概要
旧大日本帝国海軍が編制した部隊。
軽巡洋艦を旗艦として複数の駆逐艦(通常二個~四個駆逐隊)からなり、主力戦艦部隊や輸送部隊の護衛を主任務とし、司令官は基本的に少将が任じられた。
太平洋戦争開戦時にはメイン画像の各艦を旗艦とする六個戦隊が存在した。
夜戦バカと並ぶ水雷バカを極めた日本海軍のさらにその精粋を極めた面々。
つまり世界史上最強クラスの雷撃戦闘集団である。
なお、旗艦名ともども海上自衛隊にもその遺伝子は引き継がれているとかなんとか。
「艦隊これくしょん」にちなんだ解説
ブラウザゲーム「艦隊これくしょん」に参加した艦艇を中心に解説していく。
第一水雷戦隊
太平洋戦争開戦時は第一艦隊、1943年4月1日以降は第五艦隊に所属。主力戦艦の護衛が任務であり、二水戦や四水戦と比べると、やや旧式の駆逐艦で構成されている。
本来は戦艦部隊の護衛だが、実際には空母機動部隊の護衛に貸し出されることが多かった。
艦これでも屈指の人気を持つ暁型こと第六駆逐隊、一航戦・五航戦と縁が深い第七駆逐隊、レア艦まみれの第十七駆逐隊、初期から実装の初春型こと第二一駆逐隊はここに所属していた。
編成任務で1944年に戦時編成制度が改定された後の阿武隈・第七駆逐隊の曙、潮・第十八駆逐隊の霞、不知火の5隻で編成される任務があるが、艦これ二次創作では殆どネタにされない。
電は出撃前に「第一艦隊、第一水雷戦隊、出撃します」と言っているが、第六駆逐隊は「水雷戦隊クロニクル」や「一航戦、出ます!」などで後述の「第十一水雷戦隊」の編成を軸にした艦これ名物天龍幼稚園のイメージが強い。
ほか、戦中所属していた駆逐隊は第二七駆逐隊、第二四駆逐隊、第九駆逐隊。
開戦時編成に限れば、2023年3月1日の27駆夕暮実装で四水戦に次いで3番目に開戦時スタメンが出揃った。戦中編入艦も当時9駆(開戦時12駆)の白雲が2023年8月に実装され、五水戦・四水戦に続き三番目に前所属艦が集結した。
第二水雷戦隊
別名華の二水戦。
第二艦隊の重巡部隊と合わせて、前線部隊として最新鋭かつ最強の駆逐艦が投入され続けた。
時期 | 旗艦 | 所属駆逐隊 |
---|---|---|
開戦時 | 神通 | 8駆/15駆/16駆/18駆 |
42.4 | 〃 | 15駆/16駆/18駆 |
AL/MI後 | 〃 | 15駆/24駆+31駆 |
43.5 | 〃 | 24駆/31駆 |
43.7 | 長良 | 24駆/31駆+27駆 |
43.8 | 能代 | 24駆/31駆/27駆+32駆+2駆(再編)・島風 |
44.11 | 矢矧※ | 2駆+7駆/21駆+17駆/41駆 |
45.3 | 矢矧 | 7駆/21駆/17駆/41駆 |
※実務は霞・大淀等が45年2月まで務めている。
2023年春イベ終了時点での未実装艦は15駆夏潮、31駆大波・清波の3隻。
第三水雷戦隊
一水戦同様、戦艦部隊の護衛を任務とした水雷戦隊。
太平洋戦争開戦時の主な任務はマレー・ジャワ西方の船団護衛。
吹雪型で構成された第十一駆逐隊、吹雪型と綾波型混合編成の第十九駆逐隊や綾波型霧級4隻からなる第二十駆逐隊、叢雲の元々の所属第十二駆逐隊などが所属。
川内戦没後は第六水雷戦隊の夕張や第五水雷戦隊の名取が三水戦の旗艦を務めた。
2023年春イベ終了時点での未実装艦は12駆東雲、20駆朝霧・夕霧の3隻。
第四水雷戦隊
ポジションは第二水雷戦隊と同じだが、第二水雷戦隊よりも旧式の艦が多く任務も輸送と護衛が主。
太平洋戦争開戦時の主な任務はフィリピン・ジャワ東方の船団護衛および掩護。
主な駆逐隊は、白露型で構成された第二駆逐隊・第二四駆逐隊、朝潮型で構成された第九駆逐隊、陽炎型で編成された第四駆逐隊。
後に那珂ちゃんの後を継いで由良、長良が旗艦を務めた時は、第二七駆逐隊の白露と時雨らも合流している。(由良改二実装以降、四水戦旗艦の役回りは由良が引き受けることが多くなっている)
また、【艦これ】恋の2-4-11に観客コールをつけてみた【フルカオス】では、村雨、夕立、五月雨、舞風、涼風、朝潮の順番で四水戦メンバーがコールされる箇所がある。
4コマ漫画では那珂を中心とした「四水戦のポーズ」が存在するが一部の駆逐艦を除き不評なようである。
アンソロ「横須賀鎮守府編5巻」の表紙では、第二駆逐隊の友達である夕立と五月雨が腕を組んでる所をかわいらしく見守る那珂ちゃんの姿が有り、ファンにならざるを得ない。
だが横須賀アンソロで那珂ちゃんが表紙にしゃしゃり出るのはいつもの事で、別に五月雨と夕立が四水戦の所属だからではなかった。
2022年夏イベでの第九駆逐隊夏雲実装により開戦時スタメン全艦が、2023年3月1日の27駆夕暮実装により戦中全艦実装2番手となる。
第五水雷戦隊
太平洋戦争開戦時は南方攻略およびフィリピン・ジャワ西方の船団護衛・掩護を担当。
攻略完了後の再編で解隊。第三水雷戦隊へ移行する。
旗艦は名取 後に第三水雷戦隊の旗艦も務める。
所属駆逐隊は、2代目神風型で構成された第五駆逐隊や皐月、文月、長月、水無月が所属する第二二駆逐隊。
艦これにおいて所属駆逐艦であった2代目神風型の実装が遅かったこともあり、話題に上る機会も少なかった。五水戦の個別記事が出来たのも六つあった水雷戦隊では最後である。しかし2016年春イベント以降の神風型の集中実装、2016夏イベントでの水無月の実装そして2017年夏イベントでの旗風の実装により六つある水雷戦隊の内、開戦時編成の再編を最初に完了した水雷戦隊となった。
第六水雷戦隊
太平洋戦争開戦時は内南洋防衛およびウェーク島上陸の掩護を担当。
海上護衛隊にも改編されている。
旗艦は影の対潜番長、夕張。
参加駆逐隊は第二三駆逐隊、第二九駆逐隊、第三十駆逐隊。
南方での海上護衛を主要任務としており、のちに第二海上護衛隊に改編された。
なお卯月は後に第三十駆逐隊に編成される。
艦これにおける睦月型は性能が旧式ゆえに弱めに設定されているが燃費が良いため、遠征には持って来いである。
夕張も改装前は燃料の燃費が良いため、遠征チームとして編成するのもありだろう。
また4コマ「吹雪、がんばります」の卯月・弥生の登場回では、第三十駆逐隊の再結成に対して夕張が反応を示す展開もあった。
2023年春イベ終了時点での未実装艦は29駆の疾風・追風・朝凪・夕凪の4隻。
第十戦隊
一航戦付属の護衛部隊。
だが軽巡が駆逐隊を率いるという点では水雷戦隊と共通点が多いため、こちらで解説する。
その特徴から搭乗員は水雷戦より対空戦を鍛えており、また主任務は墜落したパイロットを救助する「とんぼ釣り」である。
しかし実戦では戦局が追いつめられたことで水雷戦や護衛任務を中心に行って真価を発揮できなかった。
また編成されてから行われたミッドウェー海戦では、赤城・加賀・蒼龍・飛龍が全滅するという惨劇もあり、護衛すべき空母を雷撃処分しなければならなかった悲運の部隊でもある。
ミッドウェー海戦当時の旗艦は長良。
その後は阿賀野、秋月、矢矧と引き継がれ、「最後の第二水雷戦隊」へ統合される。
4コマでは阿賀野の所属部隊としてネタにされていた。
主な参加駆逐隊は、舞風の所属する第四駆逐隊や同じ陽炎型の第十七駆逐隊、第十六駆逐隊、夕雲型中心の第十駆逐隊、秋月型の第六一駆逐隊、第四一駆逐隊。
また一航戦のトンボ釣りをしていた第七駆逐隊の曙、潮、漣も名目的には所属している事もあった。
なお翔鶴は轟沈時に、マリアナ沖海戦で救助してくれた秋月や矢矧に後の事を託す旨の発言をしている事から第十戦隊への仲間意識はあると思われる。
公式四コマでは触れていたものの、長らく阿賀野旗艦時代の第十戦隊に触れる艦はいなかったのだが、2017年秋イベントで実装された涼月の時報中で、第十戦隊旗艦、阿賀野に触れている。また、第十駆逐隊風雲や第四一駆逐隊冬月※も時報中矢矧に言及する。(※但し、冬月の場合は編入後の二水戦の旗艦も矢矧である)
第十一水雷戦隊
練成部隊として編制。
夕雲型の後期型(玉波以降)や島風、そして秋月型や松型などの編入を行い、訓練を行った。
主な旗艦は龍田
主な所属艦は第六駆逐隊の雷、電、響。
だが艦これでは天龍や暁も含めて艦これ名物天龍幼稚園のイメージが強い。
龍田が沈んだ後は長良が引き継ぐ。
錬成部隊であるため、旗艦と編成は軽巡と駆逐艦にとどまらず、一時期は航空戦艦に改装された伊勢・日向なども所属したことがあり、日向は戦艦でありながら、この水雷戦隊の旗艦を務めていたこともある。
そして松型の駆逐艦達と共に、矢矧率いる第二水雷戦隊が死地へ赴いた後に残された「最後の水雷戦隊旗艦」こそ酒匂である。
関連タグ
第一水雷戦隊 第二水雷戦隊 第三水雷戦隊 第四水雷戦隊 第五水雷戦隊 第六水雷戦隊
不知火(艦隊これくしょん):「すいらいせんたん、出撃します!」