レナウン級とは、イギリス海軍の巡洋戦艦の艦級の一つ。同型艦はレナウンとレパルスの2隻である。レパルスは太平洋戦争の開戦直後に戦艦プリンス・オブ・ウェールズとともにマレー沖で沈められたことから、日本人にもなじみ深い。
イギリス海軍は、ともに30センチ主砲を持つ戦艦ドレッドノートと巡洋戦艦インヴィンシブルを対になるように建造したように、戦艦を建造したら、それをサポートする同レベルの巡洋戦艦を建造するようにしてきたが(ただし、巡洋戦艦の方が数は少ない)、38センチ級では、戦艦としては高速なクイーン・エリザベス級があったためか、巡洋戦艦は計画されていなかった。そこに、巡洋戦艦の生みの親であるフィッシャー卿が海軍のトップである第一海軍卿として再任され、彼の強い指示のもとに当時予定されていた戦艦R級(同型艦名がすべてRで始まる名前だったのでその名がある)のうち2隻の材料(と名前)を転用して建造されたのが本級である(同じ主砲をもつフッド級巡洋戦艦4隻も計画された)。
フィッシャー卿は「速力は最大の防御」という主張の持ち主で、その原点に戻ったせいか、主砲は38センチ砲連装3基6門と有力だったが、垂直防御は15.2センチと、2クラスも格下なインヴィンシブルと同等のものしか持たなかった。しかし速力は31.5ノットと極めて高速である。
ユトランド沖海戦で巡洋戦艦の紙防御があからさまになったので、改造でいくらか改善はなされている。
第二次世界大戦では、ともにスピードのある大型艦として随所に活躍したが、フッドのように敵主力艦と交戦して弱点を晒すことがなかったのは幸運といえるだろう。レパルスは先述のとおりマレー沖で航空攻撃に沈んだが、レナウンは大戦終結まで無事に生き延び、退役した。