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巡視船

じゅんしせん

海上保安庁の運用する警備用船舶。

海上保安庁が所有する、海上警備用の大型船舶。小型のものは「巡視艇」。

基本的な船体構造は商船と同じだが、荒れた海でも活動可能な良好な航洋性、強力な指揮・通信能力、大型船を曳航できる強力な機関を持つ。また、巡視船の中でも大型のものは救難・哨戒用にヘリコプターを装備する。

密漁船、密航船、海賊船やその他の不審船に対処するため武装を持つことも特徴だが、軍艦ではないので、武器は機関砲程度。

通常は配備先に縁の深い名前がつけられるため、配備替えにより名前が変わる場合がしばしばある(ひだ型巡視船など、これにあてはまらない船もある)。

特殊任務に対応するため砕氷機能や高速航行、消火機能といった特殊機能を持たされた巡視船もある。
その任務の特質上、船隊を組まない単独行動が基本だが、不審船対策用に建造されたひだ型巡視船のように3隻一組の運用を前提に建造された巡視船もある。

巡視船の型式

PLH型:「Patrol Vessel Large with Helicopter」の略。ヘリコプター搭載型大型巡視船。公称船型700トン以上の型のうち、ヘリコプターを搭載しているもの。2016年現在14隻。

PL型:「Patrol Vessel Large」の略。大型巡視船。公称船型700トン以上の型。現役船にはヘリコプター格納庫はないが、ヘリコプターとの連携強化を目的に、ヘリ甲板を備える型が多い。

PM型:「Patrol Vessel Medium」の略。中型巡視船。公称船型350トン以上700トン未満の型。

PS型:「Patrol Vessel Small」の略。小型巡視船。現在は公称船型130トンのものが最も小型であり、これは巡視艇(PC型およびCL型)の中で最も大きい「まつなみ」よりも小さい。

有名な巡視船

※概ね建造順。

  • PL-04→PL-100「栗橋」(元日本海軍所属の救難曳船。1897年デンマークで建造、当時の船名はヘラクレス。1905年、日露戦争にあたり海軍がスウェーデンの船主から購入し、軍艦の引き揚げ作業を行う。太平洋戦争後復員輸送、掃海に従事し、初代の海上保安大学校練習船となった。1955年解体)
  • PL-107「宗谷」(元日本海軍特務艦砕氷船。灯台補給船を経て南極観測船の任務に当たったほか、当時海保最大の巡視船として多岐にわたる任務で活躍。日本の船としては初めてヘリコプターを装備した、ヘリコプター搭載巡視船および護衛艦の祖でもある。巡視船としては唯一の保存船であり「帝国海軍最後の生き残り」としても知られる)
  • PL-106「こじま」(元日本海軍海防艦「志賀」。栗橋に次ぐ海上保安大学校2代目練習船として運用された。なお以降の海上保安大学校練習船(PL-21)も同名である)
  • PM-21「しきね」(海上保安庁が建造した初期の巡視船の一隻。初代『ゴジラ』や、『ウルトラQ』に登場することで知名度が高い。トップ画像の巡視船がこれである)
  • PL-11「のじま」(気象観測用巡視船。気象衛星「ひまわり」が打ち上げられるまで、南方の遠洋で台風などの気象観測に従事した)
  • PM-89「たかとり」(消防巡視船。東京港に係留されている「宗谷」を別にすると海保最古の現役巡視船であった。2016年10月13日退役)
  • PL-01→PLH-01「そうや」(200海里時代PLHのタイプシップとして建造された大型砕氷船。ヘリコプター格納庫、OIC室(護衛艦のCIC室に相当)など多くの新機軸を導入した。前記「宗谷」の後継。たかとりの退役により現役最古の巡視船になった)
  • PLH-21「みずほ」(初のヘリコプター2隻搭載型PLH。建造当時は世界最大の巡視船。同型船に「やしま」)
  • PM-15「てしお」(「そうや」と並び海保でただ2隻の砕氷巡視船)
  • PL-31「いず」(災害対応型の救難巡視船)
  • PLH-31「しきしま」(プルトニウム運搬船護衛用に建造。基準排水量6,500トンと巡視船としては極端に大きく、対空レーダーの装備など重武装)
  • PLH-32「あきつしま」(遠隔地派遣のため、しきしま型巡視船の2番船として建造。しきしまの武装を削減するかわりに搭載艇の増加、指揮機能の強化などが行われ、船型はより大型化している)
  • PL-51「ひだ」(不審船対策に特化した高速高機能巡視船。同型船に「あかいし」「きそ」)
  • (船番号未定)「6000トン型巡視船」(平成28年度第2次補正予算案で建造予定のしきしま型巡視船の3番船。2019年度中に配属予定)

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