概要
アフリカ南部で暮すズールー族に伝わる、30㎝ほどの大きさの小鬼のような姿の悪霊。
ティコロシェ、トコロシ、トコロッシュ、トコローシュ(Tikoloshe, Tokoloshe, Tokolotshe)やヒリ(Hili)などと称されることもある。
数百年ほど昔に族長に従わない悪童がおり、海辺に連れて行き彼が嫌う塩をかけたところ、醜い化物になって暴れたので殺されたものであるといわれている。
子供たちと遊んでくれることもあるが、鋭い爪で引っ掻いてくるなど乱暴である。
また夢の中に侵入する力も持ち、就寝中に突然死するのはこの悪霊の仕業とされ恐れられる。
使い魔として使役されることもあり、家に侵入して金品や食糧を盗んで術者のもとに運んだり、自身で消費したりするといわれている。
1994年の南アフリカの総選挙では、誰がどの党に投票したのかを、投票所の机の中に潜んだ各党に雇われた呪術師が使役するトコロシェが監視していたという都市伝説もある。
この悪霊を退散させるためには呪術医が用いる塩が有効で、身体や部屋に播いて清めたり、料理に使うことで追い払えると、現在では「スペシャル・トコロシェ・ソルト」という商品が地元商店で販売され大人気なのだという。
なお、この塩はピンクや赤、青で着色されており、ズールー族には王族を意味する赤が人気である。
また自分の身体を大きく見せると怯えて逃げていくといわれるので、寝る前や起きた時に大きく伸びをすることも有効であるとされる。