概要
コートジボワールに住むバウレ族の、ゴリという伝統的な仮面舞踏に用いられる仮面の一つ。
四人家族である精霊の最年少の男子を表わし、太陽を表わしている精霊であるともされる。
この名で呼ばれる仮面にはいくつもの様式が存在するが、共通点としてバッファローやヤギのような2本の角を持ち円形の平面的な顔に、丸く小さな目、歯を食いしばった口を持っている。
舞踏においては前座として最初に登場し、ラフィアヤシの葉で作られた衣装を身にまとったプレプレの仮面をかぶった二人組の男が荒々しく踊った後、次に牛のような頭部の父もしくは兄ゴリゴナン、角の生えた年少女子パンプレ、女性姿の母もしくは姉のパンの順に二人組の踊り手が登場する。
神話によると北の大地からこの地にたどり着いたバウレ族の前に、沼の中から現われたゴリゴナン(ゴリグレン)が自分たちを象った仮面を作って、不幸なことが起きた時に踊るとよいと伝えたことがこの仮面舞踏の起源であるとされる。
なおこの舞踏自体は1900~1910年頃に、近隣の異なった語族であるワン族より伝わったものであることが知られており、この舞踏で唄われる歌の歌詞がワン族の言葉であることが証拠であるといわれる。