概要
正式名称は「エチオピア連邦民主共和国」。古くはアビシニアともいった。現在の政治体制は1993年の独立宣言より始まる昔は海岸線があったが、沿岸部のエリトリアが1993年に独立したためいまは内陸国である。首都はアディスアベバ。
アフリカ諸国の中で最も早く独立した国家であり、エチオピアの観念だと紀元前1000年に古代エチオピアは誕生したと言われ、現存する世界最古の国とされる日本よりも以前から存在していたとされる。有名なのは旧約聖書に登場するシバの女王のシバ王国がエチオピア国家説がうたわれている。
学術的に確認できるのは紀元前5世紀ごろに興ったアクスム王国まで遡ることが出来る。
周囲を様々な列強勢力に囲まれながらも、エチオピアの王家は幾度かの断絶や追放などを経ながら、その度に不死鳥の如くエチオピアの国主の地位に舞い戻り、ハイレ・セラシエ1世が1974年に軍部により廃位させられるまで、エチオピア皇室は世界最長の王家として存在しつづけた。ハイレ・セラシエ1世の直系は今でも健在である(ちなみに現在の世界最長の王家は日本の皇室である)。
国土の大部分がエチオピア高原に位置するため、気候は涼しい。また降雨量が多く、農業に向いた土地柄となっている。なお降った雨は青ナイル川の水源となり、青ナイル川はやがてナイル川へと流れ込むので、ナイル川の水の一部はエチオピアに由来していることになる。
コーヒーの原産地とされており、客を招きコーヒーを淹れてもてなす茶道ならぬ「コーヒー道(コーヒーセレモニー)」がある。
宗教は主にエチオピア正教会といわれるキリスト教の一派を信仰している。ただし、カトリックや東方正教会とは異なり、非カルケドン派と呼ばれる他にエジプトやアルメニアにも広まっている別教義の教会である。
現在では政教分離によって国教は存在しないものの、かつてアクスム王国時代の350年から1995年の現行憲法制定までの間キリスト教を国教と定めていた。尚、キリスト教を国教とした国としては古代アルメニアに次いで2番目に古く、現存する国家としては最古の国である。
言語はアムハラ語の影響が大きい。
なお、エチオピア音楽は日本と同じ五音音階が使われているため日本の演歌や民謡とよく似ている。
日本との関係
1956年、戦後初の国家元首の訪日はエチオピア国王であった。
また、1958年には両国に大使館が開設された。
1964年に開催された東京オリンピック、マラソンでエチオピアの選手、はだしのアベベが金メダルを獲得し、日本でもスター選手となった。
国際関係
イスラエルとの関係
エチオピアには多くのユダヤ人がおり、イスラエルのユダヤ人帰還作戦・モーセ作戦により多くのエチオピア系ユダヤ人がエチオピアへ帰還した。
古く、エチオピアとイスラエルは繋がりがあり、新約聖書ではエチオピアの宦官がイエス・キリストの弟子・ピリポ(12弟子ではない)から、聖書の解説を受け、その後洗礼を授かるという話がある。