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イージスシステム搭載艦

いーじすしすてむとうさいかん

日本が建造予定の巨大イージス艦。メイン画像は令和5年版防衛白書で公開された想像図を元にしたイメージ。
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概要編集

イージスシステム搭載艦とは、日本が弾道ミサイル防衛(BMD)の一環として海上自衛隊向けに2隻建造予定のイージス艦を指す。


基準排水量12,000トン、全長190m、全幅25mに達する超大型艦で、これは他国の大型水上戦闘艦である米海軍のズムウォルト級駆逐艦やDDG(X)、中国海軍055型駆逐艦をも上回る。しかも初期の見積りより小型化された上でこのスペックである。お前のような護衛艦がいるか

128セルものVLSにはSM-6やSM-3、SM-2等のスタンダードミサイルや、トマホークミサイルを装備予定。他にも12式地対艦誘導弾能力向上型や極超音速ミサイル迎撃誘導弾、対ドローン用レーザー兵器5インチ単装砲CIWS、対潜装備も搭載し、BMD以外にも多種多様な任務に対応できるマルチロール艦となる。


令和9年度と10年度に1隻ずつ就役予定で、完成すれば空母系を除く西側およびアジア最大の水上戦闘艦となり、世界全体でもキーロフ級ミサイル巡洋艦に次ぐ大きさとなる。勿論、イージス艦としても世界最大。



来歴編集

通常、護衛艦は他国の軍艦と同様、防衛戦略に沿った形で要求仕様が決まり、それによって設計、建造される。だが本艦型は特異な経緯によって誕生した。


日本に8隻しかない高価かつ貴重な装備であるイージス艦だが、北朝鮮からの弾道ミサイル警戒のために常に1~2隻を日本海に張り付けておく必要があり、常時1隻を途切れることなく警戒にあたらせるためには、目標地点でオンサイト警戒1隻、その海域まで往復の移動に1隻、整備補給に1隻と、最低でも3隻はこの任務のために用意しておかねばならない。

このことは慢性的に人手不足の海上自衛隊に大きな負担を強いていた。

そこで最新のイージスシステムを2基、陸上基地に配備し、陸上自衛隊が常時運用することによって、最低限の人員と装備で警戒を緩めずに継続することが計画された。


ところが、その陸上イージスシステムイージス・アショアの設置にあたり、防衛省は設置予定地域への説明に不手際を連発して地元と揉めてしまい、挙句の果てには遂に設置を断念するという不祥事を起こしてしまった。

断念はしたものの、イージスシステムによる日本海の警戒を解くわけにはいかない。おまけにイージス・アショア用に新型のイージスシステムをすでに米企業に発注してしまっていたため、ここでキャンセルすると数百億円の違約金を払う義務が生じる事態となり、ならばこのシステムを転用して自衛艦に載せてしまい、人員不足解消どころか更に人員が必要となる本末転倒な計画ではあるものの、単純に海自のイージス艦戦力を増強させてしまおうということになった。

これが本艦型の成り立ちである。


当初は超巨大なタンカーのような船体にイージスシステムと大量のミサイルをVLSで積み込み、それ以外の武装は殆ど無しという、30年ほど前に米海軍で計画されたものの実施されなかった「アーセナルシップ」のような案も計画されていた。

ただし、この案では弾道ミサイル以外には無防備な艦を守るために大量の護衛となる戦闘艦を別に用意する必要があるため、米海軍と同じ理由でこの案はボツとなった。


その後ある程度大きさをシェイプアップし、必要な自衛武装を施していく形で現在の計画に落ち着いた。

後の調達品目で12,000トン型護衛艦の呼称が与えられ、護衛艦と同等の扱いとなっている。元々が軍艦でないどころか海自ですらなく、陸自の基地装備の計画が政治のヘマという特殊な事情から巡り巡って西側最大の水上戦闘艦の計画となった。

偶然の産物だが、これにより昨今世界で増えてきた大型駆逐艦を日本も保有する事になった。


関連タグ編集

海上自衛隊 イージス艦

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