概要
Mk.45とは、1960年代にアメリカ合衆国で開発された単装5インチ(127mm)口径、54口径長から62口径長の艦砲である。
対空、対水上、対陸上支援射撃が可能な軽量自動砲として開発され、1968年に最初期型が開発された。それまでの米国製艦砲と異なって砲塔内を完全に無人化しており、機構も簡素にすることで整備の効率化も図られた。
再初期型のMk.45 Mod.0は1974年に原子力ミサイル巡洋艦カリフォルニアで初搭載された。以後、改良を続けつつ現代でも運用されており、アメリカ海軍の過半数の水上戦闘艦のほか、日本の海上自衛隊を含めた西側諸国の海軍に広く採用されている。
現在主に使用されているのは、改良型のMod.2とMod.4の二種類。
Mod.2はもともと、Mod.0の改良型Mod.1の輸出用として開発されたものをアメリカ海軍が採用したもので、初登場から月日の経過した現在も長らく使用が続けられている。Mod.4(メイン画像)はステルス性を意識した角張りの砲盾と、62口径へと延長された長砲身が主な特徴で、射程100km以上となるGPS誘導砲弾も発射することが可能。
Mod.4のスペックは最大射程37km、発射速度は毎分20発(通常砲弾使用時)。
オート・メラーラ127mm砲と比べると発射速度が遅く対空には向かないものの、代わりに射程が長く誘導砲弾も発射できるため、対地対艦攻撃には優れている。また、同じアメリカ製のシステムであるイージスシステムとの相性が良いため、イージス艦への搭載に向いているという利点もある。