概要
シバの女王は、旧約聖書に登場する砂漠の国シバ王国の支配者で、名称はエチオピアではマーキア、イエメンではビルキスと呼称されている。旧約聖書では『列王記上』から登場する。
シバの国を統治する彼女はその類まれなる聡明さと比類なき美しさを世に知れ渡されていた。ある時、エルサレムを治める賢智の王ソロモンの知恵を噂で伝え聞き、難問をもって彼を試そうとしてやって来た。遠方の国から大勢の随員を伴い、エルサレムのソロモン王のもとへ大量の金、宝石、香料などを寄贈したとされる。
ソロモンの謁見となると女王はあらかじめ考えておいたすべての質問を浴びせたが、ソロモンはそのすべてに解答を与えた。王に分からない事、答えられない事は何一つなかった。 女王はその知恵に驚くとともに、エルサレムの宮殿やそこで執り行われる儀礼にすっかり感銘を受けた。
そこで女王は、ソロモン王を大いに賞賛し、彼と彼の王国を祝福するとともに、携えてきた金や宝石、素晴らしい香料などを王に贈った。王もまたその返礼に多くの贈り物をし、さらに女王が願うものは何でも望みのままに与えた。この際、女王はソロモンとの子を身籠ったとされる。
エチオピアの王メネリク1世はソロモンとシバの女王の息子であるとされ、エチオピアで編纂された歴史書である『ケブラ・ナガスト』にも彼女は登場する。
それによると昔、アクスムの町全体を、恐怖のどん底に落とし込んでいた一匹の巨大な大蛇がいたという。人々は、毎日、数えきれないほどの家畜を生け贄に捧げていた。そんな時、マーキアという一人の美しく勇敢な娘が、あらわれ、平然と大蛇に近づくと、たちまちその首を切り落としてしまったという。住民は、熱狂して彼女を自分たちの王に戴いた。これが後のシバの女王であるとされる。
シバの女王をモデル・原案にしているキャラクター
- 漫画『マギ』の登場人物。→シバ(マギ)
- 『ファイナルファンタジー』シリーズ、および『ロードオブヴァーミリオン』の召喚獣。ただし綴りが一致しない為完全なる元ネタとも言えない。→シヴァ(FF)
- 『ファンタシースターオンライン2』に登場するNPC。→終の女神シバ
- 『Fate/GrandOrder』に登場するサーヴァントの一人。→シバの女王(Fate)
- 『クロスアンジュ天使と竜の輪舞』に登場する人人型器。→ヴィルキス