概要
闘将ダイモスでメカニックデザインデビュー。以後、アニメや特撮作品でメカやキャラクターのデザインを手掛ける一方で、イラストレーターとして小説の挿絵を描くなど多様な方面で商業作品に関わっている。
代表作にロードス島戦記、機動戦士ガンダム逆襲のシャア、機動警察パトレイバーなどがある他、女性型ロボットHRP-4Cの『兄』にあたるHRP-2・HRP-3(通称プロメテMk-Ⅱ)の外観デザインも担当している。
また、ラーゼフォンで監督を、スカルマンでシリーズ構成を担当するなど様々な分野で活躍している。
実写でも科学戦隊ダイナマン~超新星フラッシュマンの怪人デザインを行い、大きな変革をもたらした。プレデターのデザインは実は彼の手がけた『電撃戦隊チェンジマン』に登場する、「副官ブーバ」が元ネタだったりするらしい。
その後も仮面ライダーアギト、特命戦隊ゴーバスターズ、仮面ライダージオウなどに参加している。
ニット帽がトレードマーク。
pixivユーザーでもあり、buchi名義で投稿している。
デザイナーとして活動を始めた当初はロボットアニメの敵側メカ(いわゆる「やられメカ」)を担当。毎回主役ロボットに倒される悲哀から、アニメファンは「ブチメカ」なる愛称を付けた。その後の仕事に関しても、出渕の個性的なデザインの総称として「ブチメカ」と呼ぶ場合がある。
デザインでは曲面を多用したシルエットを好む。また、特徴的な意匠として、複数の並んだ穴(基本は上段3個、下段2個かこれを上下逆とした5つ穴)が描かれることが多く、これを通称「ブチアナ」と呼ぶ。一例を挙げるとイングラムのこめかみ、量産型ガンキャノンやハイゴッグの肩部装甲などに「ブチアナ」が配されている。
また、ファンタジー面に対する影響力も大きく、ディードリットのデザインは今日まで続く「エルフの耳は長い」外観を常識化させている。
ミリタリーマニアでもあり、特に第二次世界大戦時のドイツ軍関連を愛好しており、アニメやゲームに登場する軍服のデザイナーとしても活躍している。
じつは、数多い肩書の一つに「役者」もある(ただし台詞なしの端役)。押井守監督の実写映画『紅い眼鏡』では、劇中に登場するプロテクトギアのデザインを手がけただけでなく、ワンカットのみ立ち食い蕎麦屋の客として出演している。
出渕とヤマト
学生時代は『宇宙戦艦ヤマト』のファンで、ファンクラブに所属していた。プロデビュー後、TVアニメ『宇宙戦艦ヤマトIII』とアニメ映画『宇宙戦艦ヤマト 完結編』でメカニックデザインを担当。いちファンから実際にプロとして自分のファン作品に関わった珍しいケースである。さらには2012年劇場先行公開・2013年テレビ放映のリメイク作である『宇宙戦艦ヤマト2199』では、監督を務め、絵コンテ・脚本・メカデザまで幅広く担当している。