概要
たかなみ型護衛艦は海上自衛隊における第4世代の汎用護衛艦として、5隻が建造され、2003年~2006年に相次いで竣工・就役した。
第3世代にあたる新むらさめ型護衛艦の発展型であり、基本設計は踏襲されていることから、外見上は類似しているものの、C4Iシステムの新型化や主砲の大口径化(こんごう型護衛艦と同じ127mm砲を採用)、また「むらさめ」型では前後に分散配置・2種混載されていたVLSを前部に統合及び搭載VLSの統一などの改良に伴い、艦内構造も変わり細部はかなり異なる。
なお当初は新開発の射撃指揮装置(FCS-3)の搭載が計画されていたものの、開発の遅延に伴い断念した。FCS-3はのちに1世代下った「あきづき型護衛艦」に本採用している。
艦名は5隻すべて日本海軍の駆逐艦に由来
建造された5隻はすべて、日本海軍の駆逐艦の名を受け継いでおり、4番艦「さざなみ」のみ吹雪型駆逐艦「漣」の名を継いだが、ほか4隻の艦名は夕雲型駆逐艦の「高波」「大波」「巻波」「涼波」に由来している。当代は「すずなみ」のみ2代目、その他が3代目。
また「たかなみ」「おおなみ」「まきなみ」の名はかつて存在した「あやなみ」型護衛艦から艦番号もろとも引き継いだ(「さざなみ」「すずなみ」の艦番号は「やまぐも」型護衛艦「やまぐも」「まきぐも」からの承継)。
性能諸元
・排水量:基準4,650トン 満載6,300トン
・全長:151m
・全幅:17.4m
・深さ:10.9m
・吃水:5.3m
・機関
COGAG方式 LM2500ガスタービンエンジン (16,500PS) 2基
SM1Cガスタービンエンジン (13,500PS) 2基
スクリュープロペラ 2軸
・速力:最大30kt
・電力
ガスタービン主発電機(1,500 kW) 3基
ディーゼル停泊発電機(600 kW) 1基
・乗員:175名
・兵装
オート・メラーラ54口径127ミリ単装速射砲 1基
高性能20mm機関砲(CIWS) 2基
90式 SSM4連装発射筒 2基
Mk.41 mod.18 VLS (32セル) 1基
HOS-302 3連装短魚雷発射管 2基
・艦載機:SH-60J / K哨戒ヘリコプター 1/2機