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概要編集

その名の通り弾道、放物線で飛ぶミサイルを指す。英名はBallistic missile。


航空機や対空兵器では対応不可能な高度、速度を達成するために誕生した兵器。ロケット燃料で思いっきり高く、高速で打ち上げ、弾体を標的に到達させる。


射程によってほとんど別物のように扱われているので一概には言えないが、弾頭に対してミサイル全体のサイズが巨大というのは共通するデメリット。弾体を打ち上げるにはかなりの燃料が必要で、その燃料を上昇させるためにまた燃料が必要になり、膨らんだ空気抵抗に対応してまた燃料が……という具合にミサイルが膨れ上がってしまう。

そのため他の手段と比べると重量効率はいまいちで、単純な戦果と費用で比べた場合のコスパもよろしくない。迎撃されにくいことは大きなメリットであるが、事情が許すなら他の手段を使った方がいい。


冷戦期には、核を積んで一斉発射すれば地球を破壊できると言われた切り札であった。しかしその後のレーダー対空ミサイルの発達により、すっかり影が薄くなった。2024年4月にイランが行った弾道ミサイル大量発射では、イスラエルの迎撃により被害はほぼゼロに終わっている。


分類と特徴編集

戦術弾道ミサイル編集

Tactical ballistic missile

射程300km以下。弾道ミサイルとしては一番射程が短いグループで、「戦術」の名の通り前線指揮官の一存で、砲爆撃支援感覚で使うことができる。

しかしながら、このクラスで既に一発1t以上と重量級。


短距離弾道ミサイル SRBM編集

Short-Range Ballistic Missile

射程500km~1000km程度。国家間攻撃が視野に入り、戦略兵器として認識される射程。

有名なスカッドはこのクラス。

ここまでは空力的な終末誘導が可能なので精度を高めやすく、お値段もお手頃。


準中距離弾道ミサイル MRBM編集

Medium-Range Ballistic Missile

射程1000km~3,500km。

マッハ二桁が見えてくる。このぐらいになると突入段階の誘導は難しく、費用対効果的にも核の使用が前提になってくる。打ち上げ過程や弾体形状にも段違いの精度が求められるのでお値段もけた違い。


中距離弾道ミサイル IRBM編集

Intermediate-Range Ballistic Missile

射程3,000~5,500km

アメリカロシアが直接投げ合うには少し足りないが、ロシアとヨーロッパ、中国とグアムで投げ合って第三次世界大戦予選大会をする分には事足りる程度の射程を持つミサイル。


大陸間弾道ミサイル ICBM編集

射程5,500km以上。

米中露と愉快な仲間たちが直接殺し合って世界を終わらせるためのミサイル。個別記事参照。


潜水艦発射弾道ミサイル SLBM編集

Submarine-Launched Ballistic Missile

射程はせいぜいSRBM、MRBMクラスにとどまるが、その隠密性から敵国沿岸にひょっこり現れてミサイルを発射できるので短射程は問題にならない。

仮にICBMの第一波で本国が壊滅しても、潜水艦が生きていれば報復ができる。死なばもろともを全力で目指す狂気の産物であり、この兵器の誕生によって相互確証破壊は完成した。

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