イージス艦とは
イージスシステムを搭載した戦闘艦。多数の空中目標を同時に迎撃できるのが特徴。
「イージス」はギリシャ神話に登場する女神アテナが用いる盾の名に由来している。同様の統合防空システムは欧州諸国が独自に開発・採用しているものもあるが(タレス対空戦システムやPAAMSなど)、これらはイージスシステムとは異なるものである。アメリカ海軍は戦闘艦以外のイージスシステムの簡易版とも言うべき「艦艇自衛システム」(SSDS)を開発し、揚陸艦などに搭載している。
イージスシステムはアメリカ海軍によって開発され、遠くの敵機を正確に探知できる索敵能力、迅速に状況を判断できる情報処理能力、同時に複数の目標を迎撃できる対空戦闘能力を統合した画期的な戦闘システムである。また、イージス艦に搭載されている艦砲やミサイルなどの武装はイージスシステムのコンピュータとリンクしているため、対空のみならず対艦・対潜戦闘においても目標の捜索から識別、意思決定から攻撃に至るまで迅速に対応することができる。
一部のイージス艦にはトマホーク巡航ミサイルによる対地攻撃能力が追加されており、近年では弾道ミサイルを迎撃できるよう改修されたものも配備されている。
巡洋艦や駆逐艦等の艦種の一種であると思われがちだが、イージス艦とはイージスシステム搭載艦のことであり艦種は関係が無い。タイコンデロガ級巡洋艦は巡洋艦、アーレイ・バーク級駆逐艦やホバート級駆逐艦などは駆逐艦、アルバロ・デ・バサン級フリゲートやフリチョフ・ナンセン級フリゲートはフリゲートである。海自のこんごう型護衛艦・あたご型護衛艦・まや型護衛艦は、名称こそ「護衛艦」だが識別上は駆逐艦に入る。
イージスシステムの陸上版と言えるものがイージスアショアである。
イージスシステム搭載艦(導入国別)
- アルバロ・デ・バサン級/5隻
- ボニファス級/5隻予定
- フリチョフ・ナンセン級/5隻⇒4隻
- 2018年11月8日、4番艦「ヘルゲ・イングスタッド」がタンカーとの衝突事故により喪失。
- 世宗大王級/3隻
- バッジ1、3隻
- バッジ2、3隻予定
- ホバート級/3隻
ちなみに日本のイージス艦は日本海軍の艦の名をひらがなに置き換えたうえで受け継いだ(「自衛艦これ」または「改自」も参照)。
関連作品
征途(戦艦大和がイージス艦化された「やまと(超大型護衛艦)」が登場)