マフート
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まふーと
古代エジプトやオリエント地域の装飾に描かれる首の長い獣。
古代エジプトやメソポタミアの化粧石版や柱などに彫られている、首が蛇のように長いネコ科姿の幻獣。
普段は大きな虎のような姿であるが、獲物を捕らえるときには首が体長の3倍、およそ6mも伸ばす事ができ、その状態でガゼルなどの獲物を襲うとされる。
エジプト神話では特に登場エピソードは知られていないが、古代エジプトの狩りの様子を描いた石版などに描かれており、作家・草野巧によって紹介されて日本では知られるようになった。
近年のオカルト説では初期のエジプト王朝時代まで、首が長い獣が生き残っていた証拠であるとされる。
マフート(Makhdet)とは古代エジプトの司法権を司るイクニューモン(エジプトマングース)の女神マフデトの別名で、首が長い獣の本来の名前ではないとされる。
この装飾自体は英語でサーポパード(serpopard:蛇首猫)と呼ばれており、これはサーペント(大蛇)とレパード(豹)を組み合わせた近代の造語である。
図像は豹というよりは雌ライオンの特徴があり、首は蛇のように長いが鱗や二股に割れた舌は見られない。
考古学においてこの姿は、エジプト王朝に支配されない国外勢力の象徴(カオス)とされ、エジプト王がそのカオスを押さえつけ飼い慣らすことを願って彫られたものであると考察されている。
そのためなのかエジプトではこの獣が拘束されている姿や、他の動物を攻撃している様子が描かれており、それに対してメソポタミアでは生命力の象徴であり2頭セットで首を絡ませている姿が描かれているのだという。
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