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概要編集

タワー・オブ・テラーに登場する偶像。

その名はスワヒリ語で『災いを信じよ』を意味する。


後述する掟を守らなかった者に対して呪いをかけると言われている。

所有するものには初めは幸運が訪れるようになるが、徐々に災いが起きるようになり、ひどい場合は部族そのものをこの世から消し去ってしまうという。そのため部族から部族へとたらい回しにされ、ハイタワー三世が発見した際はコンゴのムトゥンドゥ族が所有していた。この偶像には古代の呪術師シリキの魂が憑依しており、偶像の一部にはそのシリキの遺骨(または遺体)の一部が使われているという噂がたっている。 また、この偶像の頭には無数の釘が打ちつけられおり、呪いを強く引き出す為だともいわれいる。

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この偶像を扱うには以下の細かいルールが存在する。

・火に近づけない

・ひたすら敬い、怖れる

・雨や風にさらさない

・屋内に置いてはいけない

・完全に覆ってはいけない

・埋葬したり、譲渡したり、捨てたりしてはいけない

このうちのどれかを一つでも破ってしまった場合、シリキ・ウトゥンドゥの怒りを買い、呪いをかけられてしまうという。

歴史編集

1899年の時点で、シリキ・ウトゥンドゥはアフリカのコンゴ川流域に住まう黒魔術を扱う部族として恐れられているムトゥンドゥ族によって守り神として祀られていた。

しかし、この偶像の掟を破ってしまった者は消息不明となっており、ムトゥンドゥ族はこの偶像を何としてでも手放したかったものの、掟により誰かに譲渡したり捨てたりする事ができず、偶像を手放すには誰かに盗んでもらうしか方法がなかった。


ハイタワー三世の奪取編集

ムトゥンドゥ族との接触編集

1899年7月16日、ムトゥンドゥ族の集落にハリソン・ハイタワー三世率いる探検隊が訪れる。ハイタワー三世ら一行はホテルハイタワーに展示するお宝を求めてアフリカを探検していたが、その収穫が未だにない状態だった。そんな折、この集落を訪れたハイタワー三世は祀られていたシリキ・ウトゥンドゥを一目見て気に入り、この偶像を買い取ろうと交渉するも失敗。業を煮やしたハイタワー三世は部下に武器を取るよう命じ祀られていた祭壇から偶像を奪う事を決意。ハイタワー三世率いる探検隊22人に対しムトゥンドゥ族は数百人。血みどろの戦いが起きることは必至のはずだった。しかし偶像を強奪する時もコンゴ川を下って逃げている間も追っ手は誰一人としてやって来なかった。そして、ムトゥンドゥ族の集落があるジャングルからは不吉で狂気じみた笑い声が響き渡っていた…。

同行していたハイタワー三世の執事アーチボルト・スメルディングはこれに違和感を覚え、何か不吉な事が起こると感じていた。


その後ムトゥンドゥ族は別の部族の襲撃を受け、壊滅。

偶像の呪いによるものなのだろうか…?


スメルディングの用心編集

偶像を強奪した一行は、様々な村で歓迎を受けた。

しかしどの村の人間も目の奥には恐怖の色が浮かんでおり、

偶像を恐れているかのように見えた。

1899年8月12日、最後に訪れた村でスメルディングはそこで出会った盲目のとある老人から、シリキ・ウトゥンドゥについて様々な事を学ぶ。その老人はシリキ・ウトゥンドゥを「緑のもの」と呼んで恐れていた。

その中で「偶像を譲渡したり捨てたりしてはいけない」という掟について聞かされたスメルディングは、あの時何故ムトゥンドゥ族が追ってなかったのかを理解する。


ムトゥンドゥ族はハイタワー三世が偶像を持ち去るように仕向けたのである。


老人は他にも呪術の方法を教えてくれたが、上手くいかないと自分にふりかかる危険なものだった。

最後に老人は「偶像の目に気を付けろ」とだけ言い残し、姿を消した。

偶像の目はいつも閉じたままだったので、スメルディングにはこの言葉の意味が理解できなかった。


翌日にスメルディングはこの話をハイタワー三世に話すも、彼は偶像を笑い飛ばし罵倒した。そのわずか数分後、ハイタワー三世らが使っていた一艘のカヌーに緑色の稲妻が落ちた。ハイタワー三世は気にしなかったが、スメルディングはこれが偶像の呪いによるものとしか考えられなかった。

そして、スメルディングは主人に偶像の世話は自分に任せるよう頼み込んだ。

自分が敬意と恐怖心をもって偶像を扱えば、決して呪いなど起こらないと信じながら…。


だがニューヨークへ帰還する船の中でハイタワー三世は、スメルディングの説得を無視し、「偶像を完全に覆ってはならない」という掟を破り、偶像を木箱にしまってしまう。その結果激しい嵐に見舞われるも、スメルディングが木箱から偶像を出したことにより嵐は収まった。スメルディングは偶像を前に、自分の主人がいかに素晴らしい場所に置こうと考えているかと、スワヒリ語で必死に訴えかけた。


忌まわしき事件編集

記者会見編集

1899年大晦日。ハイタワー三世は自身が所有するホテルハイタワーにてシリキ・ウトゥンドゥのお披露目パーティー兼コンゴ遠征帰還記念パーティー兼ニューイヤーパーティーを開催。その日の昼にホテルの書斎にてコンゴ遠征に関する記者会見が行われた。この時の会見でニューヨーク・グローブ通信の記者マンフレッド・ストラングからシリキ・ウトゥンドゥの呪いについての質問を受けるも、ハイタワー三世は「呪いの偶像だと?馬鹿馬鹿しい!」と一笑している。


ハイタワー三世の最後の姿編集

パーティー終盤になり、ハイタワー三世はホテルの最上階にある自分のオフィスに偶像を飾る為、エレベーターに乗り込む。その際にスメルディングからくれぐれも偶像に敬意を払うよう忠告されるも、ハイタワー三世はこれさえも嘲笑い、事もあろうか咥えていた葉巻を偶像の頭に押し付けた。



これが、失踪前に目撃されたハリソン・ハイタワー三世の最後の姿となった。








怒りと失踪編集

1900年元日0時丁度。ハイタワー三世がエレベーターに乗り込んでから15分後のことである。突如としてホテル内で停電が発生。会場に訪れていた客人はパニック状態に陥った。その時だった。ホテルが緑色の閃光に包まれ…



















 

 




















「な、なんだ?!その目は?!一体何なんだ?!」編集










































「シリキ・ウトゥンドゥの目が!!うわああああ!!」編集

シリキ・ウトゥンドゥ




























ハイタワー三世の叫び声と爆音が響き渡りホテルが眩い緑色の光に包まれたかと思うと、ハイタワー三世の乗っていたエレベーターが最上階から一階へと落下し大破。

壊れたエレベーターの中を執事のスメルディングとウェイターに変装していたストラングが覗き込む。しかし…
































ハイタワー三世は見つからず、シリキ・ウトゥンドゥと彼が被っていたトルコ帽だけが残っていた…。





その夜以来ハリソン・ハイタワー三世は消息を絶ち、ホテルハイタワーは営業停止・閉鎖。ニューヨーク市民からは「タワー・オブ・テラー(恐怖のホテル)」と呼ばれるようになる。



そして、廃墟と化したホテル内でシリキ・ウトゥンドゥを見たという話が後を絶たない…。


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