概要
従来から、偶蹄目(ラクダ、キリン、イノシシ、ウシ、シカ、カバなど)とクジラ(イルカも含む)の間にはいくつかの共通点(気管支や胃の構造などの解剖学的共通点)が指摘されており両者は比較的近縁とみなされていた。しかし、この2つはあくまでも別カテゴリーで、進化において、まずは「偶蹄目の先祖」と「クジラの先祖」が分かれて、その後に「偶蹄目の先祖」がラクダやイノシシやウシやカバなどに分かれていったと考えられていた。
しかし、DNAなどの分析や化石の研究が進み、クジラとカバが進化の過程で枝分かれしたのは、ほかの偶蹄目とされてきた動物達と「クジラとカバの共通の先祖」が分かれた後であったと考えられるようになった。また、パキケトゥスがクジラとカバの分岐点にあたっていた事が判明した。
この「偶蹄目+クジラ」による新たなカテゴリー名は、仮説として付けられていた「鯨偶蹄目」が採用されている。
これを分類として採用する場合、旧来の偶蹄目は「クジラと近い動物のカバ」「クジラからやや遠いその他の偶蹄目動物」を含みながらクジラだけ外すという、カテゴリーとして役に立たない物になってしまうため、「偶蹄目」という分類は使えなくなる。
なおpixivでは、「偶蹄目」タグ自体が大雑把に感じられて使い勝手が悪いため、どちらにせよ大きな影響はないものと考えられる。普通の絵なら「それぞれの科・亜科」を使えばいいし、架空の動物なら単に「動物」「架空生物」などで構わないだろう。因みにトナカイは実在する動物だが飛行はしない。