概要
毛織物の原料、並びに食用、乳製品加工用に羊を育てる職業、またはそれに従事する者。
日本では地政的な条件が羊の飼育環境として適していない事や羊毛の需要の低さや仏教伝播による食肉文化の制限などの要素が相まってあまり発展しなかったが、中国大陸や地中海沿岸などでは主要な産業とする地域も多く、宗教的なニュアンスを含んでいることもある。
なお絵では先が特徴的に曲がった杖を持っている事が多いがこれは「シェパード・クルック」という西洋の羊飼い達が使っていた杖である。余談だが、羊飼いたちがこの杖で石を弾いてウサギの巣穴に入れる遊びがゴルフの起源である。
ユダヤ教の羊飼い
ユダヤ教では全能神に生け贄をささげるため、生け贄を育てる羊飼いの仕事は大切なものであった。
だが羊飼いに従事するものたちは四六時中羊の番をせねばならず、安息日に休むことができなかった。さらに常に羊と共にいるため獣臭さが体臭となり、人々から忌み嫌われている職業であった。
新約聖書において、イエス・キリストが生まれた頃に天の軍勢が羊飼いたちの元を訪れ、羊飼いたちへキリストのいる洞穴の方へ案内させたのは「イエス・キリストが差別階級にあった人々でも救われる」ということを表している。
別名・表記ゆれ
- シェパード/shepherd:犬のシェパードの由来
- シェパーデス/shepherdess:女羊飼い
- パストーレ/pastore:イタリア語。牧歌的な音楽を意味するパストラルの由来
- 牧童⋯これは牛飼いなども含む言葉。