3代目「あきづき」(現役)
海上自衛隊が運用している汎用護衛艦は、1996年にむらさめ型護衛艦(2代目)「むらさめ」が就役して以降、VLSを装備した短距離防空護衛艦として建造されるようになったが、さらなる防空性能の強化を求め、イージス艦であるこんごう型護衛艦・あたご型護衛艦の両護衛艦で実績のあるフェイズドアレイ・レーダーを採用したあきづき型護衛艦(Ⅲ)を、2012年~2014年にかけて漸次就役させていった。DD-115「あきづき」はそのネームシップにあたる。
本艦は中期防衛力整備計画に基づく平成19年度計画5,000トン型護衛艦2244号艦として建造され、2009年7月17日起工、2010年10月13日進水ののち2012年3月14日に就役した。艦番号のDD-115は、1960~1990年代にかけて存在した、やまぐも型護衛艦「あさぐも」から引き継いでいる。
就役後、2024年9月現在にいたるまで第1護衛隊群第5護衛隊の配属で、定係港も佐世保基地のまま変わらない。
ちなみに本艦は「あきづき」の名を持つ艦としては3代目で、海自の前身・旧日本海軍に存在した防空駆逐艦「秋月」、海自になってからも対空護衛艦DD-161/ASU-7010「あきづき」が存在した。なお初代秋月も含め、すべてネームシップであるとともに、3代すべて三菱重工長崎造船所で建造されている。
3代ともネームシップになったケースとしては、現役海自艦では本艦のほかに「こんごう」もある。こちらは旧日本海軍に存在した「金剛」が初代の装甲コルベット、2代目の戦艦ともにネームシップとなっていた。
また、旧海軍の初代秋月の基準排水量は、現あきづきの半分だが(2代目あきづきはさらに少ない)、秋月型駆逐艦はその排水量からしばしば軽巡洋艦と混同されていたことがあったという。
2代目「あきづき」(除籍)
一方、2代目にあたるDD-161(DD-960/ASU-7010)「あきづき」は、日米相互防衛援助協定に基づき、米国側の1957年度予算計画艦として建造され、1958年7月31日起工、1959年6月26日進水、1960年2月13日に米国海軍籍艦"DD-960"として就役の後、海上自衛隊に供与され"DD-161"となり正式に日本艦になった。
同型艦は「てるづき」のみで、こちらも一度米軍の艦として就役してから海自に供与されている。
「てるづき」に続いて護衛艦隊旗艦を務めたが、はつゆき型護衛艦の増勢にともない1985年3月27日に特務艦に艦種変更された。1993年12月7日付で除籍。
※その他の詳細は→wikipediaの記事
関連タグ
たかなみ型護衛艦、新あさひ型護衛艦・・・それぞれ現「あきづき」型の前級と次級。
本艦と同じ第1護衛隊群第5護衛隊配属の海自艦
こんごう/あけぼの/ありあけ・・・「あけぼの」「ありあけ」は新むらさめ型の8番艦と9番艦。ちなみに第5護衛隊の護衛艦は、あけぼのを除き三菱長崎で建造されている(あけぼののみ石川島播磨重工東京工場製)。