アメリカ沿岸警備隊(アメリカえんがんけいびたい、英語:United States Coast Guard、略称:USCG)は、アメリカ合衆国が保有する沿岸警備隊。アメリカ軍を構成する6軍の1つであり、現役軍人4万人以上・補助隊員2万4000人・一般職員8500人を擁する世界最大の部隊である。
組織
国防総省に属する陸軍・海軍・空軍・海兵隊・宇宙軍と違い、沿岸警備隊は国土安全保障省に属する。管轄の省庁が違ってもあくまでアメリカ軍を構成する軍種である。
保安方面を大きく太平洋(アラスカ、ハワイ含む)と大西洋(五大湖、メキシコ湾、ミシシッピ川を含む)方面に分け、太平洋方面はボストン、ポーツマス(バージニア州)、マイアミ、ニューオーリンズ、東海岸(大西洋岸)方面はアラメダ(カリフォルニア州)、シアトル、ホノルル、ジュノー(アラスカ州)にそれぞれ海上管区本部を設置しており、この他に24カ所に航空基地を有する。
本部はワシントンD.C.にあり、メリーランド州ボルチモアに沿岸警備隊工廠を保有する。士官学校はコネチカット州ニューロンドン、訓練センターはニュージャージー州ケープメイにある。
歴史
1790年8月に設置された税関監視艇局が前身で、1915年1月に救命局、1939年7月に灯台局を統合して現在の沿岸警備隊になった。第二次世界大戦と朝鮮戦争などでは沿岸警備隊のカッターが海外に派遣され、海軍の指揮下で上陸支援・輸送船団の護衛などに当たった。
1967年4月に運輸省の管轄となった後は、2003年3月に国土安全保障省に移管された。
装備
2019年10月時点で 243隻のカッター(巡視船)、1650隻のボート(巡視艇など)、 201機の航空機(ヘリコプターと固定翼機)を運用する。帆船や南極観測用の砕氷船も保有している。