概要
四人とも容易に手に入るコモン艦であり、能力的にも目立ったところはないが、各々のキャラ付けがはっきりしている上に、この四人だけで一つの型および駆逐隊を形成し、さらに絵師も声優も同じというわかりやすい区切りがあるため、まとめて動かすことが容易で、二次創作では島風や雪風に匹敵するぐらいの勢力がある。
4人は史実で、第一艦隊第一水雷戦隊の第六駆逐隊に所属し、主に南方方面の激戦に参加した。
史実では結成当初は響・雷・電の3隻であった(当時はロンドン軍縮条約の影響で、特型駆逐艦による駆逐隊は3隻で編成されていた)。
暁型四姉妹が揃っていたのは1939年11月に暁が解隊された第十駆逐隊から編入されてから、1942年11月に第三次ソロモン海戦にて暁が轟沈するまでの3年間だった(厳密にはガダルカナル方面の作戦に従事した際、響は修理中だったため、四姉妹が揃っていたのは響が修理に入る1942年6月までともいえる)。
pixivでは、四姉妹が揃った絵にこのタグが使われることが多いが、本来の艦級である暁型のタグも存在するため、両方のタグが付けられることもしばしば。
序盤の任務で登場する天龍+龍田を引率担当として、遠征艦隊とする提督も多い(艦これ名物天龍幼稚園)。
史実では四姉妹としての第六駆逐隊を指揮したのは阿武隈(開戦当初の第一水雷戦隊旗艦)のみであるが、木曾(1937年の第四水雷戦隊旗艦)も第六駆逐隊、第十駆逐隊および第十一駆逐隊(吹雪、白雪、初雪)を指揮下に置いていた。
また、龍田を旗艦に響・雷・電を配置したのが、1943年4月に編成された第十一水雷戦隊である(既に天龍と暁は喪失しており、また天龍型が旧式などという贅沢は言っていられない戦況であった)。
ちなみに第六駆逐隊は響・雷・電の三隻から始まり、後に暁が編入されて…で終わりではなく、実は五番目の所属艦が存在していた。
響がキスカ島占領作戦における損傷の修理に入ったため、その補充として1942年7月に吹雪型(特Ⅰ型)七番艦「薄雲」が編入されたが、あくまでも仮編入だったため一ヶ月程度で第六駆逐隊から外れている。
それ以外にも、1942年10月には暁・雷と白露で「挺身攻撃隊」を編成し、ルンガ泊地への強襲を敢行している(電は別任務に従事、響は修理中だった)。
1944年4〜5月に雷・電が失われると第六駆逐隊は同年6月25日に解隊となり、唯一残った響は連合艦隊附属となった後、1945年1月に潮だけが残っていた第七駆逐隊に編入された。
ゲームでの第六駆逐隊
性能面では、暁と響が改二に改造できることを除けば、駆逐艦としては標準的な能力である。
序盤から編成任務【「第六駆逐隊」を編成せよ!】、さらにこの任務と通商破壊作戦の成功の連動で発動する【「第六駆逐隊」出撃せよ!】で必要となる。
ネームシップとしてアンコモンに指定されている暁を除けば、揃えるのは容易。出撃任務も海域が指定されていないため、鎮守府正面海域(1-1)で達成可能。
2015年5月29日には、後述する暁改二の実装に合わせて、暁改二を旗艦とした編成任務【新編「第六駆逐隊」を編成せよ!】が追加された。
もう一つ、【海上突入部隊を編成せよ!】という、比叡・霧島・長良・暁・雷・電の編成任務も追加されている。
これは、第三次ソロモン海戦第一夜戦での編成を再現したもの(響は当時修理中で不参加だった)。
また2015年3月27日に、上記の出撃任務をトリガーとした【「第六駆逐隊」対潜哨戒なのです!】も新たに登場した。
この任務は【「第十八戦隊」を新編成せよ!】のトリガーとなっており、さらにこれを消化すると【抜錨!「第十八戦隊」】が登場する。
こちらは潜水艦の巣窟であるExtraOperation「鎮守府近海」(1-5)のボス艦隊に“戦術的敗北C”以上が条件となる為対潜装備で固めなければならない。
1期まではルートの完全固定には“4隻編成”で“駆逐・軽巡・軽空母・水上機母艦・航空戦艦・航空巡洋艦から選出”かつ“軽空母・水上機母艦・航空巡洋艦のいずれか必須”と、編成にかなり制限がかかっていたが、2期以降では4隻編成であればボスルートへ直行が可能となったので、1期の様にボス艦隊との邂逅は羅針盤任せになり、万一に外すとelite・flagshipで固めたお仕置き部屋が待っているという事態は回避可能となった。寧ろ第六駆逐隊のメンバーが先制対潜可能になる要求レベルが高いのがネックか?幸い、勝利Aや勝利Bまで狙う必要はないため、随伴艦2隻を沈めるか、旗艦を落とせば達成は比較的容易。2期以降では1期の一戦目の潜水カ級elite単艦が出現しなくなった。陣形も「梯形陣」固定になっているが先制雷撃の問題は残るのでソナーの改修等は必須である。
さらに暁改二の実装に合わせて、【「第六駆逐隊」対潜哨戒を徹底なのです!】も追加された。
こちらはボス戦で勝利A以上でないと達成できなくなり、難易度が少々上がっている。
それ以外にも出撃任務では、【海上突入部隊、進発せよ!】も追加されている。
これは前述の比叡・霧島・長良・暁・雷・電の編成で南方海域進出作戦(5-1)に出撃し、ボス戦で勝利S達成というものだが…。
1期までは最難関任務の1つだった(過去形)。理由は
①空母を編成に組み込めない為、常に制空権を喪失することを強いられる。したがって敵flagship戦艦が連撃を使ってくるため、長良や第六駆逐隊が大破しやすい。しかも道中でそのflagship戦艦が一度の戦闘で二隻出現することもある
②戦艦の比叡と霧島はともかく、残りは軽巡の長良と駆逐艦三隻のため火力面でも耐久面でも不利。さらに雷と電は改二ですらない
③ルート固定に必要な重巡・航空巡洋艦も組み込めない為、常に羅針盤との戦いとなる。特にボス前の羅針盤は8割の確率で逸れてしまう
④ボスに辿り着いたとしても潜水艦が編成に入っていることがあり、長良や第六駆逐隊が中破などで満足に戦えなければ取りこぼしも多い。支援艦隊などを駆使して切り抜けない。
しかし2期以降では③・④の縛りがなくなり寧ろ駆逐艦の多い方法が最短ルートを通過可能でボスマスから潜水艦がいなくなったので到達さえすればほぼ達成出来る任務といえる。
その人気とは裏腹に、長らく期間限定イラスト・ボイスに恵まれなかったが、2015年9月のアップデートで電と雷に期間限定の浴衣イラスト・ボイスがついに実装。
その後、バレンタイン、ホワイトデー、3周年記念の期間限定ボイスが第六駆逐隊全員に実装された。
アニメでの第六駆逐隊
第1期
第1話から4人そろって登場しているが、第6話では本来の主人公を差し置いて事実上の主人公を務める。一年間食堂でレシピが採用されるという鎮守府カレー大会での優勝を目指し、4人そろって奮闘する。
第2期
当アニメは時系列がレイテ沖海戦前夜が起点であり、六駆は既に解隊されている。ただしEDにおいて初霜と同室で眠る響が描写されている。なお、ネット上では同時期に放送中のアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」と、レイテ沖海戦時点での響の状況を掛けて「ぼっち・ざ・六駆」なる言葉が誕生した。
なお最終回EDでは現代の浅草を私服で4人が観光するカットがある。
関連イラスト
傾向としては凛々しい絵よりもほのぼのとした絵が多い。
本来は四人が揃っているからこそ第六駆逐隊なのだが、稀に四人の誰かがソロ絵にも付いている場合もある。
史実で姉妹が次々といなくなるという壮絶な経歴を辿ったことから、その傾向のイラストも見かける。
史実での第六駆逐隊の履歴
年 | 月日 | 出来事 |
---|---|---|
1932年 | 8月15日 | 雷竣工 |
11月15日 | 電竣工。第六駆逐隊編成 | |
11月30日 | 暁竣工。漣・狭霧と共に第十駆逐隊に編入 | |
1933年 | 3月31日 | 響竣工 |
11月15日 | 第六駆逐隊、第二艦隊第二水雷戦隊に編入 | |
1934年 | 6月29日 | 電、訓練中に深雪と衝突。深雪沈没 |
1935年 | 11月 | 第四艦隊事件を受けて、各艦とも性能改善工事を実施 |
1936年 | 12月1日 | 第六駆逐隊、横須賀鎮守府予備艦となる |
1937年 | 7月28日 | 第六駆逐隊、第二艦隊第四水雷戦隊(旗艦:木曾)に転籍 |
10月20日 | 四水戦、支那方面艦隊第四艦隊に転籍 | |
12月1日 | 四水戦、支那方面艦隊第三艦隊に転籍 | |
1938年 | 4月19日 | 四水戦解散。第六駆逐隊は再び横須賀鎮守府予備艦となる |
1939年 | 11月15日 | 四水戦再編。第十駆逐隊解隊により、暁が第六駆逐隊に編入 |
1940年 | 11月15日 | 第六駆逐隊、第一艦隊第一水雷戦隊(旗艦:阿武隈)に転籍 |
1941年 | 12月8日 | 大東亜戦争(太平洋戦争)開戦 |
12月11日 | カムラン湾に入港し周辺の哨戒に従事 | |
12月20日 | フィリピン攻略作戦にて、リンガエン湾上陸作戦を支援 | |
1942年 | 1月11日 | セレベス島メナド攻略戦を支援。以後、ジャワ作戦船団護衛、バタビア沖海戦などに参加 |
1月20日 | ダバオ沖で電が輸送船「仙台丸」と衝突。電は翌21日、明石に横付けして応急修理を行い、29日には馬公に回航することに | |
3月1日 | スラバヤ沖海戦に参加。海戦後、雷と電が撃沈されたイギリス重巡洋艦「エクセター」及び駆逐艦「エンカウンター」の乗組員を救助 | |
6月 | キスカ島占領作戦に参加。響は5機のB-24の爆撃を受け、艦首を損傷。暁が護衛に付き曳航 | |
7月 | 薄雲編入。しかし仮編入だったため一ヶ月足らずで外される | |
10月 | 修理中の響を除いた3隻がガダルカナル島方面の作戦に従事 | |
10月25日 | 暁、雷が白露と共に挺身攻撃隊としてルンガ泊地へ突入。曳船セミノールと哨戒艇を撃沈、掃海艇ゼーンを損傷させ、陸上陣地砲撃を行う | |
11月13日 | 第三次ソロモン海戦第一夜戦で、暁は敵軽巡洋艦「アトランタ」に探照灯を照射。しかしそれにより集中砲火を受け大破炎上、その後15分で轟沈。駆逐隊司令の山田大佐も戦死。雷も戦闘で大破するが、機関は無事だったため生還 | |
11月14日 | 電、第六駆逐隊で唯一被害が無かったことから、霧島の護衛として第三次ソロモン海戦第二夜戦に参加 | |
12月2日 | 電、磯波(第十九駆逐隊)と共にブナ地区バザプア輸送に従事したが、米軍の空襲を受け至近弾により損傷 | |
1943年 | 3月27日 | 雷と電、アッツ島沖海戦に参加。しかし雷は所属する第五艦隊が消極的な戦闘に終止した結果、遠距離からの砲雷撃戦を行っただけで戦果はなかった。電は輸送船護衛の為戦場を離れ戦闘には参加しなかった |
3月30日 | 雷、幌筵島に帰投後、嵐のため抜錨作業中に幌筵海峡で若葉と接触事故 | |
4月1日 | 第六駆逐隊、新編成の第一艦隊第十一水雷戦隊(旗艦:龍田)に編入 | |
5月 | 雷と電、トラック航路に従事 | |
7月 | 響、キスカ島撤退作戦に参加 | |
12月21日 | 響、連合艦隊附属となる | |
1944年 | 2月25日 | 第一艦隊解隊により、第十一水雷戦隊は連合艦隊附属へと変更になる(任務上は変更無く、第六駆逐隊を連合艦隊が必要に応じて利用できるようにしただけ) |
4月13日 | 雷、グアム沖で米潜水艦ハーダーに撃沈される | |
5月10日 | 第六駆逐隊、第一機動艦隊補給部隊に編入 | |
5月14日 | 電、セレベス沖で米潜水艦ボーンフィッシュに撃沈される | |
6月 | 響、マリアナ沖海戦に参加 | |
6月25日 | 響を残して全滅した第六駆逐隊、解隊。響は再び連合艦隊附属となる | |
9月6日 | 響、高雄市からマニラへの船団護衛任務につく。その際に米潜水艦の雷撃を受け損傷、応急修理が行わて基隆に回航されたが、天候不順により乗員に赤痢患者が発生、それにより本土に戻ることに。この修理のためレイテ沖海戦には不参加となった | |
1945年 | 1月25日 | 響、第二艦隊第二水雷戦隊第七駆逐隊に編入。この時第七駆逐隊も潮が中破状態で残っていたのみだった。また霞も一時期第七駆逐隊に編入されていた |
3月29日 | 響、天一号作戦に召集されるが周防灘で触雷して航行不能となり、朝霜に護衛されて呉に帰投。これにより響は天一号作戦には参加できなかった | |
4月20日 | 二水戦解隊 | |
5〜6月 | 響、修理完成後5月に舞鶴へ、6月に新潟へ回航されて第七駆逐隊司令艦となる | |
7月10日 | 響、第1海上護衛艦隊第105戦隊に編入され、日本海での船団護衛に従事。この際舞鶴で氷川丸に燃料の補給を受けたことがある | |
7月20日 | 響、B-29を撃墜する | |
8月15日 | 響、玉音放送の5時間前にB-29に機銃を掃射、帝国海軍最後の発砲となる。そして終戦を迎える | |
9月以降 | 響、武装解除の上復員輸送に従事 | |
1947年 | 7月5日 | 響、ナホトカで賠償艦としてソ連に引き渡される |
7月7日 | 響、ウラジオストクへ回航され、ソ連海軍太平洋艦隊第5艦隊に編入 | |
7月22日 | 響、「ヴェールヌイ」に改称される | |
1948年 | 7月5日 | ヴェールヌイ、第一線を退き練習艦に種別を変更され、艦名も「デカブリスト」に変更される |
1953年 | 2月20日 | デカブリスト、老朽化を理由に除籍 |
1970年代 | デカブリスト、海軍航空隊の標的艦として処分。ウラジオストク沖のカラムジナ島岸に眠っている |
第六駆逐隊司令
成田茂一大佐 1940/11/1~1942/4/5
山田勇助大佐 1942/4/6~1942/11/13(第三次ソロモン海戦にて暁と共に戦没)
高橋亀四郎大佐 1942/12/28~1944/2/14
戸村清大佐 1944/2/15~1944/6/25(第六駆逐隊解隊により解任)
関連タグ
工藤俊作(海軍軍人)・・・史実で駆逐艦「雷」「響」の艦長を務めた。