海上自衛隊が運用している護衛艦の艦級。名称は秋の月を表す「秋月」に由来し、同名の由来を持つ艦級は日本海軍の秋月型駆逐艦を初代に、海自に同名の2代目と3代目が存在するが、どちらも解説する。
本項目では以下のように扱う。
- 秋月型駆逐艦:初代
- あきづき型指揮護衛艦:2代目
- あきづき型汎用護衛艦:3代目
また、Pixivでは3代目の「あきづき型汎用護衛艦」を指すことが多いと思われるため、親記事は「汎用護衛艦」としている。
あきづき型汎用護衛艦(3代目)
海上自衛隊の第4世代汎用護衛艦。基準排水量は5,000トン。たかなみ型護衛艦の後継として平成18年(2006年)度予算で初めて導入され、2012年に一番艦「あきづき」が就役した。同型艦として4隻が建造されている。
それまでの汎用護衛艦と異なり、艦橋前面とヘリコプター格納庫上に射撃指揮装置(FCS)や艦載対空レーダーを統合した対空戦闘システム「FCS-3A」を搭載した艦級である。
これはひゅうが型護衛艦に搭載されていた「FCS-3」の改良型であり、レーダー出力の強化のほか、戦闘指揮システムに複数目標・横行目標(自艦ではなく僚艦へ向かう目標)に対応したアルゴリズムを追加している。これによって最大32目標を同時迎撃可能。イージス艦でも最大12~18目標なのと比べると相当な数であるが、イージス艦ほど遠距離は探知できないので、あくまでも短距離限定である。
それでも限定的な艦隊防空能力、僚艦防空能力を獲得しており、日本版「ミニ・イージス艦」とも称えられている。本艦級の就役によって「イージス艦は艦隊防空・あきづき型は僚艦防空」と分担し、イージス艦を艦隊防空・BMD(弾道ミサイル防衛)任務に専念させられるようになった。
武装面でも、汎用護衛艦として初めて62口径5インチ単装砲を搭載したほか、32セルのMk.41VLSを有し、同じく初となるESSMと07式垂直発射魚雷投射ロケットを搭載する(1番艦のみ07式ではなく従来のアスロックを搭載)。ESSMは小型で1セルに4発搭載可能であり、本艦型では16セルに64発、残りは07式を搭載するとされる。
同型艦
あきづき型指揮護衛艦(2代目)
昭和32年(1957年)度の閣議決定に基づき、即日、日米政府間で契約が調印された指揮護衛艦。対空・対潜・対艦の各戦闘に対応出来るよう、あやなみ型対潜護衛艦とむらさめ型対空護衛艦の兵装を併せ持ち、それらの艦の対潜能力を強化した汎用護衛艦として建造された。
欧米各国で就役中であった砲装型の汎用駆逐艦のなかでも、有力な広域防空能力と対潜戦能力を備えていた。また米国の予算で建造されたこともあり、一時期だが米国に艦籍を有していた。
同型艦
- あきづき(DD-161)
- てるづき(DD-162)
どちらも1960年に就役し、1993年に退役した。
関連タグ
こんごう型護衛艦:あきづき型4隻の相棒的存在。
たかなみ型護衛艦、新あさひ型護衛艦:それぞれ「あきづき」(Ⅲ)型の前級と次級にあたる汎用護衛艦。