概要
第二次世界大戦中のアメリカ海軍で商船護衛のために建造された小型で比較的低速の駆逐艦。Destroyer Escort(DE)。現在で言えば艦種はフリゲートに当たる。
旧式の駆逐艦を対潜艦に改造したEscort Destroyer(DDE)も和訳は「護衛駆逐艦」で紛らわしい。
レンドリース法によりアメリカ合衆国はイギリスに商船、軍艦、軍需品を供与できるようになったが、その輸送船団はドイツ海軍Uボートの通商破壊の対象となった。
これに対抗するため、アメリカ海軍で「イギリス護衛駆逐艦」の設計が行われたが、その後これらは「護衛駆逐艦」と改称された。「護衛駆逐艦」は4/5がアメリカ海軍の所属となり、1/5分がイギリス海軍に引き渡された。
艦隊型駆逐艦と違い、護衛対象の商船と同程度の速力があれば良く、能力は対潜攻撃に主眼を置きつつ、限定した対空戦闘能力を備え、対艦戦闘用に魚雷発射管を備えた艦もあった。サイズは小さく、コストは安く、大量に建造された。
日本海軍ではこの護衛駆逐艦に相当する艦種は存在しなかったものの、丁型駆逐艦と海防艦がこれに近い任務を担った。戦後、リヴァモア級駆逐艦とキャノン級護衛駆逐艦、各2隻が海上自衛隊に供与され、それぞれあさかぜ型護衛艦、あさひ型護衛艦(初代)として就役した。
関連タグ
エヴァーツ級 バックレイ級 キャノン級 エドサル級 ラッデロウ級
ジョン・C・バトラー級 ディーレイ級 クロード・ジョーンズ級