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概要編集

アメリカ海兵隊(アメリカかいへいたい、英語:United States Marine Corps、略称:USMC)は、アメリカ合衆国が保有する海兵隊。アメリカ軍を構成する6軍種の1軍であり、主に最前線で最初に敵と交戦する部隊である。


1798年7月に連邦議会で海兵隊の設立と組織化に関する法律が可決され、陸軍海軍とは別に組織されて現在まで存続している。この部隊を正式にマリン・コープス(Marine Corps)と呼ぶのはこの法律の題名に由来しており、可決された当時のアメリカには陸軍と海軍しか無かったからである。ちなみに、海兵隊は海軍と共に海軍省に属するが、海軍の下では無く並列の存在である。


歴史編集

1775年11月に第2回大陸会議での決議に基づき、サミュエル・ニコラス大尉に組織された大陸海兵隊にそのルーツを辿る。1783年4月に大陸海兵隊が解散したのち、1798年7月に連邦議会が海兵隊の設置に関する法律を承認し、アメリカ軍で4番目の軍種として発足した。


創設から19世紀まで当時の他の国の海兵隊と同じように艦船の警備役を務め、戦闘時における銃撃を担当したほか、何度も地上戦兵力として派遣された経歴がある。20世紀に入ると艦船の警備役としての海兵隊は形だけのものになり、海外の拠点の警備が主な役割となると、第二次世界大戦から朝鮮戦争にかけては海軍と連携して敵の待ち受ける海岸線に上陸するような水陸両用作戦を実行するようになる。ベトナム戦争以降、特に冷戦が終結して非対称戦が主流になると、緊急展開能力と自己完結性を備えた第2の陸軍のような組織として運用されるようになる。


2020年代に入って中国ロシアといった修正主義国の軍事的影響力が増すようになると、アメリカ海兵隊は新たに『フォースデザイン2030』と呼ばれる転換策を打ち出している。この方針は、多次元領域で活動する正規軍に対抗するために考え出された編成・作戦に関する大規模な転換であり、敵の勢力圏内にある島嶼(とうしょ)部に散開して地対艦ミサイルによる封鎖網を築き上げるなど、主に海軍との連携に主眼が置かれたものとなっている。


特徴編集

規模・任務編集

沿岸警備隊を含めたアメリカ軍を構成する6軍の中で3番目に小さく、最高位の軍人を統合参謀本部の構成員として送り込む5軍の中では最小である。他の軍種と違って大統領直属の部隊であり、連邦議会の承認が無くても動員できる。大統領が搭乗するヘリコプターも運航しており、その際のコールサインは「マリーンワン」である。大統領の儀仗は海兵隊の任務となっており、大統領の行く場所には常に海兵隊員の姿がある。


現在では海兵空地任務部隊として陸海空軍全ての領域の装備を使用し、自前であらゆる任務を遂行できる能力を有している。アメリカ軍の中で唯一本土の防衛を任務に含まず、侵攻・上陸作戦を専門とする緊急展開部隊として位置付けられている為、戦車・航空支援用の戦闘機攻撃ヘリコプターなどを自前で擁する大所帯となっている。ちなみに事務方・コック・将軍に至るまで全ての海兵隊員が小銃手となっているが、衛生兵など一部の兵種は海軍任せである。


訓練編集

新兵訓練キャンプはパリス・アイランド(サウスカロライナ州パリス・アイランド)とキャンプ・ペンデルトン(カルフォルニア州サンディエゴ)の2箇所にあり、ミシシッピ川を境に東側の出身者はパリス・アイランド、西側の出身者はサンディエゴに送られるが、女性兵士は前者のパリス・アイランドへと送られる。


サンディエゴには悪魔の丘という急坂がある事から、パリス・アイランド出身者を「坂を免除された者たち」、田舎のパリス・アイランドに対してサンディエゴの近くにハリウッドがある事から、キャンプ・ペンデルトン出身者を「めかし屋ども」と互いにからかっている。


名物とも言うべき教官たちの罵声は、訓練キャンプに到着した時点でその洗礼を受けるが、入所手続きの時点から四方八方の罵声を浴びせられて始まり、教官たちは真剣な眼差しで今日も訓練生に罵声を浴びせている。教官は過酷な訓練を耐え抜いて一海兵隊員として成長・卒業する訓練生に対し、初めて「訓練所にやって来たこの世で最低の生物」に対する罵声では無く、同じ仲間としての労いの言葉を贈るのである。


装備編集

軽火器編集


車両編集

  • LAV-25歩兵戦闘車
  • AAV7水陸両用車
  • HIMARS高機動ロケット砲システム
  • NMESIS無人地対艦ミサイル車両

航空機編集


余談編集

  • アメリカが独立して最初の宣戦布告を交わした正式な対外戦争では、7人の海兵隊員が現地で500人の志願者を集め、4000人の敵を相手に戦って勝利したというこの御方も驚愕の記録がある。この一件は海兵隊初の海外派遣での勝利もあり、『海兵隊讃歌』の歌詞に反映されて現在に伝えられている。
  • 1945年2月に硫黄島での戦いが発生した時、敵前強行上陸で501名の戦死者を出した。これは1日の戦闘で生じた死者数としては、海兵隊創設以来2011年までの間で最大である。
  • 「切込隊」的な任務と訓練の過酷さから、アメリカ国内でも「アメリカの軍隊の中でも、かなりの荒くれ部隊」とのイメージが有るようで、海軍の航空機パイロットだった政治家のジョン・マケインも彼の息子が軍に志願した際には冗談半分に「まさか、海兵隊に入るとは思わなかった」と発言した。
  • アメリカ海兵隊はアメリカ海軍省の下部組織にも拘わらず、何故か、階級の呼び方は陸軍式となっている。

関連イラスト編集

USMC RiflemanMARSOC

射撃姿勢2ミスフィット1-3


関連動画編集

アメリカ海兵隊広報CM『祖国のために』(2011年2月)


アメリカ海兵隊広報CM『大いなる巡り』(2021年11月)


アメリカ海兵隊広報CM『移りゆく脅威』(2022年10月)


関連タグ編集

ジェームズ・マティス V-22オスプレイ) AV-8B F35 M1エイブラムス

ぴくせる☆まりたん まりんこゆみ

別名・表記揺れ編集

  • USMC
  • マリンコ:『マリン・コープス』を英語読みすると海兵の死体となってしまうので、フランス語風の発音から。
  • ジャーヘッド:所謂GIカットやブルードレスの襟がポットの蓋に見えることから。
  • レザーネック:支給されていた黒い皮製のカラーから。日焼けによって革のように硬くなった皮膚という説もある。
  • デビルドッグ:1918年6月にフランスを支援したアメリカ海兵隊第5海兵連隊第2大隊51中隊の勇敢さを例えた言葉から。
  • イエローレッグ:陸軍では廃止されたアンクルブーツのレギンスから。
  • グラント:不満を意味するスラングで、転じて文句が出るほど重い荷物を持つ歩兵。

外部リンク編集

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