巡航ミサイルとは、主に主翼を備えて目標に向かって「飛行」するタイプのミサイル。
一般的に、ロケットエンジンの推力のみで飛翔する通常のミサイルよりも炸薬の搭載量が多い一方で、低速であるため、地上の建造物や陣地などの静止した目標や、比較的速度が遅い艦船などに向けて発射される。
概要
誘導性能が良好で、燃費が良いため比較的距離のある目標に向けて使用されるタイプのミサイルである。
既に述べたとおり、比較的低速(例えば米軍のトマホークは880km/h程度)であるため航空機などに対しては使用するのが難しいものの、代わりに炸薬の量を多く取ることができるため敵の陣地や艦船などの破壊力が求められる目標に使用できる。
また、同じく米軍のトマホークを例に取ると、基本的に発射後の制御が難しく軌道が制限される弾道ミサイルと違って発射されてから飛翔中→命中に至るまで制御を続けて高い命中精度を実現することが可能であるほか、対空警戒レーダーの有効高度を下回る高度を保ちながら飛ばして、警戒が厳重な区域を迂回するように飛ばしたり、目標直前で上昇して最も脆弱な部位を攻撃するといった曲芸じみた真似もできる。
そのため、通常のミサイルではロケット燃料が数秒程度で尽きるのに対して、巡航ミサイルは長時間の機構を可能とするエンジンを積んでおり、ミサイルというよりも無人航空機に近く、ミサイル関係の制限条約回避の意味でも無人航空機として扱われることが多い。
主な巡航ミサイル
- Fi103/V1飛行爆弾(ナチス・ドイツ)
- JSM(ノルウェー)
- ストーム・シャドウ/SCALP-EG(イギリス・フランス)
- 天龍(韓国)
- BGM/RGM/UGM-109 トマホーク(アメリカ)
- 12式地対艦誘導弾能力向上型(日本)