概要
アメリカ合衆国沿岸警備隊( United States Coast Guard, USCG)はアメリカ合衆国(米国)の海上警察機構である。現役軍人4万人以上、補助隊員2万4000人、一般職員8500人を擁する世界最大の沿岸警備組織。
歴史
1790年8月にアレクサンダー・ハミルトン財務長官の要請により、議会によって設置された税関監視艇部が前身である。1915年1月に救命局・1939年7月に灯台局を統合し、現在の沿岸警備隊になった。第2次世界大戦と朝鮮戦争などでは沿岸警備隊の巡視船が海外に派遣され、海軍の指揮下で上陸支援・輸送船団の護衛などに当たった。1967年4月に運輸省の管轄となった後は、2003年3月に国土安全保障省に移管された。
組織
国防総省ではなく国土安全保障省に属するが、陸軍、海軍、空軍、海兵隊とともに米国軍の一部門として位置付けられている。
保安方面を大きく太平洋(アラスカ、ハワイ含む)と大西洋(五大湖、メキシコ湾、ミシシッピ川を含む)方面に分け、太平洋方面はボストン、ポーツマス(バージニア州)、マイアミ、ニューオーリンズ、東海岸(大西洋岸)方面はアラメダ(カリフォルニア州)、シアトル、ホノルル、ジュノー(アラスカ州)にそれぞれ海上管区本部を設置しており、この他に24カ所に航空基地を有する。
本部はワシントンD.C.にあり、メリーランド州ボルチモアに沿岸警備隊工廠を保有する。士官学校はコネチカット州ニューロンドン、訓練センターはニュージャージー州ケープメイにある。
装備
2019年10月時点で243隻のカッター(巡視船)、1650隻のボート(巡視艇など)、201機の航空機(ヘリコプターと固定翼機)を運用し、帆船や南極観測用の砕氷船も保有している。