概要
哺乳類・食肉目(ネコ目)・マングース科・エジプトマングース属に属する動物の総称。
体長18~65cm,尾12~53cm。体は細長く、四肢は短い。1本の毛には黒と白または褐色の縞模様があるため,全体としては霜降にみえる。外見はイタチに似ているが、瞳孔がヒツジのように横長に伸びるのが特徴。霜降りの灰褐色の毛に覆われる種が多いが、体色は変化に富む。
アラビア~インド、アフリカ、マダガスカルに分布。低地から高地、森林から低木林、サバンナから半砂漠まで様々な環境に棲む。昆虫、ウサギ、ネズミ、鳥、ヘビ、トカゲ等や果実も食べる。動作が素早く、コブラ等の猛毒を持つヘビをもよく捕食する。
日本での害獣化
沖縄県の奄美にてハブ対策で移入され、特定外来生物となったのは「フイリマングース」と呼ばれる。東南アジア、インド、中国南部、中東などを原産地とする。奄美大島では2018年5月以降捕獲されておらず一匹残らず殺処分され根絶されたと思われる。この功績は世界的にも前例の無い成果である。(なお、肝心のハブ対策はハブが夜行性、マングースが昼間に活動するという生息時間を把握していなかった人間の凡ミスで失敗に終わってしまった。後述の通り逆に害獣と化してしまい更に問題に。)
先ほど何でも食べると書いたが、あくまでマングース科全体の傾向にすぎない。この種類の主な餌は昆虫類で、ハブを獲る事は少ない。そのくせアマミノクロウサギやヤンバルクイナなどの絶滅危惧種を捕食してしまうので、現在は駆除対象である。
しかも毒に耐性がある訳ではなく、メイン画像のようにガチで毒蛇に噛まれれば死ぬ。マングースが毒蛇に食われることも珍しくない。当たり前だが、マングースにしてみれば、危険な毒蛇を襲う事は少ないのである。
同様の事態は、サトウキビ農園のネズミ類駆除が目的だった西インド諸島やハワイ諸島などでも起こっている。
その他
かつてはハブとマングースとの決闘ショーが行われていた動物園があった。
その後そのようなショーが禁止されてからは、海蛇とマングースが水泳で対決するショーになった。
主なマングースの仲間
余談
- 蛇を好んで食べる習性から、エジプト神話では豊穣の女神ウアジェトおよび処刑の女神マフデトのモチーフとなっている。
- チベットの毘沙門天はクベーラの名残が強い財産の神で、宝石を吐き出すマングース「ナクラ」をペットにしている。