ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

概要

アメリカ海兵隊(アメリカかいへいたい、英語:United States Marine Corps、略称:USMC)は、アメリカ合衆国が保有する海兵隊。アメリカ軍を構成する6軍種の1軍であり、主に最前線で最初に敵と交戦する部隊である。

1798年7月に連邦議会で海兵隊の設立と組織化に関する法律が可決され、陸軍海軍とは別に組織されて現在まで存続している。この部隊を正式にマリン・コープス(Marine Corps)と呼ぶのはこの法律の題名に由来しており、可決された当時のアメリカには陸軍と海軍しか無かったからである。ちなみに、海兵隊は海軍と共に海軍省に属するが、海軍の下では無く並列の存在である。

歴史

1775年11月に第2回大陸会議での決議に基づき、サミュエル・ニコラス大尉に組織された大陸海兵隊にそのルーツを辿る。1783年4月に大陸海兵隊が解散したのち、1798年7月に連邦議会が海兵隊の設置に関する法律を承認し、アメリカ軍で4番目の軍種として発足した。

創設から19世紀まで当時の他の国の海兵隊と同じように艦船の警備役を務め、戦闘時における銃撃を担当したほか、何度も地上戦兵力として派遣された経歴がある。20世紀に入ると艦船の警備役としての海兵隊は形だけのものになり、海外の拠点の警備が主な役割となると、第二次世界大戦から朝鮮戦争にかけては海軍と連携して敵の待ち受ける海岸線に上陸するような水陸両用作戦を実行するようになる。ベトナム戦争以降、特に冷戦が終結して非対称戦が主流になると、緊急展開能力と自己完結性を備えた第2の陸軍のような組織として運用されるようになる。

2020年代に入って中国ロシアといった修正主義国の軍事的影響力が増すようになると、アメリカ海兵隊は新たに『フォースデザイン2030』と呼ばれる転換策を打ち出している。この方針は、多次元領域で活動する正規軍に対抗するために考え出された編成・作戦に関する大規模な転換であり、敵の勢力圏内にある島嶼(とうしょ)部に散開して地対艦ミサイルによる封鎖網を築き上げるなど、主に海軍との連携に主眼が置かれたものとなっている。

特徴

規模・任務

沿岸警備隊を含めたアメリカ軍を構成する6軍の中で3番目に小さく、最高位の軍人を統合参謀本部の構成員として送り込む5軍の中では最小である。他の軍種と違って大統領直属の部隊であり、連邦議会の承認が無くても動員できる。大統領が搭乗するヘリコプターも運航しており、その際のコールサインは「マリーンワン」である。大統領の儀仗は海兵隊の任務となっており、大統領の行く場所には常に海兵隊員の姿がある。

現在では海兵空地任務部隊として陸海空軍全ての領域の装備を使用し、自前であらゆる任務を遂行できる能力を有している。アメリカ軍の中で唯一本土の防衛を任務に含まず、侵攻・上陸作戦を専門とする緊急展開部隊として位置付けられている為、戦車・航空支援用の戦闘機攻撃ヘリコプターなどを自前で擁する大所帯となっている。ちなみに事務方・コック・将軍に至るまで全ての海兵隊員が小銃手となっているが、衛生兵など一部の兵種は海軍任せである。

訓練

新兵訓練キャンプはパリス・アイランド(サウスカロライナ州パリス・アイランド)とキャンプ・ペンデルトン(カルフォルニア州サンディエゴ)の2箇所にあり、ミシシッピ川を境に東側の出身者はパリス・アイランド、西側の出身者はサンディエゴに送られるが、女性兵士は前者のパリス・アイランドへと送られる。

サンディエゴには悪魔の丘という急坂がある事から、パリス・アイランド出身者を「坂を免除された者たち」、田舎のパリス・アイランドに対してサンディエゴの近くにハリウッドがある事から、キャンプ・ペンデルトン出身者を「めかし屋ども」と互いにからかっている。

名物とも言うべき教官たちの罵声は、訓練キャンプに到着した時点でその洗礼を受けるが、入所手続きの時点から四方八方の罵声を浴びせられて始まり、教官たちは真剣な眼差しで今日も訓練生に罵声を浴びせている。教官は過酷な訓練を耐え抜いて一海兵隊員として成長・卒業する訓練生に対し、初めて「訓練所にやって来たこの世で最低の生物」に対する罵声では無く、同じ仲間としての労いの言葉を贈るのである。

装備

軽火器

車両

  • LAV-25歩兵戦闘車
  • AAV7水陸両用車
  • HIMARS高機動ロケット砲システム
  • NMESIS無人地対艦ミサイル車両

航空機

余談

  • アメリカが独立して最初の宣戦布告を交わした正式な対外戦争では、7人の海兵隊員が現地で500人の志願者を集め、4000人の敵を相手に戦って勝利したというこの御方も驚愕の記録がある。この一件は海兵隊初の海外派遣での勝利もあり、『海兵隊讃歌』の歌詞に反映されて現在に伝えられている。
  • 1945年2月に硫黄島での戦いが発生した時、敵前強行上陸で501名の戦死者を出した。これは1日の戦闘で生じた死者数としては、海兵隊創設以来2011年までの間で最大である。
  • 「切込隊」的な任務と訓練の過酷さから、アメリカ国内でも「アメリカの軍隊の中でも、かなりの荒くれ部隊」とのイメージが有るようで、海軍の航空機パイロットだった政治家のジョン・マケインも彼の息子が軍に志願した際には冗談半分に「まさか、海兵隊に入るとは思わなかった」と発言した。
  • アメリカ海兵隊はアメリカ海軍省の下部組織にも拘わらず、何故か、階級の呼び方は陸軍式となっている。

関連動画

アメリカ海兵隊広報CM『祖国のために』(2011年2月)

アメリカ海兵隊広報CM『大いなる巡り』(2021年11月)

アメリカ海兵隊広報CM『移りゆく脅威』(2022年10月)

関連タグ

ジェームズ・マティス V-22オスプレイ) AV-8B F35 M1エイブラムス

ぴくせる☆まりたん まりんこゆみ

別名・表記揺れ

  • USMC
  • マリンコ:『マリン・コープス』を英語読みすると海兵の死体となってしまうので、フランス語風の発音から。
  • ジャーヘッド:所謂GIカットやブルードレスの襟がポットの蓋に見えることから。
  • レザーネック:支給されていた黒い皮製のカラーから。日焼けによって革のように硬くなった皮膚という説もある。
  • デビルドッグ:1918年6月にフランスを支援したアメリカ海兵隊第5海兵連隊第2大隊51中隊の勇敢さを例えた言葉から。
  • イエローレッグ:陸軍では廃止されたアンクルブーツのレギンスから。
  • グラント:不満を意味するスラングで、転じて文句が出るほど重い荷物を持つ歩兵。

コメント

コメントが未記入です

pixivに投稿されたイラスト

すべて見る

pixivに投稿された小説

すべて見る
  • EtermalOrgan ZERO

    暗黒大陸~Dark continent

    始めましてECHO3です。 「ECHO3」と書いてECHOさんなどと言ってくれればOKです…と言ってもイーチョだとか単にECHOとかECHO3(スリー)と呼ばれたりもします。お好きに呼んでもらって構いません。 実質小説初投稿です(大昔に一度投稿したことがありますがすぐ消したのでノーカンノーカン(;'∀') このシリーズはZEROと銘打ってる通り本編の前日譚となる作品の予定です 「なんで本編を先に作らないんだよ」って思われるかもしれませんが、僕はスターウォーズをエピソード4からじゃなくてエピソード1から見るようなタイプの人間ですので悪しからず…まあエースコンバットは7から始めてるんですけどね(現状7→無印→3→04→AHっていう謎の順番でやってしまってる まあ初心者ですので至らない部分が大いにあると思うので容赦なく指摘してくれれば次回に繋がるので色々嬉しいです。逆に応援コメントも嬉しいです…多分来ないと思いますけどね。 さて作品についてですが、近未来SFを装っている特殊部隊モノです。ただ短編シリーズですので3~4話ぐらい出したら終わります。 僕はバットエンドが大嫌いですがFate/Zeroのように続編でグッドエンドになるなら前日譚はどんなにバッドエンドにしても良い理論に従ってバッドエンド予定です。というか冒頭部分でもう既に絶望的ですけどね(~_~;) まあ半蔵君を応援してあげてください。 投稿頻度をどうするかは決めてませんが、もう2話を作ってるので遠くない内に投稿すると思います。 ではまた~ *** カクヨムでも投稿しました https://kakuyomu.jp/works/16818093084437785561/episodes/16818093084442677730
  • EtermalOrgan ZERO

    空白への恐怖~Horror vacui

    用語・世界観解説 MV-330 ペットネーム『ヴァルチャー』 CH-47チヌークの後継機として採用されたティルトジェット型のV-330輸送機の派生型で巡航速度は現実世界のオスプレイの約二倍かつチヌークに劣らない積載量と機体規模を誇る。 砂漠に弱かったり低高度での機動性においては回転翼機に負けるものの優れた輸送能力が高く評価され米陸軍で採用される。 特殊戦機仕様である通常には無いステルス装備等が施される。 またガンシップ型のAV-330も存在し、こちらもナイトストーカーズで採用されている。 第160特殊作戦航空連隊 通称「ナイトストーカーズ」 米陸軍お馴染みの最精鋭航空部隊。 保有機はMV-330・AV-330・MV-280(ティルトジェット)といったティルトジェット機の他にもMH-66(RAH-66の特殊戦機仕様)・MH-90(SB>1ディファイアントの正式採用かつ特殊戦機仕様)・MH-6・MCH-47といった回転翼機も多数ある。 MH-6は後継になりそうな小型ヘリが全く来ないため頑張って整備しているそうだ(一応民間仕様のMD-500は今でも販売されておりサポートはまだある 米軍航空隊事情 この世界では冷戦が現実世界よりも長く、また現実世界よりも科学技術が圧倒的に発達しています。(そのためRAH-66などの潰れた機体が正式採用されている オスプレイクラスのティルトローター機は既60~70年代、つまるところベトナム戦争時代には絶頂期を迎えています。 速度を追い求めた結果80年代にはローターを捨ててジェットエンジンに切り替わります。 一方でティルト機よりも安定性があり使い勝手が良く、攻撃型はティルト機よりも良い回転翼機は今でも軍隊で使われています。 というか、世界的に見れたティルトジェット機を多数運用出来ているのはアメリカを筆頭に一部の先進国軍ぐらいでNATOの先進国であるものの軍事予算が少ない軍隊とか物持ちが良い日本や韓国といった国の軍隊ではまだオスプレイクラスのティルトローター機を運用しています。 米陸軍航空隊ではティルト機も運用しつつ回転翼機もちゃんと運用していましたが冷戦崩壊等による予算削減や効率化を目的にCH-47などの輸送ヘリをティルト機にするようにしています。 海兵隊や海軍、空軍ではティルト機の配備が進んでいて攻撃ヘリ以外は全部ティルトジェット機みたいな状態。 陸軍・海兵隊共に攻撃ヘリはAH-64の攻撃力ほどにまで引き上げたRAH-66ベースのAH-70(ARH-70とは全く異なる)を採用している。 *** 久しぶりの投稿です。 輸送機の名前考えてはいたんですが名前よりもどんな機体かを伝えたかったのでいつもティルトジェット機って言ってましたがこの輸送機について詳しいSOAR(ナイトストーカーズ)の隊員に丁度焦点が向くシーンが来たのでやっと名前を出すことが出来ました。 世界観を始めてちゃんと書きましたがすごく気になるという人は質問してみてください。 答えても問題無さそうな範囲で答えます。 カクヨム版も出したらこちらにURL出します。
    12,027文字pixiv小説作品

このタグがついたpixivの作品閲覧データ

アメリカ海兵隊
14
編集履歴
アメリカ海兵隊
14
編集履歴