※PixivではPixivでは2代目の汎用護衛艦を指すことが多いと思われるため、親記事は「汎用護衛艦」としている。
あさひ型沿海域護衛艦
元は第二次世界大戦中に建造された、アメリカ海軍のキャノン級護衛駆逐艦。
くす型警備船に続いて1955年6月14日にアメリカ海軍から貸与された4隻の駆逐艦のうちの2隻。残る2隻はあさかぜ型護衛艦となった。
同型艦はあさひ・はつひの二隻。あさひの前身は「アミック」、はつひの前身は「アザートン」。戦時中はともに大西洋で活動していた。
新設された第6護衛隊に配属され、「わかば」と共に日本の沿海域の防衛を担った。
しかし「わかば」とは出自の違いから仕様が大幅に異なり、運用上の問題が生じたため1961年に「わかば」は第6護衛隊から離脱し横須賀地方隊直轄艦となっている。
1964年に練習艦に類別変更され、1975年に除籍となるも、間もなくフィリピン海軍に譲渡され、あさひ→「ダトゥ・シカトゥナ」、はつひ→「ラジャ・フマボーン」に改名、ダトゥ・シカトゥナ級駆逐艦として1978年に再就役。旧式ながらも、比海軍で初めての大型艦となっている。2011年にデル・ピラール級哨戒艦が就役するまではフィリピン海軍最大の戦闘艦だった。
ダトゥ・シカトゥナは1988年に除籍された一方、ラジャ・フマボーンは2018年まで現役であり、2016年には護衛艦「いせ」との親善訓練や「ゆうだち」、「ゆうぎり」との共同訓練に参加。2018年3月に退役した。その後も船体はカビテ海軍造船所の桟橋に係留されていたが、2022年の台風で水没してしまったという。
登場作品
- 俺は、君のためにこそ死にに行く
フィリピン海軍時代の「ラジャ・フマボーン」が特攻機を迎撃するアメリカ海軍駆逐艦として登場した。
あさひ型汎用護衛艦
あきづき型をベースに、いかに将来発展性を確保しつつ取得コスト低減を図るかに主眼をおいて設計されている。
主機方式としては、護衛艦としては初めてガスターボエレクトリック・ガスタービン複合推進(COGLAG)方式を採用する。これは、従来より試験艦「あすか」に採用されて研究開発が行われていたもので、低速・巡航時はガスタービンエンジンを用いたターボ・エレクトリック方式による電気推進を使用し、高速時にはガスタービンエンジンによる機械駆動も併用して推力を得る方式であり、燃費に優れることからライフサイクルコストの低減が期待される。
ただしあすかに搭載されていた構成では、ガスタービンエンジンと電動機が直列に推進器に接続され、電動機が直接に推進器を駆動する方式とされていたのに対し、本型では取得コスト低減のため、従来のCOGAG方式などと同様に減速機を介した接続とされ、推進器も可変ピッチプロペラとされていることから、燃費の低減効果は限定的とも考えられている。
本型では対潜戦に比重を移している。あきづき型のFCS-3Aは、従来の個艦防空に留まらず、限定的ながら艦隊防空を担いうる僚艦防空(LAD)というコンセプトを適用されていたのに対し、本型では、やはりFCS-3シリーズを搭載するものの、その能力は従来通りの個艦防空に戻されている。これに伴い、Xバンドを使用する射撃指揮レーダーとして、従来はタレス・ネーデルラント社のAPARの一部を間欠イルミネーターとして導入していたのに対し、本型では国産開発の連続波イルミネーターの搭載が検討されている。
同型艦
1番艦:あさひ
2番艦:しらぬい