高速戦艦
こうそくせんかん
中でも、第一次世界大戦頃、提唱されたものを指す。
この頃は、急速な技術発展に伴い、25~30ノット程度の高速を出せる巡洋戦艦が登場していた。また、戦艦自身も超弩級戦艦時代を迎え攻撃力と防御力を急速に高めていた。だが、攻防走の3要素を1隻に兼ね備えるのは難しく、巡洋戦艦は攻・走の2要素は満たしても防御力が乏しく、戦艦は攻・防の2要素は満たしても鈍足だった。
このため、大戦で実戦になってみると、巡洋戦艦は戦場に駆けつけることはできても被害が大きく(轟沈したものも出た)、一方戦艦は後ろでノロノロしているばかりと、どちらも欠陥が露わとなった。
こうして、やはりなんとか攻防走全て満たす必要があると考えられたのが高速戦艦である。
イギリス海軍のクイーン・エリザベス級(15インチ砲8門・25ノット)を嚆矢とし、日本の長門型戦艦(16インチ砲8門・26.5ノット)、防御力を大幅強化した巡洋戦艦フッド(英・15インチ砲8門・30ノット)が続いた。
この後、戦艦の建造は軍縮条約のため中断されることになるが、条約明けに建造された、いわゆる新戦艦は、ドイツ海軍のビスマルク級、フランス海軍のリシュリュー級、イタリア海軍のヴィットリオ・ヴェネト級、アメリカ海軍のアイオワ級等30ノット越えが多く、スピードが遅かったとしばしば言われる日本の大和型戦艦(18インチ砲9門・27ノット)でさえ、第一次大戦頃の基準で言えば高速戦艦である。
また、戦艦建造休止期間中は、新型で置き換えることができないため、代わりに列強各国は既存の戦艦の改造強化に励んだ。中でも日本の金剛型は2度の大改装の結果14インチ砲8門・30ノットとなり、普通の戦艦とは違って、小柄で俊敏な巡洋艦や駆逐艦と肩を並べて行動できるということで、日本海軍内部では特に「高速戦艦」という用語を使って金剛型の代名詞とした。
戦艦の中で、速力が「高速」になっている艦を指す。
「艦隊これくしょん」のマップの中では、ルート決定に「艦隊の速力が高速で統一されていること」が要因となるものが幾つか存在する(例:5-3など)。「艦種が戦艦で、かつ速力が高速」というのは、こういったマップで艦隊戦力の中枢として攻略の命運を握ることになる。
性能面でも、大和型を除く(アイオワに至っては大和型も含む)他の戦艦娘にまったく引けをとらないどころかそれを上回っている部分も多い。
高速戦艦は九一式徹甲弾を装備できない、低速戦艦は探照灯を装備できないと区別されていた時期もあったが、現在はいずれも装備できる。
現在は、金剛型4隻、ビスマルク、ヴィットリオ・ヴェネト級2隻、アイオワの合計8隻が該当する。
ただし、「高速戦艦」という呼び方は便宜上のものであって、ゲーム上での艦種の表示は(速力が低速の戦艦と同じ)「戦艦」である。