🇮🇨概要
アフリカ大陸北西部のモロッコ沖、約100kmの大西洋上に点在するスペイン領の火山島諸島。
地質学上はアフリカ大陸に属するが、非常に深い海溝によって隔てられている。
主要7島と多くの小島から成り、行政区域としては「カナリア諸島自治州」である。
いわゆる属領ではなく本国の一部とされており、最大都市はラス・パルマス。
火山島の島々の多くは非常に山がちであり、高さがわずかに富士山に及ばないスペイン最高峰テイデ山(3,718m)も存在する(スペイン本土の最高峰はムラセン山(3,478m))。
観光開発が進むのは1960年代以降で、現在では「大西洋のハワイ」とも呼ばれるほどヨーロッパ人にとって定番のバカンスエリアとなっている。
農業では比較的痩せた土地でありながらバナナ、トマト、タバコなどの熱帯系作物の栽培が盛ん。
13世紀頃から16世紀にかけてかけてスペイン人が先住民を征服して島々を占領。
以降植民地政策における海上交通の中継地や漁業基地として重要な役割を果たした。
カナリア諸島にはロケ・デ・ロス・ムチャ―チョス天文台(ラ・パルマ島)やテイデ山の山頂付近に築かれたテイデ天文台が立地。
これら天文台はスペインだけでなく、ドイツ、イタリア、オランダ、北欧5ヶ国、英国、米国の観測施設が集まり、北半球第二の規模を誇る(最大規模はハワイのマウナケア天文台群)。
近年ヨーロッパ本土では都市化による光害や大気中の塵の増加などで観測条件は悪化の一途をたどっており、同地域の宇宙関係の研究機関が北半球に新設する大型望遠鏡はほとんどがカナリア諸島に集中している。
関連項目
:愛玩種の原種の生息地であった事から、島々の名前で名付けられた。
:大瀧詠一の楽曲で、同諸島を舞台に制作された。
:同諸島のテネリフェ島で起きた、単一の事故として最も多くの犠牲者が発生した航空事故。
:同諸島のアレグランサ島が舞台となっている。