曖昧さ回避
- 旧約聖書に登場する古代ヘブライ人(ユダヤ人)の指導者。 ⇒ 本項で解説
- オンラインTRPG『人狼BBS』の登場キャラクター。
- 漫画『聖☆おにいさん』の登場キャラクター。 ⇒ 雷兄弟(聖☆おにいさん)
- 演劇『ライチ☆光クラブ』の登場キャラクター。 ⇒ ヤコブ(ライチ☆光クラブ)
- ゲーム『ロックマンX8』の攻略ステージの一つ。 ⇒ ヤコブ(ロックマン)
概要
旧約聖書における創世記に登場する、古代ヘブライ人(ユダヤ人)の指導者であり、民族の族長。
名前は「踵をつかむ者=人を出し抜く者」を意味する。
天使と格闘した末に、神から勝者を意味する「イスラエル」の名を与えられ、これが後のイスラエルの国名の由来となったという。
イスラエル(ישראל, Israel)は、『勝つ者』を意味する「イシャラー」と、『神』を意味する「エル」の複合名詞とされる。
ヤコブの生涯
※聖書では「わたし」と、平仮名の一人称になっている場合は神さまの一人称である。
『創世記25章〜』
ヤコブは兄・エサウの踵をつかんで誕生した。
エサウは狩人に、ヤコブは羊飼いとして成長した。あるときヤコブが夕食を作っていると、腹ぺこのエサウがやってきた。「お腹が減ってるからその豆を食わせてくれ」とエサウが言うが、ヤコブは「あげる代わりに、兄さんの持っている『長男の権利』を私にくれますか?」と言う。「腹が減ってしょうがないから早くよこせ」と、エサウはあっさり長男の権利をヤコブへあげてしまう。
エサウとヤコブの父・イサクは年を取り、目が見えなくなっていた。そして自分が亡くなる前に、長男エサウを祝福しようと思っていた。イサクの妻・リベカはこれはチャンスと思い、イサクへ入れ知恵を授けた。
「毛深いエサウのふりをして、あなたが祝福を受けなさい」。
ヤコブは獣の毛皮を被り、エサウになりすました。そして料理とパン、ぶどう酒を持ってイサクの部屋へ向かった。
「お前は誰だ?」とイサクはヤコブの体をさわる。「声はヤコブの声だが、手はエサウのようだ」「ほんとうにお前はエサウかね?」とイサクはたずねる。ヤコブは「私です」と答え、イサクはヤコブをエサウと思い、彼に祝福を授けてしまう。
このことがエサウにバレれば身が危うい。リベカはヤコブを叔父のラバンのもとへ逃げさせる。
のちのち獲物を捕まえ帰ってきたエサウが、イサクのもとを訪れた。「さあお父さん、祝福を私にください!」。イサクは身震いした。「ほんとうにお前がエサウか!?なんということだ!あれはヤコブだったのか!」「どういう事ですお父さん」
「祝福の権利はヤコブにあげてしまった。もうお前に渡すことは出来ない」。エサウは怒りに震え、ヤコブを殺害しようとする。
ヤコブは叔父のラバンの元へ行く。そこでラバンの娘・ラケルに一目惚れする。
「私にあの娘をください」ラバンは答えた。「いいとも、ただしここで7年働いたらな」。約束通り、ヤコブはラバンの元で7年働いた。
約束の7年後、初夜の床にいたのは、ラケルではなく彼女の姉・レアだった。ヤコブは憤慨した。「約束と違うじゃないですか!」ラバンは答えた。「まあ待て。ここの地域の決まりで、初めに結婚できるのは長女からなんだよ。もう7年働いてくれれば、ラケルをあげてもいい」
ヤコブは渋々、もう7年働いた。ヤコブはレアを疎んだ。レアに子ができないのを可哀想に思われた神はレアの胎を開かれた。レアとの間にルベン、シメオン、レビ、ユダ、イッサカル、ゼブルン、ディナ(娘)をもうける。
時が経ち、ヤコブはエサウと再会することになる。ヤコブは旅の途中、エサウの報復を恐れ、列の最後尾に居た。やがてペヌエルという土地へ来た頃、誰かに襲われた。ヤコブはその人と格闘した。ヤコブはその人を天使、神の御使いだと確信した。「あなたから祝福を受けるまでは離しません」と、ヤコブは意地になり、御使いへ取っ組む。やがて御使いはヤコブの腿の関節を外す。
「もうよいヤコブ。お前の勝ちだ。お前は神と格闘して勝ったのだ。これからは〈イスラエル〉と名乗るがよい」
ヤコブはここで、イスラエルとなった。
ちなみに天使と格闘した際、取っ組み合いの形になっていたことから相撲のルーツではないか?という伝説がある。あくまで伝説なので事実かどうかは不明である。
果たしてヤコブは、エサウと再会する。エサウは何十年ぶりとの弟の再会を泣いて、抱き合って喜んだ。数十年経つうちに、恨みはとうに消えていたのである。
ヤコブはその後エサウの部下と揉め事になり、別の移住地へ移る。やがてエジプトへ移住し、そこで没する。
のち、ヤコブの子供たちはイスラエル十二部族の祖となる。ヤコブ11男のヨセフが、のち創世記のキーマンになっていく。
関連タグ
ヤコブに由来する名称