概要
アブトゥーとアネット(Abtu & Anet)とは、エジプト神話の太陽神ラーが乗る「太陽の船」が、正しい航路を進めるように先導する一対の聖魚で、墳墓の副葬品である葬礼文書『死者の書』の中にその存在と名が記述されている。
なおアネット(Anet)のほうが兄で、太陽神の敵対者である暗黒蛇アポピスらの攻撃に対抗する役目を持つ赤い魚であるといわれ、弟の黄金の魚であるアブトゥー(Abtu)の名は、昼の太陽の最終目的地である西という意味で、アポピスらに対し高らかに太陽神の怒りを代弁した警告を行い、同行する神々にも警戒を促す役目を持つ。
古代エジプトのヘルモポリスで崇拝されていたオグドアド(8柱の神々)はラーに対して、この2柱の聖魚の有能さについてを謳ったとされ、1月の3日と4日はこの聖魚を讃える日であったと伝わる。
創作での扱い
創作におけるモンスターのネタ本でもあるボルヘス著の『幻獣辞典』で紹介されている。
太陽神の使いということから、魚であるのに火属性のモンスターとして登場する作品がいくつかある。
また原典と同じく兄弟姉妹や、双子設定とされることもあるが、女性名でもあるアネットは採用されずアブトゥー単独であることも多い。
天界の門に侵入しようとする者を食い殺す、透明な巨大魚アブトゥーとして登場。五大元素短剣の光を当てないと姿を見ることができない。
『ファイナルファンタジー3』において浮遊大陸の全海域に、ファイア系魔法で攻撃してくる一本角の魚モンスター・アネットが、下の世界の海中全域に物理一辺倒の色違いの上位種アブトーが出現する。
先導役であるためにいつかはもっと早く泳ぎたいと思っている、額に太陽の模様を持ち、鰭が炎になった魚という姿で登場。
地空人のエージェントであったが、地上人の優しさを知り存続させようとする少女アネット(CV:岩男潤子)と、戦争を続ける地上人の野蛮さを知り絶滅させようとする少女アブトゥー(CV:井上喜久子)が登場。
金色のアブトゥーが登場。