概要
海上自衛隊で運用されていた第1世代汎用護衛艦。1982年に1番艦「はつゆき」が就役し、わずか5年で12隻が建造された。
海自では第4次防衛力整備計画(4次防)を終えた昭和52年度計画において、海自草創期に建造したはるかぜ型護衛艦、あやなみ型対潜護衛艦、むらさめ型対空護衛艦などは退役間近となり、これらの代艦が必要となっていた。また、4次防以前は8艦6機体制のコンセプトのもとで多目的護衛艦(DDA)と対潜護衛艦(DDK)の2系列の護衛艦を整備していたが、情勢変化を受けた研究により新たに8艦8機体制(いわゆる新八八艦隊)コンセプトが採択されたことに基づき、DDAとDDKを統合する充実した装備の新護衛艦が求められることとなった。
そうして誕生した本型は、8艦8機体制時代から長らく護衛艦隊を支えたが、老朽化に伴って順次退役。一部はしまゆき型練習艦として練習艦に転用され、最後まで残っていた10番艦「せとゆき」は、はたかぜ型練習艦ともども練習艦隊において運用されていたが、これも2021年内に退役。はつゆき型護衛艦は海自から姿を消した。
性能
基準排水量2,950トン、満載排水量4,000トン。8番艦以降はそれぞれ3,050トン、4,200トン。全長130メートル、乗員数約200名。
日本では初となるオール・ガスタービン機関(COGOG)を採用し、ヘリコプターやC4Iシステム、各種ミサイルなどの兵装をバランスよく搭載するなど、当時の欧米のフリゲートと比較しても遜色のない護衛艦である。
武装は以下の通り。
同型艦
- はつゆき(DD-122)
- 旧海軍の神風型駆逐艦25番艦「初雪」、吹雪型駆逐艦特I型3番艦「初雪」に続き、3代目。
- しらゆき(DD-123→TV-3517)
- 神風型駆逐艦 (初代)6番艦「白雪」、吹雪型駆逐艦2番艦「白雪」に次いで3代目。
- みねゆき(DD-124)
- さわゆき(DD-125)
- はまゆき(DD-126)
- いそゆき(DD-127)
- はるゆき(DD-128)
- やまゆき(DD-129→TV-3519)
- 2016年練習艦に種別変更。
- まつゆき(DD-130)
- せとゆき(DD-131→TV-3518)
- 2012年から練習艦に種別変更。
- あさゆき(DD-132)
- しまゆき(DD-133→TV-3513)
「みねゆき」~「しまゆき」は旧海軍に同名艦なし。
関連項目
あさぎり型護衛艦(次級)
あぶくま型護衛艦・・・同じく2桁護衛隊配属の沿岸護衛艦。