概要
正式名称はエチオピア連邦民主共和国。
面積109万7000平方km、人口約1億1787万人(2021年)、首都はアディスアベバ。
古くはアビシニアとも呼ばれた。アフリカ諸国の中で最も早く独立した国家。
北はエリトリア、北東にジブチ、東にソマリア、南にケニア、西はスーダンと南スーダンに囲まれた内陸国。
歴史
学術的に確認できるのは紀元前5世紀ごろに興ったアクスム王国だが、一説には紀元前1000年に古代エチオピアが成立、旧約聖書に登場するシバの女王のシバ王国が古代エチオピアではないかといわれている。
周囲を様々な列強勢力に囲まれながらも、エチオピア王家は幾度かの断絶や追放などを受けながら、その度に不死鳥の如くエチオピアの国主の地位に舞い戻り、ハイレ・セラシエ1世が1974年に軍部により廃位させられるまで、エチオピア王家は世界最長の王家として存在しつづけた。なお、ハイレ・セラシエ1世の直系は今でも健在である。
地理
国土の大部分が高原に位置するため、気候は涼しい。また降雨量が多く、農業に向いた土地柄となっている。なお降った雨は青ナイル川の水源となり、青ナイル川はやがてナイル川へと流れ込むので、ナイル川の水の一部はエチオピアに由来していることになる。
宗教
主にエチオピア正教会といわれるキリスト教の一派を信仰している。ただし、カトリックや東方正教会とは異なり、非カルケドン派と呼ばれる他にエジプトやアルメニアにも広まっている別教義の教会である。
現在では政教分離によって国教は存在しないものの、かつてアクスム王国時代の350年から1995年の現行憲法制定までの間キリスト教を国教と定めていた。尚、キリスト教を国教とした国としては古代アルメニアに次いで2番目に古く、現存する国家としては最古の国である。
文化
コーヒーの原産地とされており、客を招きコーヒーを淹れてもてなす茶道ならぬ「コーヒー道(コーヒーセレモニー)」がある。
エチオピア音楽は日本と同じ五音音階が使われているため日本の演歌や民謡とよく似ている。
国際関係
日本との関係
1956年に戦後初の国家元首としてエチオピア国王が訪日。1958年に両国に大使館が開設された。
1964年に開催された東京オリンピックマラソンでエチオピアのアベベ・ビキラが裸足で金メダルを獲得し、日本でもスター選手となった。
イスラエルとの関係
エチオピアには多くのユダヤ人がおり、イスラエルのユダヤ人帰還作戦・モーセ作戦により多くのエチオピア系ユダヤ人がエチオピアへ帰還した。
エチオピアとイスラエルは繋がりがあり、新約聖書にエチオピアの宦官がイエス・キリストの弟子・ピリポ(12使徒ではない)から、聖書の解説を受け、その後洗礼を授かるという話がある。
渡航
目的に応じた査証が必要だが、ボレ国際空港到着時に限り30日の観光申請が可能(手数料は米ドル現金かクレジットカード)。
しかし、民族対立が激しく国境地帯では政府との武力衝突もしばしば発生。
そのため日本の外務省は国境には絶対に近づかないようにと勧告。