概要
まや型護衛艦とは、海上自衛隊が運用しているミサイル護衛艦。イージスシステムを搭載しており、所詮イージス艦と呼ばれる艦種の一種である。
前級にあたるあたご型護衛艦の小改良版であり、あたご型をベースに機器や武装などの飛躍的な能力向上を果たしつつ、民生品の活用など主に取得コストの低減を企図して設計されている。旧式のはたかぜ型護衛艦の後継艦として計画されたため、本型の就役後、はたかぜ型は2021年3月までに練習艦に種別変更されている。
サイズは基準排水量8,200トン、満載排水量10,250トン、全長170メートル。国際戦略研究所では満載排水量9,750トン以上の水上戦闘艦を一律に「ミサイル巡洋艦」と見なしており、見方によってはミサイル巡洋艦に該当する。
装備
前級から大きく変更された点として、推進機関の方式をあたご型のCOGAGに代えてCOGLAG方式を採用している。COGLAGは同時期に建造されたあさひ型護衛艦と同じ方式であり、低速時の燃費の向上と航続距離の延伸が図られている。推進方式変更に伴い、4基あったガスタービンエンジンのうち2基を推進電動機に換えたため、前級では同じ大きさであった前後2基の煙突のうち、後部の第2煙突が小型化され、後方のSPYレーダーの射界を阻害しづらいスリムな形になった。
イージスシステムについては最新のベースラインJ7(ベースライン9.C2)へとバージョンアップしており、共同交戦能力(CEC)へ対応したことがあたご型からの大きな変更点になる。これによってリアルタイムに早期警戒管制機などからの索敵情報と連携し、自艦からは捉え難い水平線の向こうの目標や、海面スレスレを超低空飛行するミサイルにも対処する能力を獲得しており、素早く敵のミサイル攻撃に対処できるようになった。これによって中国やロシアが配備を進め「空母キラー」と恐れられる超音速巡行ミサイルへの対処が期待されている。
また目立たないが、船体各部や上部構造物に傾斜のついたブルワークやカバーが追加され、一層のステルス性向上も図られているようである。
同型艦
- 1番艦:まや - 2017年4月17日に起工、2018年7月30日に進水、2020年3月19日に竣工。
- 2番艦:はぐろ - 2018年1月23日に起工、2019年7月17日に進水、2021年3月19日に竣工。