第十二駆逐隊とは、大日本帝国海軍が呉鎮守府籍の駆逐艦によって編成した駆逐隊。
春雨型駆逐艦・初代神風型駆逐艦による初代と、吹雪型駆逐艦(特型駆逐艦)による2代目が存在した。本記事では2代目の第十二駆逐隊について解説する。
尚、本記事が付加されているイラストは、すべてブラウザゲーム「艦隊これくしょん」に関連するイラストとなっているため、同ゲームにおける第十二駆逐隊についても併せて解説する。
史実
戦前
特Ⅰ型駆逐艦、吹雪型の5番艦から8番艦である「叢雲」「東雲」「薄雲」「白雲」によって編成された駆逐隊。1928年8月1日の新編時点では艤装中であった「叢雲」を除く3隻が所属し、残る「叢雲」も就役した1929年5月1日付で編入している。当初は第二艦隊第二水雷戦隊(二水戦)の所属であった。
1931年から1936年の間、吹雪型による駆逐隊が3隻編成となっていた間、本駆逐隊からは「東雲」が第二十駆逐隊(初代)に転属となっていた(ただし1933年の一時期のみ「東雲」が第十二駆逐隊に戻り、代わって「薄雲」が第二十駆逐隊に送られている)。その後再び吹雪型の駆逐隊は4隻編成に戻され、「東雲」も第十二駆逐隊に復帰となっている。
日中戦争開戦~解隊
日中戦争開戦後は北部仏印進駐作戦や華中沿岸での作戦行動などに参加。この間に第二艦隊第二水雷戦隊から第一艦隊第三水雷戦隊(三水戦)に転属している。しかし、福建省近海の作戦行動中の1941年8月15日に「薄雲」が触雷損傷、修理のため戦線を離れ駆逐隊からも一時離脱となった。
薄雲不在の3隻編成のまま突入した太平洋戦争であるが、開戦から僅か9日後の1941年12月17日に「東雲」がボルネオ島沖で戦没(状況については未だ不明ながら、オランダ軍飛行艇による爆撃で沈没したとする説が有力)。稼働できる駆逐艦が「叢雲」「白雲」の2隻だけとなってしまった第十二駆逐隊は、バタビア沖海戦での活躍を最後に翌1942年3月10日付で解隊となった。
その後
「叢雲」は戦前に「深雪」を事故喪失していた第十一駆逐隊に、「白雲」は「狭霧」の戦没した第二十駆逐隊(2代目。元第八駆逐隊)に、それぞれ転属となった。第十二駆逐隊解隊後に修理の完了した「薄雲」は、その後第三水雷戦隊に戻ることなく第五艦隊に編入、隷下の第六駆逐隊・第二一駆逐隊に、いわば「助っ人」的に(正規の転属ではなく、あくまでも仮編入という扱い)所属する事となる。
なお、「薄雲」「白雲」の2隻は、後に第二十駆逐隊の解隊を機に揃って第九駆逐隊(当時所属艦の相次ぐ戦没によって「朝雲」1隻が残る状態であった)に転属、再び同じ駆逐隊の所属となっている。
「艦隊これくしょん」において
サービス開始時(叢雲のみ実装)
オンラインゲーム「艦隊これくしょん」において、サービス開始から実に7年近くにわたって第十二駆逐隊に所属していた艦は「叢雲」ただ1隻しか実装されていなかった。そのため、叢雲が第十二駆逐隊に所属していたという史実は公式でもあまり顧みられる事もなく(ボイスでは所属駆逐隊について一切言及していない)、専ら第十二駆逐隊解隊後の所属先である第十一駆逐隊のメンバーと一緒に描写される事がほとんどであった。
薄雲の実装
2020年4月1日、艦これ運営鎮守府ことC2機関の公式アカウントより、サービス開始7周年を機に吹雪型駆逐艦7番艦「薄雲」が実装されるとのアナウンスが発せられた。同時に薄雲のビジュアルについても公開されたが、この時点ではローソンの制服を身にまとった姿のみの公開であり、ゲーム中に登場する服装などは明らかとなっていなかった。
薄雲が実装されたとしても太平洋戦争開戦時編成という括りで見るならば相変わらず叢雲単独の実装状況という事になるが、日中戦争時点での所属艦として考えるならばようやく第十二駆逐隊は叢雲ひとりぼっちではなくなるという事になる。
「薄雲」は2020年6月下旬より開始された「梅雨イベ(侵攻阻止!島嶼防衛強化作戦)」第1海域突破報酬として実装された。ただし、開戦前に第十二駆逐隊を離脱している事を反映してか、現時点で十二駆に言及するボイスはない(無印で第九駆逐隊、改で第十八駆逐隊所属であるとは言及している)。この時点で未実装だった「白雲」に対しては時報中で「白雲にも早く会いたい」旨の言及をしている(12駆と言うより再編9駆の僚艦としての言及かも知れないが)。
白雲の実装
2023年夏イベ開始直前、カレー機関にて「White Cloud Princess」なる新深海棲艦モチーフのシールが販売された。また、週刊ファミ通10周年特集記事に「新たな特型駆逐艦」を実装予定との情報公開があり、これらを総合すると、当駆逐隊3人目の所属艦『白雲』実装の可能性が高まった。
そして8月上旬より開始された夏イベ前段作戦(船団護衛!輸送航路防衛戦)のバナーでは薄雲、霞、朝雲ら第九駆逐隊と共に未実装の特型駆逐艦の姿が確認され、先行勢によるスクリーンショットや投稿動画などから第4海域突破報酬として白雲が実装された事が確認された。
これにより太平洋戦争開戦時点での所属艦がようやく複数隻となった。
白雲は邂逅初期に限り『第三水雷戦隊第十二駆逐隊』所属を名乗るが、薄雲同様、改装すると異動先の所属である『第一水雷戦隊第九駆逐隊』に変更される。改で実装される時報では異動後の9駆での生活が描かれているため、12駆所属自称はLv40に育成する間限定の扱いとなっている。
望まれる「東雲」の実装
12駆所属艦娘は、他の吹雪型艦娘とは絵師が異なる叢雲、担当声優が異なる薄雲、いずれも同じ白雲、実装の声も聞かれない東雲という状況で、少々異色のグループであるためか、実装から間もない白雲はともかく実装からそこそこの期間が経過している叢雲・薄雲のペア作品も少ない状況が続いているようだ。なお、残る東雲が実装されれば狭義の吹雪型全10隻が揃うことになる。
関連タグ
叢雲(艦隊これくしょん) 東雲 薄雲(艦隊これくしょん) 白雲(艦隊これくしょん)
関連する駆逐隊
第十一駆逐隊 (叢雲)
第二十駆逐隊 (初代:東雲・薄雲)(2代:白雲)
第九駆逐隊 (薄雲・白雲)
第十八駆逐隊 (薄雲)