第三水雷戦隊とは、かつて大日本帝国海軍に存在した水雷戦隊の一種である。
略称は三水戦。
太平洋戦争における第三水雷戦隊
当初の太平洋戦争開戦時は第一艦隊に主に所属しており、戦艦などの護衛を行う事が多かった。
川内型軽巡洋艦一番艦の川内を旗艦としており、吹雪型と綾波型で構成された駆逐隊を主体に据えていた。漸減部隊の第二水雷戦隊・第四水雷戦隊に比べると比較的型落ちの水雷戦隊となる。そのため二水戦からは「格下」扱いされており見下されていたという。
役割は常設隊である第一水雷戦隊と同様。1943年4月1日には南東(ソロモン海域)方面を担当する第八艦隊に編入。1942年2月12日には一時的ではあるが由良と第五潜水戦隊を加え、マレー方面において通商破壊戦や、マレー作戦や蘭印作戦における陸軍の護衛や輸送を行っている。
また川内が沈んでからは天霧を経て夕張が旗艦になり、睦月型を指揮する事もあった。
夕張沈没後、夕月によって三水戦司令部はサイパンに送られた。この頃三水戦はサイパン島の戦いにおいて護衛として参加しており、司令部も一時陸上より指揮を取っていた。しかしマリアナ沖海戦を経てサイパンは孤立、最終的には同島に置かれていた他隊司令部と同様に三水戦司令部も玉砕を迎える事となった。尚、夕張沈没以降の三水戦の旗艦には書類上名取が当てられていたが、実際には乗艦前に玉砕となった事から名取に三水戦司令部が置かれる事は一度もなかった。
司令部の全滅した三水戦であったが、幸いにして兵力の大半と艦艇は残存していた。この時連合艦隊では三水戦司令部の再建と同時に折からの米軍潜水艦部隊による通商破壊に対処可能な対潜掃討専門部隊の編制が望まれた。そこで、第三水雷戦隊残存戦力に松型と海防艦、零式水上偵察機部隊を編入、1944年8月20日に第三十一戦隊へと改編された。
「艦隊これくしょん」における第三水雷戦隊
主に川内としばふ氏の担当した特型駆逐艦の集合ネタとして少しネタにされる事があった。
しかし2015年までは第二水雷戦隊に比べると地味な扱いであったが……。
アニメにおける第三水雷戦隊
アニメ版艦これの主人公である吹雪の所属水雷戦隊として登場。
しかし川内だけでなく史実では三水戦に所属しなかった那珂と神通、そして睦月と夕立も三水戦所属となる。
つまり史実の太平洋戦争とは少し違った6隻編制の「艦これ」独自のオリジナル水雷戦隊編制である。
(艦これメディアミックスにおける「オリジナル編制」としては他にノベライズ「陽炎、抜錨します!」の第十四駆逐隊が存在している)
アニメで第三水雷戦隊がフィーチャーされている理由は主人公の吹雪が史実の太平洋戦争で所属していたのが三水戦だったことに付け加えて
- 第一機動部隊(空母機動部隊)
- 第二支援艦隊(戦艦部隊)
- 第三水雷戦隊
- 第四偵察部隊(偵察部隊・1話時)/第四水雷戦隊(3話時)
と四つある艦隊の中で「水雷戦隊として編成された第三艦隊」というニュアンスも読み取れるかもしれない。
第五話冒頭時点で他の部隊ともども解体されたが、劇場版にて川内を旗艦として再編成されている事が判明した。
アニメ版三水戦の構成メンバー
第五話冒頭時点までのメンバーを記す。
ちなみにこの6名は「アニメ艦これにおける第三水雷戦隊」であり、吹雪と川内以外は太平洋海戦当時に三水戦に所属していたわけではないので注意が必要。
アニメ版の主人公。
なお「史実における第三水雷戦隊」でも白雪・初雪・叢雲などと共に第十一駆逐隊として参加していた。4コマ「吹雪、がんばります」でも川内との三水戦の絡みがある。
アニメ版においては第1話が初陣で窮地に陥っていたが、赤城や提督の励ましによって一航戦の護衛としてなるよう頑張るように決意を固める。
アニメ版においては吹雪の友人の一人にして第三水雷戦隊の一員。
史実では夕張率いる第六水雷戦隊に所属していて第三水雷戦隊に所属した事はない。
(ただし睦月が沈んだ後に夕張と睦月型の第三十駆逐隊が三水戦にスライドした事はある)
第三十駆逐隊の僚艦である如月との交流もあるようだ。
基本的にアニメ版では他の駆逐艦はちゃん付けで呼ぶ。
天然っぽい所はあるが、アニメ版では夕立に押されて突っ込みポジションを担いがち。
ブラウザ版と違いエキセントリックな人格ではなく、面倒見がよく思慮深い常識人となっている。
吹雪ほどではないが実戦経験があまり豊富なわけではない。
アニメ版においては吹雪の友人の一人。
史実では那珂率いる第四水雷戦隊に第二駆逐隊として所属していて第三水雷戦隊に所属した事はない。
ブラウザゲームではソロモンの悪夢の異名からの日本駆逐艦の最大火力を誇る夕立改二の印象が強いがアニメ版は当初は実戦をあまり経験した事がない新兵として登場。
だがフリーダムなぽいぬっぷりは健在であり吹雪や睦月達を振り回す。
史実でもアニメ版艦これでも三水戦に所属している。
しかしアニメ版艦これでは妹2隻と上述の駆逐艦3隻と共に「第三水雷戦隊」を結成する(ただし旗艦任務は何故か神通になっている。)
劇場版においてもアニメ版のメンバーの中ではただ一人引き続き三水戦に在籍。神通の異動に伴い三水戦旗艦となった模様。
艦これではお馴染み夜戦馬鹿っぷりを見せる。
なお彼女に限った事ではないが、アニメ版の川内型は改二になる前の姿で登場。劇場版にて改二の姿になった。
史実では主に「第二水雷戦隊」に旗艦として所属していた。
しかしアニメ版艦これにおいては当初は姉や妹と共に第三水雷戦隊として参加している。
またアニメ版三水戦においては史実と違い旗艦として指揮を下す。
暴走しがちな川内や那珂、まだ経験が薄い吹雪達のフォローに回るなどゲーム中で秘書艦にした時に見せる気弱な側面が印象に残るものの判断力は高く旗艦としての仕事を行っている。
劇場版では新設された二水戦旗艦として登場。
史実では主に白露型や朝潮型と共に「第四水雷戦隊」に旗艦として所属して、たまに「第二水雷戦隊」を預かっていた。
しかしアニメ版では姉2隻と共に第三水雷戦隊から始まる。
三水戦でもセンターを務め、海戦時でも出来る限りアイドルっぽく振る舞おうとする。
また睦月などの駆逐艦は目上艦種の川内や神通、赤城らの事は「さん付け」か「先輩」呼称だが、那珂に関しては睦月らも「那珂ちゃん」と呼んでいる。
劇場版では四水戦旗艦として登場。
ゲームにおける第三水雷戦隊
上記の通り、ゲームにおいてもほとんど話題に上がってなかった第三水雷戦隊だが、阿武隈が2015年初夏限定ボイスで、速吸が時報で川内の事を「どこかの三水戦」「三水戦の人」と話題にするようになった。
その後、突入!海上輸送作戦にて限定ボイスで遂に川内の口から「三水戦」の言葉が登場した。
「川内参上!三水戦の戦い、魅せてあげるよ!」
さらにその後、2017年6月23日のアップデートにて川内の時報および改二追加ボイスで三水戦への言及が増えている。
又川内より旗艦を継承した夕張も2017年春ボイスにおいて「はぁ~い、三水戦集合ー!」と自身も三水戦所属あるいは色々アレな川内に替わって隷下の駆逐艦を取りまとめて花見に向かう感じの台詞が追加された。ちなみに川内は不在だったわけではなく夕張に「川内さんもどうぞ」と花見の誘いを受けているため、単純に夕張発案の花見だった模様。4コマ漫画吹雪、がんばります!第212話においては、ここで夕張が号令をかけていたのは夕張隷下の三水戦という解釈になっており、川内に声をかけた際には川内隷下の三水戦も花見に参加するという流れになった(さらに名取も名取隷下の三水戦に連れられて花見に参加している。尚4コマは独自解釈色が強すぎるきらいがあり公式性は可也低い)。なお、夕張には六水戦に関する台詞は現時点(2020年4月)では1つも存在していないが、鎮守府氷祭り2日目に出演したブリドカットセーラ恵美氏が「第六水雷戦隊旗艦、夕張」と名乗っており、夕張改二実装を共に六水戦任務も実装された。
2017年夏イベントで実装された開戦時三水戦隷下だった綾波型6番艦狭霧は図鑑や出撃ボイスで三水戦に言及している。本人は三水戦所属なのに夜を苦手としている事を恥じてるようだが、ただ夜戦の時間になるとお腹が痛くなるらしい。逆に姉である綾波型5番艦天霧は江風と同様に川内を慕っており、夜戦に関してもノリノリで川内についていっている。
第十二駆逐隊の東雲と第二十駆逐隊の残り2隻(朝霧・夕霧)が未だ実装予定も発表されていない状態だが、今後実装に伴い三水戦としての話題も掘り下げられていくと思われる。案外ああ見えて川内は慕われてるようだし。ただし、十二駆の薄雲は開戦前に早々に離脱しているためか一水戦の第九駆逐隊を名乗っており、また東雲に至っては太平洋戦争開始直後に日本駆逐艦で2番目に早く戦没している事から当人が三水戦の十二駆を名乗るかはかなり怪しい。一方で十二駆解隊後も二十駆としてしばらく三水戦に所属し続けていた白雲は改造前は三水戦を名乗っている(改造後は一水戦)。また、時報では三水戦と一水戦の両方の書類をチェックしている(なお、ここで三水戦は書類が雑という事が判明してしまった)。
…と、長らく艦これの三水戦は開戦時のメンバーが挙げられていたが、朝潮の時報より開戦時二水戦にいた第八駆逐隊も(朝潮・荒潮の因縁の戦いの際に三水戦にいたためか)三水戦に編入されている扱いであることが判明した。朝潮の忠犬っぷりは川内にも適用されるようで、夜戦任務参加要請に「喜んでお供します!」と二つ返事で引き受け、帰投後は「勉強になりました。ありがとうございます!」とお礼まで言っている。ちなみに満潮は八駆が三水戦にいる間はずっと修理中だったのだが、彼女がどういう扱いになっているのかは現状不明。尤も、川内は史実では三水戦にいた事がない深雪を後述の三水戦友軍の際に連れてくるくらいなので満潮も三水戦の一員くらいに思っている可能性は高い。
由良も一時期三水戦に加入してマレー方面の通商破壊戦や蘭印作戦に参加しており、由良と夕張を幼馴染とするなら由良と川内は戦友といえる関係で、由良改二の実装と時報追加も川内の時報実装と同日で、由良改二の時報内では川内の夜戦バカぷりをよく理解してるようで、川内と三水戦(それと恐らく江風と嵐と萩風)の夜戦出撃を静かに見送っていた。川内に付き合って夜戦出撃することもあるようで、後の夕立の時報では由良が夜戦出撃するという話題が上がっている(これにより、三水戦の夜戦出撃参加要請を断るつもりだった夕立も渋々参加している。なおその後は最高に素敵なパーティーだった模様)。なお、上記の夕張の2017年春ボイスでは由良も花見に誘われている(ただしこの時由良は四水戦扱いだった)。
また、松風は自身が三水戦OGである事を時報で表明しており、彼女も三水戦の夜戦任務に動じない。
書類上のみとはいえ三水戦旗艦を継承している名取に関しては未だに自身が指揮した水雷戦隊(開戦前:二水戦・開戦時:五水戦・夕張戦没後:三水戦)に関しての台詞が存在していない(上記の通り、4コマでは夕張・川内と合同で三水戦の花見に参加している)。出撃時に「水雷戦隊のみなさん、しゅ、出撃です!」という台詞は存在しているが、サービス開始から6年が経過し各水雷戦隊の開戦時編成等が浸透していく中で、いずれの水雷戦隊への言及が無い為、自身が開戦時率いていた「第五水雷戦隊」の再編が完了したにもかかわらず、全員で集合しているファンアートが極めて少数といった事態に陥っている。
2019年秋イベントの友軍艦隊では、川内三水戦を基幹とする友軍艦隊が実装され、川内の戦場現着ボイスも2種類実装された。
主な編成は、
- 川内+十一駆(吹雪、白雪、初雪、深雪)(深雪抜きもあり。深雪のみ小破状態)
- 川内+二十駆(天霧、狭霧)+十一駆(吹雪、白雪、初雪)
なお、友軍艦隊システム初実装の18年冬イベに十九駆(綾波、敷波、浦波、磯波)が登場している。
関連タグ
改二実装艦は太字。
【臨時編入】(臨時旗艦のみ掲載)
漣(第七駆逐隊)、秋雲(第十駆逐隊)、巻波(第三一駆逐隊)等