概要
日本の第十駆逐隊の名前の駆逐隊は四代にもわたる。
ブラウザゲーム艦隊これくしょんにおける第十駆逐隊は主に三代目と四代目が印象深い。
当項目では日本の第十駆逐隊(三代目と四代目)について解説する。
なお、イタリアのマエストラーレ級4隻も現地の「第十駆逐隊」所属であった。これについては「マエストラーレ級」記事を参照のこと。
三代目「第十駆逐隊」(漣・狭霧・暁)
太平洋戦争の開戦前の編成。綾波型・暁型(どちらも正式には「吹雪型」の一部)による3隻体制による駆逐隊。
(当時はロンドン海軍軍縮条約の影響で、特型駆逐艦は3隻で駆逐隊を編成していた)
漣の就役に合わせて第八駆逐隊(後に朝潮型で編成されたものの先代で、開戦時の第二十駆逐隊(2代目))から綾波型の狭霧を編入し、暁の就役を待った。
暁といえば第六駆逐隊だが、実は響・電・雷と第六駆逐隊を組んでいた時期よりも漣・狭霧と第十駆逐隊を組んでいた時期の方が長い。
1939年11月にロンドン条約の失効に伴い駆逐隊が4隻体制に戻されたことから第十駆逐隊(三代目)は解隊され、狭霧は第二十駆逐隊(2代目で旧第八駆逐隊が所属変更で改番になったもの)、漣は第七駆逐隊、暁は第六駆逐隊へ異動となった。
漫画「水雷戦隊クロニクル」にて漣と暁の仲が良いのはこの時の縁が大きいのだろう。同作では響が「私では暁にあんな顔させられない」という点を認めている。
2017年夏イベントにて遂に綾波型6番艦狭霧が実装される事となり、艦これ内においても約78年の時を経て三代目「第十駆逐隊」は再会を果たす事となった。
2019年5月5日に狭霧や漣を手がけるdrew氏から【六周年】記念イラストが公開された。
6周年と言うことで綾波型6番艦である「狭霧」と同9番艦の「漣」が大きく描かれその回りに小さく姉妹達と+1隻が描かれている。
現在drew氏が手掛ける全ての艦が描かれた形なのだが、提督達は即このイラストに別の意味が籠められている事に気がつく。
これまで狭霧の相方は天霧だったのが今回は漣が担当している点。漣の制服が改のエプロン付の物ではなく無印時代の物だという点。狭霧が漣の缶バッジを付け代わりに漣が暁型の制服の帽子を被っている点である。
暁型でも帽子を被っているのは暁と響の2隻だけだが、響は帽子に「特Ⅲ型」を示す「Ⅲ」のバッジを付けているが、漣が被ってる帽子にはそのバッジが無いので、漣が被っているのは「暁」の帽子と特定できる。
三代目「第十駆逐隊」で暁のみ絵師が異なる為、公式での集合絵は不可能と考えられていた。しかし絵師が異なる艦の小物を持つ事で間接的にだが『三代目「第十駆逐隊」』集合を現すという粋な計らいが籠められていたのである。
また公式イラストで大東亜戦争開戦以前の駆逐隊に触れるのは今回が恐らく初めての事で、このサプライズに提督達はdrew氏に感謝を述べたのは言うまでもない。
四代目「第十駆逐隊」(夕雲・巻雲・風雲・秋雲)
開戦後の編成で陽炎型・夕雲型の混成。唯一陽炎型に属していた秋雲は戦後こそ陽炎型という区分がされたが、戦時中では夕雲型としても扱われた。史実では「秋雲型駆逐艦」のネームシップとなる予定があったものの、竣工を急ぐべく陽炎型の図面を用いて起工したため、陽炎型最終艦になったといういきさつがある。実艦では陽炎型と夕雲型の差異はあまりなかったりするせいか、艦娘の秋雲は陽炎型でも夕雲型でもどっちでも良いと言っている。
長らく秋雲、夕雲、巻雲の3隻体制だったが、2015年夏イベントにて風雲が実装された事でようやく四代目の第十駆逐隊が揃った事になる。
艦これにおいては風雲の時報から察するに第十戦隊の所属である可能性が高い。ミッドウェー海戦を始めとして機動部隊の護衛に参加する事が多かったからであろうか。
そのミッドウェーでは巻雲と風雲が飛龍の乗員救助と雷撃処分を実施(魚雷を命中させたのは巻雲のみ)。
他にも秋雲は五航戦編成当初から護衛を務めていた縁があり、風雲も時報で翔鶴との絡みがある。
ちなみに巻雲・夕雲の没後朝雲が第十駆逐隊に編入された。(風雲よりも先に艦娘として実装された)彼女も「○雲」だが朝潮型である。(型式は異なるが絵師は同じ)
2023年8月時点で二代に渡る駆逐隊の全員が揃っているのは『第十駆逐隊』、『第二駆逐隊』及び10駆編入艦「朝雲」の元々の所属駆逐隊でもある『第九駆逐隊』がある。
2019冬イベントのE3海域に4代目第十駆逐隊が友軍艦隊として参戦している。しかし時期が時期だった事もあり「コミケ帰り艦隊」とも呼ばれた。ネタに思われる反面、夜戦の駆逐艦隊であるため火力は優秀で「戦利品の詰まったカートでぶん殴っているのでは?」と言った声もちらほら。(19年秋(初冬か?)イベでも再来。秋雲・風雲ペアでの秋雲の旗艦セリフがまさに修羅場)上記の事等から秋雲のやらかしやサボりに巻雲と風雲達が巻き込まれたり振り回される作品もみられる。
2019年2月8日に風雲改二が実装された事で『四代目「第十駆逐隊」』の全艦改二改装へリーチがかり、改二改装を残していた陽炎型の秋雲も2020年10月16日に秋雲改二が実装。
これで第十駆逐隊も初期編成が第八駆逐隊・第十八駆逐隊に続き全艦改二改装が完了した3つ目の駆逐隊となった。
秋の秋刀魚祭り2023で投入された二三式大漁旗は最長艦歴艦娘朝日と第四代第十駆逐隊フルキャスト(忘れられがちな朝雲を含む)が描かれている。作戦指示も秋雲・夕雲・朝日が担っていた。
その名を継ぐ者たち
戦後、海上自衛隊に巻雲、秋雲、夕雲と朝雲の名が、やまぐも型護衛艦の2・3・5・6番艦として受け継がれた。以下のうち「まきぐも」が3代目、その他は2代目になる。
・巻雲・・・2番艦『まきぐも』
・秋雲・・・5番艦『あきぐも』
・夕雲・・・6番艦『ゆうぐも』
・朝雲・・・3番艦『あさぐも』
これらは2005年までに除籍されたが、入れ替わる形で2006年に漣の名がたかなみ型護衛艦の4番艦『さざなみ』として復活した。現在はこの『さざなみ』が現役にある。
狭霧と暁の名は海上保安庁の巡視艇として受け継がれた。狭霧は「さぎり型巡視艇さぎり(PC-26)」「まつゆき型巡視艇さぎり(PC-49)」(※何れも解役済)。暁は巡視艇「あかつき」(CS-14:旧海軍12メートル内火艇)・灯台見回り船「あかつき」(LM-107)・巡視艇「暁」(CL-36:旧海軍15メートル作業艇)(※何れも解役済)
蛇足
上記のうち、漣と巻雲には共通点として「ウサギを連れている」「艦娘のモチーフにあたる駆逐艦がいずれも2代目である」ことの2点があげられる。参考までに、初代漣は英国生まれの雷型駆逐艦、初代巻雲は帝政ロシアの水雷巡洋艦「フサードニク」を日本海軍がサルベージした姿。
史実の2代目は、先に就役した漣の方が結果的に巻雲より長生きしている。
関連イラスト
三代目第十駆逐隊
四代目第十駆逐隊
関連タグ
イタリア海軍:マエストラーレ級