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アンカーカンス

あんかーかんす

アンカーカンスとは、特撮テレビドラマ『超電子バイオマン』に登場する巨大ロボの一つ。本記事では、そのパイロットの一つに当たる「新頭脳ブレイン」についても併せて取り扱うものとする。
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ドクターマン「ブレインを創った私が操縦するのだ!ブレイン以上の力を発揮して当然だ!」


登場話数:第14話「新頭脳ブレイン!」


概要編集

新帝国ギアによって建造されたメカジャイガンの一体。

頭頂部から背中にかけてのヒレを模したパネルや、両肩と一体化した二連装砲、それに右腕に備わったなど、随所に海に関連する要素が盛り込まれた機体であり、前述の碇は鎖と連結した射出式の兵装としても扱われる他、「誘導レーザービーム」を放つことで様々な人工衛星のコントロールを奪うこともでき、バイオジェットでさえも直撃を受けた際には一時制御不能に陥ったほどである。

戦闘ではこれ以外にも前述した二連装砲、そして左腕に装着されたを活用しており、後者は近接戦闘のみならず射出することで、遠距離戦にも対応することが可能である。


アンカーカンスは、後述の「新頭脳ブレイン」の性能、ひいてはその造物主たるドクターマンの能力を世界に知らしめるべく開発されたものであり、頭部も展開することで、その内部にブレインを格納する構造となっている。

一方で、ブレインが不在でもドクターマンが遠隔操作によって動かすこともできる。どちらかと言えば、ドクターマンが操作した方がバイオマンに苦戦を強いているのだが、カンスの性能が下がってでもブレインの存在を見せつけようとする辺りに、彼自身の自己顕示欲の強さが窺える。


新頭脳ブレイン編集

「見たか!アンカーカンスは、これまでのメカジャイガンを遥かに凌ぐ!なぜなら、新頭脳ブレインが操っているからだ!私は、世界で初めて蛋白質合成で創られたコンピューター!限りなく生命体に近く、人間の頭脳など、遥かに超えた新しい頭脳だ!ただちに、新帝国ギアに降伏せよ!」


CV:曽我部和行


ドクターマンが開発した、世界初の蛋白質合成コンピューター

赤い単眼を有する丸い銀色のカプセルから、2対のアンテナや脳髄に似たコネクタ状の部位が伸びた特異な形状が特徴で、アンカーカンスから分離して自ら飛行したり、全身を黄色いバリアで覆うことで外部からの攻撃を遮断することもできる。


「世界一の性能」を自称し、高い知能だけでなく人間と同然の感情をも持ち合わせているが、それゆえに非常に自尊心が高く、レッドワンの挑発にまんまと乗せられて独断専行に走るなど、煽り耐性の低いところが弱点と言える。また、コンピューターなだけあって海水には弱いという側面も有する。

上記した気質ゆえに、ギアのコントロールからも外れて抹殺対象とされながらも、彼の持っている「感情」を信じたひかるとの交流で、その思考にも変化がもたらされることとなる・・・。


作中での動向編集

地球を周回する人工衛星が、次々と落下し地上に甚大な被害をもたらすという怪事件が発生。その裏に何者かの作為を感じ取ったバイオマンも直ちに行動を開始するが、調査の途上で突如姿を現したのが、一連の事件を引き起こしていたアンカーカンスであり、彼等の乗っていたバイオジェットもまた誘導レーザービームであわや墜落しかかることとなる。

辛うじてバイオマンは難を逃れたものの、一連の怪事件を通して一通りデモンストレーションを完了したブレインは、国連緊急安全保障理事会へと挑戦状を叩きつけ、ギアへの降伏を全世界へと促してみせたのであった。

が、対するバイオマンものひらめきから、ブレインが人間同様の感情を持っているのではないかと推測を立て、自らアンカーカンスの元へ向かい散々にブレインを挑発。そしてその狙い通り、まんまと挑発に乗ってしまったブレインは大いに憤慨し、ドクターマンの命令を無視する形で単身バイオマンと対峙するに至った。


「私は世界一、ナンバーワン! 行け、アンカーカンス!」


この事態を前に、怒り心頭のドクターマンはブレインの抹殺をファラアクアイガーに対して厳命し、戦いの中でピンクファイブに捕まったブレインをアクアイガーが攻撃、共に海中へと落下せしめた。



幸いにしてひかる・ブレインともども無事に漂着するものの、海水によって弱りきったブレインに止めを刺そうとする郷達に対し、あくまでブレインの「感情」を信じそれに訴えかけようとしたひかるがこれを制止。そこに追撃を仕掛けてきたファラ達の攻撃を受けながらも、郷達との乱戦にもつれ込んだ隙にひかるはブレインを連れてその場から離脱することとなる。

なぜ自分を助けたのかと問いかけるブレインに対し、ひかるはメカにも心があることは素晴らしいと説き、心という概念をなおも理解できずにいる彼に、弱いものを慈しむ心の存在によってメカも人間も仲良くなれると、ブレインの「感情」に訴えかけたのである。

が、そこへ三度ファラ達が襲撃を仕掛けたことでブレインも致命的なダメージを負い、その「心無い」仕打ちに怒りを燃やすひかるは、後から合流した他の4人とともにアクアイガーを撃退するが、今度はアンカーカンスがドクターマン自らの遠隔操作でその場に現れ、これに立ち向かったバイオロボも、アンカーカンスが繰り出す砲撃や両腕を駆使した攻撃に圧倒され、遂には鎖で拘束されるという危機的状況を迎えてしまう。

この状況を察知したブレインは、わずかな間ながらも心を通わせかけたひかるの危機を救うべく、残された力でアンカーカンスにその身を接続。彼の働きで動きが封じられたことにより、アンカーカンスも反撃に転じたバイオロボの繰り出す「スーパーメーザー・十文字斬り」を喰らい、敢え無く撃破されたのであった。



アンカーカンスが撃破される寸前に機体から分離したとはいえ、既にブレインにも限界が訪れつつあり、


「ひかる、君のような美しい心を持ったコンピューターに、なりたかった・・・」


と自らの胸中を吐露し、別れを告げた後に海中へその身を投じ、爆発して果てた。ブレインの最期を見届けたひかるに対し、郷は彼女の心がブレインにも通じたこと、それが勝利に繋がったと励まし、ひかるもまたギアへの闘志を新たにするのであった。


備考編集

デザインは出渕裕が担当。当初の名称は「シーカンス」で、その名の通り即物的なモチーフではなく、「海」という割と抽象的なものからイメージされる要素を盛り込む形でデザインが起こされている。一方で魚っぽい顔や背ビレ、それに両腕の碇や銛など、所々に分かりやすいモチーフも用いられている。また、デザイン画稿の添え書きからは、メイスンアクアイガーが使うものと想定していたことも確認できる。

例によって、赤とグレーを基調とした独自のデザインも起こされているものの、実際の造形物は脚部をミイラカンスから流用する形とされている。関連書籍に掲載されたスチール写真では、脛部の溝に負担がかかるせいか、この時点で膝の部分が破れているのが確認でき、その後も修復がなされなかったのか、以降のミイラカンスの脚を流用したメカジャイガンやネオメカジャイガンも、同様に膝が破損したままの状態となっている。


ブレインのCVを担当した曽我部は、東映特撮へは過去にも仮面ライダーシリーズにて複数回ゲスト出演の経験を持ち、スーパー戦隊シリーズにおいては本作が最初にして唯一の参加となった。


関連タグ編集

超電子バイオマン

新帝国ギア メカジャイガン

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