ここでは『艦隊これくしょん』に登場する大和型について扱う。
史実での大和型については「大和型戦艦」を参照のこと。
概要
言わずと知れた超弩級戦艦『大和型』をモチーフとした戦艦姉妹。2018年2月現在、大型艦建造を用いることでどちらも入手が可能。絵師はしずまよしのり氏が担当している。
性能
長門型と比較しても一線を画する火力と装甲を誇り、連撃装備として主砲を2個積むだけでも同航戦のダメージキャップを上回ってしまう圧倒的な砲撃戦能力を誇る。
2017年3月のアップデートで火力キャップが緩和されたため、その大火力を持て余す事は少なくなった(深海棲艦・演習相手側も緩和されているので、大和型にとっては装甲の優位性が低くなり不利になったとも取れる)。
夜戦においてはダメージキャップの上限が上昇するため、雷装値が0であることなど知った事かとばかりに火力だけで夜戦火力の向上を実現してしまう、昼夜問わず最高クラスの破壊力の持ち主である。
初期装備も、46cm三連装砲(しかも改まで考慮に入れると2個である)、高性能副砲である15.5cm三連装副砲、これまた高性能水上偵察機である零式水上観測機、と豪華なラインナップになっているなど、まさに艦隊戦の花型に相応しい性能・装備を備えている。
一度動けば燃料弾薬を壮絶に消費するところまで再現されており(下記参照)、史実同様の「大和ホテル」・「武蔵御殿」化を危ぶむ声もある(※ただし現実の大和型はここまで極端な燃費ではない。むしろホテル・御殿化させるためのゲームバランス上の措置と見るべきか)。
燃費はまだ艦隊に駆逐艦等を編入することで軽減できるが、かすり傷でも三桁の鋼材を修理に要求、高耐久の裏返しである長い入渠時間は、常用するには辛いものがある。
…まあ、本艦型を運用するほどのレベルの提督であれば備えは十分かもしれないが、基本的にはここぞというときの決戦戦力として運用されることが多い。逆に言うと、イベント海域などでは長門型以下の下位の戦艦を使い長引くよりも、大和型の高性能を以て速やかに突破したほうが最終的な消耗を抑えられるという場合もある。
修理のリスクが発生しない演習においては簡単に調達できる燃料・弾薬以外のリスクが発生しないため、演習でレベリングを行う提督が非常に多いこと、特に演習関係のS勝利必須遂行任務中や低レベル艦のレベリング中に高練度の大和型艦隊に出くわすと装甲が抜けず苦戦する事もあってか「演習番長」の異名を持つ。
2期アップデート後、かつて戦艦と空母の独壇場であった2-4では中~小型艦を一定数起用しないと羅針盤が荒れるようになり、3-4では水雷戦隊或いは擬似空母6隻編成(正規空母2、軽空母2、水上機母艦1、由良改二or多摩改二が有効な戦術となり、4-5では高速+ルートが主流となる(武蔵改二であれば高速+しつつ主砲2水上機での弾着観測射撃を維持しつつ自前の火力で港湾棲姫や随伴艦を撃破が可能)等『低速の大型艦』を大手を振って使える場所は減ってしまい「演習では使っても使われても強い(中破していても並の空母・巡洋艦程度はワンパンで吹き飛ばしてしまう)が、実戦では燃費の悪さから来る取り回しの悪さ、特効や敵側の大火力・高装甲によるステ上の高火力・高装甲の優位性の薄さから採用が見送られてしまい、結果使われずに終わってしまう」という立ち位置におさまる事も少なくない。
他の低速戦艦と異なり「缶+タービン」を用いた「高速化」に際して、自身の基礎能力の高さで徹甲弾が装備出来ないハンデはそこまで気にならないという面はある。また武蔵改二は5スロットを有する為補強増設を用いて容易に高速+化が可能であり、4-5で運用する主力戦艦の1隻に選ばれている。
ただ、艦これにおいては史実ほど耐久・装甲に優位性はない。このゲームにおいてはダメージ計算式の関係上4inch砲や12㎝砲でも46cm砲弾にも耐え得る装甲が貫徹できてしまう。
未改造の時点でも他の戦艦の追随を許さない性能である為、改二の実装はかなり先になると思われていたが、2018年2月17日、決戦の火ぶたが切って落とされると同時に武蔵改二が実装された。
低速である事も相まって一概に大和型が「最強」とは言えず、期間限定イベント海域においても大和型がついに出撃することなくイベントを終えてしまう提督も少なくはない。
むしろイベント海域後半になると敵の火力・装甲が高すぎて、攻撃面では大和型の火力を以てしてもなお特効がなければ装甲を思うように抜けず火力不足、防御面では不利・反航戦でも昼戦キャップ(220)オーバー火力の応酬で受けきれないという方が増え、結果「やられる前にやる」特殊砲撃や、特効艦のキャップ後倍率補正火力の採用が優先されるようになってしまい、純粋な火力値の高さや装甲値の高さが最大の持ち味である大和型を採用する動機そのものが薄くなってしまっている。最も海戦に参加した機会が少ない大和型では現環境へ適用させにくい部分はある。
また、超長射程である特性も、一斉射やネルソンタッチ等のビッグ7の特殊砲撃を使う際には少なからずデメリットとなる場合もある。特殊砲撃の前に大和型の砲撃が割り込んでしまい、その間に旗艦が無力化されてしまう可能性が発生してしまうからである。
低速であるデメリットに関しては補強増設にタービンを載せ1スロに缶を積む事で解消できるものの、徹甲弾による火力を捨てる事になり、増設しなければ弾着観測射撃そのものを捨てる事になる為、現状ではハンデを覆せるほどのメリットがあるとは言い難い。
しかし武蔵改二であれば自前で5スロットを有する為補強増設と合わせる事でデメリット無しで高速化が可能となった。
2018年4月6日のアップデートで「大和改」「武蔵改」「武蔵改二」の補強増設へ副砲カテゴリーの「10cm連装高角砲改+増設機銃」及び「10cm連装高角砲(砲架)」が装備可能となった。特に前者と対空電探との組み合わせで対空カットインが発動する為、「主砲+副砲+徹甲弾+水上偵察機+対空電探」で主副カットインに徹甲弾の補正を電探で強化する事が可能となり、武蔵改二であれば更に他に主砲や三式弾・水上戦闘機が搭載可能と元からの大火力を生かしての戦術の幅を取れるようになった。
艤装
艤装の配置は長門型に近いがあちらと比べて重武装である。
腰の煙突基部から船体を2つに割ったような装甲が体を回りこんで両側に展開。その装甲の根本にz軸回転可能な46cm主砲を1門ずつ装備し、装甲の先端上部と外側面に15.5cm副砲を装備する。3門目の46cm砲は取り付け位置が二人とも違っており、大和は煙突後方に固定装備し、武蔵は腰のアタッチメントに手持ち型を装備している。
改装を行うと1944年に行われた対空強化改装後の姿となり、外側面の副砲2門がシールド付きの12.7cm連装高角砲6門に変更される。加えて大和には、主砲上部に25mm三連装機銃が追加される。
どれぐらい食べるのか
1戦当たりの消費燃料・弾薬量を比較してみよう。
艦種・艦名 | 消費燃料 | 消費弾薬 |
---|---|---|
潜水艦(代表:伊58改) | 2 | 5 |
駆逐艦(代表:初春改) | 3 | 4 |
軽巡洋艦(代表:五十鈴改) | 5 | 6 |
重巡洋艦(代表:鳥海改) | 8 | 14 |
正規空母 赤城改 | 15 | 15 |
正規空母 加賀改 | 16 | 16 |
戦艦 榛名改(金剛型) | 18 | 24 |
戦艦 陸奥改(長門型) | 20 | 26 |
戦艦 Bismarck drei(ビスマルク級) | 22 | 31 |
戦艦 Italia(ヴィットリオ・ヴェネト級) | 28 | 34 |
潜水艦イオナ(コラボ艦艇) | 30 | 30 |
重巡洋艦タカオ(コラボ艦艇) | 35 | 40 |
戦艦 アイオワ改(アイオワ級) | 40 | 55 |
戦艦ハルナ(コラボ艦艇) | 40 | 55 |
戦艦 大和(大和型) | 50 | 60 |
戦艦 武蔵改二(大和型) | 55 | 70 |
おわかりいただけただろうか。 おかわりはいただけるだろうか?
それまで最高だった長門型の2倍強というとんでもないコストであることが。さらに言えば、年末年始のイベント海域で資材をごっそり持って行った霧の艦艇たちよりもコストは重い。武蔵改二では更に悪化
霧の艦が使えた頃は弾着観測射撃も徹甲弾による火力補正もなく、低速であった為当時の最深部海域・5-3で不利を被る等、超重力砲(艦これでは最大3体への複数攻撃)を使えるハルナと比べほとんど優位性がなかった。実在した船の擬人化である艦娘と、実在した船と同じ形をしているだけに過ぎない架空の兵器との違いが大きく出ていると言えるだろう。
大和型を動かすという事は駆逐艦15人を動かすという事や、大食艦の赤城を3人同時に動かすという事と同等以上。動かすだけで駆逐艦建造(最小)コストにおつりが来る。ひえー!!。
もし大和型が大破した場合、その修復に必要な鋼材と燃料の消費量は……
鋼材 約1100以上
燃料 約600以上
修理資材だけで重巡洋艦が三隻作れるほどのコストが発生する。
もっと平たく言うと、大破1回の修理で半日分の燃料と1日分の鋼材が吹っ飛ぶ。
(正確には燃料は自然回復量の10時間分以上、鋼材は自然回復量の18.5時間分以上)
そりゃ赤城さんもこんな顔になりますわ。
姉妹揃えて運用すると資源がマッハで消費してしまうのは間違いないだろう。
ケッコンカッコカリで消費資材が低減されるが、15%の割合減少であるため大和型が最も減少資材量が大きい。しかしそれでもまだ長門を大きく上回るため、大和型にとってケッコンカッコカリの恩恵は大きいが他の艦娘のアドバンテージをひっくり返すほどではない。
なにしろ元が倍以上であるため、15%低減したところで、長門型から見ても70%増の燃費なのである・・・
ただし費用対効果を考えると必ずしも無駄飯食いということもできない。一部の地上施設姫に対する与ダメージ量は三式弾なしで三式弾装備の金剛改二に匹敵すると言えばその威力がお分かりいただけるだろうか。素の夜戦火力は木曾改二を凌ぎ大井改二・北上改二に次ぐ。
また装甲も長門型以下では中破以上不可避の攻撃(たとえば“テレサ艦載機”)を受けても小破どまりであることが多い。そのために「ボス戦までに大破撤退させられる確率」は大幅に下がり、仮に中破まで追い込まれていても取り巻き程度の掃討なら問題なく行ってくれるため、撃破までのトータルの消費資源は長門型以下を運用する場合と大差はなく、試行回数に至っては格段に下回ることが多い。
実際積極的に大和型を運用しているがゆえに資材不足という提督はあまりいないようである。
(むしろ逆の声が多い)
ちなみに姉妹艦だが、上着とスカートのデザインくらしか共通性がない。
艦娘
実装済
大和
優雅で大和撫子然とした一番艦。
だが子供っぽいところも多く、見た目に反しては性格は歳相応。妹いわく恥ずかしがり屋らしい。
季節ボイスの追加で面倒見のいい「武蔵の姉」な姿も見られるようになった。なお季節にちなんだ料理を「烹炊所フル活用」して振舞う姿が定番になった模様。2022年に大和改二(高速化戦艦)大和改二重(低速・航空戦艦)のコンバート改装が実装された。
武蔵
姉とは対照的に豪快で野生的な二番艦。
性格も男前で、線の細い姉をフォローしたり、イジったりしている。
しかし公式絵では大和に髪を結って貰う場面で頬を赤らめたりと、妹らしい一面も除かせる。
2018年冬期イベントにして艦これ1期最後のイベントとなる『捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(後篇)』に合わせて「改二」が実装され、艦これ史上初の「第5スロット」を持つ戦艦へと変貌した。
同時に時報も更新され、質実剛健ながらも日本戦艦中最年少なのを感じさせる少し子供っぽい姿も見られる様になった。
未実装
信濃
未だ未実装の三番艦。
2013年10月時点で「既にデザインもアップしており就役スタンバイ中」となっていた。
(イラストは、『提督の夏休み。』『提督の冬休み。』に収録された、信濃ではないかとされている艦娘のイラスト)ものの、以降5年以上に亘って未実装のままである。また、仮に実装された場合でも史実の信濃が空母として進水している事から、大和型戦艦としてではなく別型空母として実装される可能性も高い(別艦種から改装で空母に転身する例も軽空母に3例あるので、信濃も改装によって戦艦から空母に変化する可能性はなくもないが)。
余談
しずま氏によると、二人のデザインはそれぞれの艦内神社の祭神である天照大神と須佐之男尊をモチーフにデザインしているとのこと。
関連タグ
1番艦:大和(艦隊これくしょん)/大和改二↔大和改二重
2番艦:武蔵(艦隊これくしょん)/武蔵改二
3番艦:信濃(艦隊これくしょん)
未実装でありイラストは全てオリジナル艦娘となる。
未成の四番艦。建造が進み始めた直後に建造中止が決定され、命名すらされる事なくそのまま解体されてしまっている。
進水すら済ませていない為艦これの設定上実装される可能性は「0」に等しい。