスが撃破される寸前に機体から分離したとはいえ、既にブレインにも限界が訪れつつあり、
「ひかる、君のような美しい心を持ったコンピューターに、なりたかった・・・」
と自らの胸中を吐露し、別れを告げた後に海中へその身を投じ、爆発して果てた。ブレインの最期を見届けたひかるに対し、郷は彼女の心がブレインにも通じたこと、それが勝利に繋がったと励まし、ひかるも海面に花を手向け、ギアへの闘志を新たにするのであった。
余談
曽我部は、東映特撮へは過去にも仮面ライダーシリーズにて複数回ゲスト出演の経験を持つが、スーパー戦隊シリーズにおいては本作が最初にして唯一の参加となった。