概要
戦闘艦(combatant ship)とは対艦戦闘を主な目的とする軍艦のこと。
潜水艦も戦闘艦の一種であるが、これを含まない分類として「水上戦闘艦」という言葉を使うことも多い。水上戦闘艦は艦砲と魚雷もしくは対艦ミサイルを主武装とし、対空・対潜能力を重視した艦であっても敵水上艦に対し積極的な戦闘を挑む能力を持っている。
航空母艦(空母)・揚陸艦など、艦自体が戦闘を行うのではなく搭載している航空機による戦闘や水陸両用作戦を主な目的としている艦船を含める場合もある(⇒母艦)。もっとも、日本海軍の初期の空母である赤城・加賀は20cm砲10門と重巡洋艦並みの火力を備えていた(結果的には無用の長物であったが)。実戦においては、英海軍の空母ユニコーンが朝鮮戦争にて対地艦砲射撃を行なっている。
海軍に属する戦闘艦以外の艦艇を補助艦艇(auxiliary ship)という(旧日本海軍では艦艇と区別して特務艦艇と呼んでいた)。掃海艇や敷設艦も戦闘(機雷戦)に従事する艦種であるが、対艦戦闘を前提としてはいないので補助艦艇に含まれることが多い。
日本の海上保安庁の巡視船・巡視艇も機関砲などで武装はしているものの、海上保安庁は軍事組織ではなく、海保船が積極的に戦闘を挑むことはないため戦闘艦には当てはまらない。一方でアメリカ軍の一部門と位置付けられているアメリカ合衆国沿岸警備隊のカッターはオート・メラーラ76mm砲を装備するなど重武装で、戦時には戦闘艦として船団護衛任務などに当たることもある。